2020年の自国開催の五輪で是が非でも金メダルを勝ち取りたい稲葉篤紀監督率いる侍ジャパン。おそらく日本のメディアは金メダル以外は全部ビリと一緒という報道をするであろう。そうした中でのU- 24日本代表の壮行試合。2日前の韓国との試合は薄氷の勝利であったが、2017年11月18日の U-24・ C・タイペイ代表との試合。試合はどうなっていくのか?
C・タイペイ代表の要注意選手といえば、OA(オーバーエイジ枠・ 24歳以上の選手を各チーム3人まで使える)の日本球界で日ハム・巨人で活躍する3番の陽岱鋼と、CPBL(台湾プロ野球)で4割を打ち、今年(2017年)3月のWBC日本代表(サッカーで言えばA代表)の壮行試合で楽天の則本の球を初見でスタンドへ運んだ「大王」こと4番の王柏融の2人である。
そうした中での東京ドームの韓国人アンパイアが宣言するプレイボール。
C・タイペイの先発は188cmの長身サウスポー・林政賢。
前にも書いたが、韓国とC・タイペイの野球というのは基本的に打高投低の傾向がある。あと内角攻めが得意な投手というのもこれらの国・地域には少ない。
なぜなら打者にぶつけてしまうというリスクがあるから。
この試合の2日前の韓国代表の打者は積極的に振ってくる一方で、選球眼もいいので、マウンド上の投手からすれば心身共に削られてしまうが、C・タイペイの打者もクサい球をカットして球数を投げさせようとしていた。
打者に脱線した話を投手に戻そう。C・タイペイは同じ東アジアの地域ながら、日本や韓国の投手は柔軟性のある下半身のしっかりした土台から、身体全体をしならせるような投球フォームで投げていたのに対して、C・タイペイの投手は身体も硬い上に腰高で上半身の筋力を利用するような、アメリカの白人投手に多いフォームの投手が目についた。
こうしたフォームだとボールに重さを出せる一方で、腰高だから投球フォーム自体が安定せず制球が不安定になるリスクもある。
そうした安定感のないC・タイペイの若手投手の球に、百戦錬磨の侍ジャパンの精鋭は容赦なく襲い掛かる。
2回にその相手サウスポーの高めに抜けた失投を6番の外崎修汰が見逃さずにフルスイング。先制点は地元日本であった。
しかし、まだ最少得点差。この後、侍ジャパンに試合の流れを決める分岐点のようなシーンが生まれる。〈④に続く〉
