【うんこ】の語源 | 日本語の語源 〜目から鱗の語源ブログ〜

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日本語の語源について紹介していきます。

 日本語というのは大和言葉と称されるものも含めて

 「漢字を素材として、日本人自身がつくった言語」です。

 

 今回は【うんこ】の語源を紹介します。

 

 ウンコとは、いわゆる大便のことです。

 大辞典、例えば、広辞苑(第六版)には「うんこ(幼児語。ウンはいきむ声、コは接尾語)大便。うんち。」と書いてありますが、これは極めて怪しい説明です。また、「りきむ」とは聞いたことはあっても「いきむ」とは、あまり聞いたことのない言葉です。

 

 現在の日本語では殆んど使われませんが、一音節読みで、ユンと読む醞、韞、および温という漢字があります。これらの字は、日本語では「ウン」と読みます。

は「醗酵する、醗酵させる」の意味です。この字に接尾語の子をくっ付けると、醞子になり、日本語読みするとウンコで、その意味は「醗酵した物」です。大便は「醗酵した物」ですから、大便のことになります。

 また、は、黄色と茶色の混ざったような色のことをいいます。この字に子をくっ付けると、韞子になり、日本語読みするとウンコで、その意味は、「黄茶色をした物」なので、やはり、大便のことになります。

 また、温は、日本語の標準語でも使われる字で、「温かい」という意味ですが、この字に子をくっ付けると、温子になり、日本語読みするとウンコで、その意味は、「温かい物」であり、大便は温かいので、この場合も、やはり、大便のことになるのです。

 

 したがって、ウンコの語源は、醞子韞子温子の意味を合せたもので、直訳すると「醗酵して、黄茶色をした、温かい(物)」の意味になっており、これがこの言葉の語源です。

醞、韞、温の外にも、雲、運など漢語でユン(yun)と読む字は、日本語ではウンと読みます。漢語にはウンという発音はないのです。

 

 日本の大辞典では、分別のない幼児の言葉にしてしまえば語源が分からなくてもよいので、幼児語にして誤魔化してある場合が多いのであり、このウンコもそれに該当します。そもそも幼児語とは、意味不明の言葉を指すべきものであり、ウンコはその意味がはっきりしているので、本来、幼児語とはいえないものです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。