先日のブログでは日本ボクシング界の末期症状について述べたが、筆者自身も単なる批判屋で終わりたくないので、今回は逆に建設的な内容のモノを書くに至った。

今回のブログタイトルにあるプロボクシングにおけるアジア諸国との対抗戦であるが、今の時代は東京を中心とした日本というのは既に単一民族ではなく、様々な人種の在住者を抱えた多民族国家のように思える。

そうした上で、現在の後楽園ホールを中心としたプロボクシング興行はかなり下火になったが、そうした中で今回のテーマであるアジア対抗戦というのは、かなり集客を望める今ボクシング界にとってはかなりレアな興行形式に感じる。今回はそのことを分析したい。

後楽園で1番多い対抗戦というのはやはりフィリピンである。

フィリピンにとってボクシングという娯楽は日本における相撲のような立ち位置で、今世界中で最も世界戦クラスの挑戦者を輩出している国といっても過言ではない。

そうしたファイトマネーが手頃で生きのいい拳士が揃うフィリピン(比国)。今まで観戦した日比対抗戦ではいずれも、普段おそらく上野や錦糸町のフィリピンパブで働いてる若い女性も、こうした興行では多く、むさ苦しいオッさんしかいない後楽園ホールでは珍しく女子占有率の高い興行だった。

そして会場のオーロラビジョンで、天下のマニー・パッキャオのビデオレターもあり、フィリピン人の観客は試合前から興奮状態だった。

だが、チケットをまとめ買いしたショーパブとかの芸人を出すのはいいが、日曜日の夜の興行で翌日の仕事が頭をちらつかせた8時半に「お時間を頂戴して…」と無名のフィリピン人ラッパーが出てきた時は、日本のボクシング関係者は馬鹿なのか?と本気で思った。そんなにイベントをやるなら6時スタートの興行を4時にすればいいだけの想像力すら欠如していて閉口した。

また、同じように日韓対抗戦も観戦したことがある。正直言って今の韓国ボクシング界は瀕死の状態で、まともな韓国人拳士が集まるのか?と不安だったが、当時の韓国人東洋王者が、今まで見た韓国人拳士の中で最も優れた能力の持ち主で、筆者の心配は杞憂だった。

日比の時もそうだったが、日韓戦の時も世界戦でないのに両国国歌斉唱もあり韓国人通訳もいて、在日コリアン「新」一世のようなニューカマーが「キム・ジンス。ファイティーン!」と応援していて、韓国人拳士の能力が向上すれば、またやってもらいたいと感じた。

②では先日観戦した日中対抗戦を考えてみたい。

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