今年のプロ野球もシーズン前のWBCの激闘から入って、招集された侍ジャパン戦士の不調の中でも、ペナントレースが始まり、西武やDeNAのような伏兵の下克上もあり、最終的には戦力ではピカイチのソフトバンクホークスが日本一になった。

そうした野球ファンの熱い闘いが終わったあとに、日本球界は2020年の東京五輪を見据えたU-24の野球日本代表を結成。侍ジャパンの弟分のようなチームが未来の日本球界を担う選りすぐりの精鋭を集め、2017年11月16日から19日まで東アジアにある永遠のライバル、不倶戴天の敵である韓国、チャイニーズ・タイペイ(以下C・タイペイ)のそれぞれのU-24代表を招聘(しょうへい)して、未来の東アジアの覇権争いになる東京五輪のいわば親善試合である「アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」を東京ドームで開催した。

筆者としては本来なら木曜日の日韓戦を見たかったが、仕事などの調整の兼ね合いで、断腸の想いで生観戦は辞退。この試合はテレビ観戦となった。

その一方で、土曜日のC・タイペイ戦は事前にチケットを入手したので、生観戦が可能になった。

そうしたシチュエーションでの自宅のテレビによる野球観戦。稲葉監督の初采配に興味深々だった。

この大会の開幕戦。会場の風景を観る限り、平日開催もあって東京ドームの座席に空きが多く、主催者は集客に苦労しているようだった。

詳しくは②以降で述べるが、おそらくこの先、一生ないであろう地元開催の五輪・野球での栄冠。2008年の北京五輪での星野仙一監督率いる侍ジャパンが、最終的にメダルが取れず、常軌を逸したバッシングで監督の家族が心労で倒れたという話は有名だ。

そんな金メダル以外のモノを求められていない状況で、勝てば天国負ければ地獄という、筆者含めて凡人が稲葉監督の役割を求められたら、牛みたく胃袋が4つあっても、全部胃潰瘍で全滅してしまう想像を絶する重圧の中、チャンピオンシップ開幕戦、台湾プロ野球(CPBL)のアンパイアがプレーボールを宣告し、試合が始まった。〈②に続く〉