日本語というのは大和言葉と称されるものも含めて
「漢字を素材として、日本人自身がつくった言語」です。
今回は【さいころ】・【すごろく】の語源を紹介します。サイコロとは、木、動物の角(つの)、陶磁器、プラスチックを素材としてつくった0・5~1・5cm程度の立方体で、その各面に反対面との合計が7になるように各1個から6個の点を打って数字を表わし、遊戯に使用する小道具のことです。
この立方体の一個か二個を、手で盤面に転がして、上面にでた数で、二個のときは合計数で勝負を決める、または、競技を進めるのに使います。
さて、語源の話に移りますと、サイコロのサイとは賽のことです。一音節読みで賽はサイと読み「競技」、英語でいうところのゲーム(game)のことです。賽車は競輪や単車競技(auto race)や自動車競技(car race)、賽船は船舶競技(boat race)、賽馬は競馬、賽球は各種球技試合のことをいいます。
コロとは骨碌のことで、一音節読みで、コロと読み「コロコロ転がる、コロコロ転がす」の意味です。
したがって、サイコロとは、賽骨碌であり、直訳すると「競技で転がす(もの)」の意味になっており、これがこの言葉の語源です。漢語では、麻雀を好きな人ならよくご存知のように、「色子」と書いてシャイツと読みます。
現在では、ほとんど遊ばれていませんが、スゴロクという競技があります。通常は、二個の色子を振って、でた目の合計数だけ進んだり退いたりして、目標に早く到達した方を勝ちとする単純なゲームです。
スゴロクのスゴロは、速過路のことです。一音節読みで、速はスと読み「はやく」、過はグオと読み「通過する」、路はロと読み「進路、走路」の意味です。
つまり、速過路は「進路をはやく通過する」の意味になっています。速は、本来は、速度がはやいことを指すのですが、日本語では、区別せずに、時間的にはやいという意味でもしばしば使われています。一音節読みで、鵠はクと読み、「正鵠(せいこく)を射る」のように使われる字で、直訳では「的(まと)の真ん中」の意味ですが、ここでは、目標や目的地の意味になります。
したがって、スゴロクとは、速過路鵠の多少の訛り読みであり、「目的地に向かって進路をはやく通過する(競技)」の意味になっており、これがこの言葉の語源です。
当て字で「双六」と書くのは、二個の色子を使ってする競技であることと、色子の数字は最高で六であることを表現しているものと思われます。
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