①では今更ながらアジアプロ野球チャンピオンシップに対しての大会趣旨などの経緯を述べたが②ではテレビ観戦の日本vs韓国について述べたい。
韓国戦のマウンドを託されたのは、リーグ優勝した広島カープの15勝投手・薮田和樹。
しかし、試合の出だしは悪かった。初回、2回と先頭打者に四球を選ばせてしまう。
韓国野球というのは基本的に打高投低で、なおかつ積極的なエンドランなどで、貪欲に次の塁を狙う、ツボにはまった時の爆発力はすざまじい流れを生み出す伝統である。
そうした打線と対峙した薮田はペナントシーズン後で明らかに本調子ではなく、序盤は被安打はなくも立ち上がりの制球が不安定だった。
その後中盤に積極的なスウィングの中にも、際どいコースには手を出さない選球眼の良さを兼ね揃えた韓国打線は4回の先頭打者ホームランから、日本の守備の乱れにつけ込み4点で逆転。
リリーフ陣のオリックス近藤も火消しがうまくいかず、流れは一気に韓国ベンチに向かった。
しかし、この日の日本代表の4番だった西武の山川穂高がランナーを1人置いて、流し打ちのホームランで一点差。
その後、韓国の攻撃で山川は1・2塁での韓国の送りバントを迷いなく3塁に送球→フォースアウトで仕留め、守備の技術の高さも見せつけた。
ここから先は日本が土壇場で同点に追いついて、タイブレークからの大逆転劇で、稲葉監督の初陣を飾った。
こうした一連の流れはスポーツナビの速報やスポーツ新聞で充分に分かる。この試合を見に行って気になった部分をいくつか紹介したい。
①先発投手の不調…この日の薮田の出来はかなり悪かった。現代野球ではピッチャーの良し悪しがチームの成績を決めるという中で、この日の薮田は毎回四球で出塁させてしまい、ピンチを作った時点での降板。
結果的に勝てたから良かったが、筆者が2016年11月11日の東京ドームで見た侍ジャパンの強化試合(vsメキシコ戦)でも試合は11-4で日本が勝った一方で、メキシコ打線から3発のホームランを喫した。
その3発が全てソロだったから、この時のメキシコ打線を抑えられたが、今回の薮田と韓国打線のように四死球献上→イッパツになったら、先発の役割を果たせないことになる。
昨年のメキシコ戦も今年の韓国戦も、シーズン後の登板とはいえ、わざわざ外国から来た選手に対して低めを狙ったボールが甘く入りスタンドに運ばれたシーンを球場で見たが、今回のテレビ観戦での韓国のパワーヒッターにも甘く入った失投を見逃さずに打たれたのは、この時のWBCを制覇できなかった敗因でもあり、今大会終了後の稲葉ジャパンの課題だ。
②…守備陣の連携の問題。4回の韓国の攻撃で、スコアリングポジションに走者を置いた状態で、オリックス近藤の打ち取った当たりをレフトとセンターが一瞬お見合いをして2点タイムリーになった。
結局その後の試合展開で、山川のホームランや積極的な判断による高い守備能力も相まってで猛追できたから、結果オーライで勝てた部分もある。
ただこの日の日本代表の守備陣は韓国打線の破壊力というより、守りの部分の自滅も目立っていた。
その一方で、4番山川の流れを引き戻す流し打ちのホームランやタイブレークあとの集中力などで稲葉ジャパンの初陣を飾ったワケだが、日本代表の潜在能力が高い割には、その才能を持て余したゲームに見えた。
筆者はこのブログの後に東京ドームで日本代表vs C・タイペイ戦を生観戦する予定だ。
その試合について③以降で紹介する。乞うご期待。
