そうした都1部リーグひいては関東リーグやJFLへの昇格のために、勝利が宿命づけられた南葛SC。都2部リーグ第1ブロック第6節で社会人サッカーチーム Toshiba EGSを迎えて、地元葛飾区総合スポーツセンターでキックオフの笛が鳴った。
戦力の質では圧倒的に南葛の方が上。しかし、サッカーとは戦力の質と試合結果がいつも比例するとは限らない。キャプテン翼の主人公と同じ名前のチームに言うのもなんだが、相手にGIANT KILLING される訳にはいかないのだ。
そうした中で南葛SCの攻撃陣は仕掛けてくる。しかし戦力で劣るToshiba EGSもセオリー通りに引いて守るドン引きサッカーから鋭いショートカウンターに全てを賭ける。
引いて守ってゴール前に密集地帯を作って、南葛の攻撃陣に自由になるスペースを与えないToshiba。そこを南葛のFWが個の能力でゴールマウスをこじ開けようとどんどん仕掛けていく。
こうしたドン引きサッカーは見ている人間には退屈だが、時間だけが経過していくと強いチームの方は焦れてきて力任せの仕掛けから強引になり、プレーの精度も低くなりドツボにハマった試合も何度も見てきた。
しかし前半にToshibaのDFがゴールエリアで南葛の選手を倒しPKを獲得。これをしっかり決めて南葛が先制。形はどうあれこうしたドン引きサッカー相手に前半のうちに先制できたのは大きい。
その後南葛が右サイドから崩していって追加点も獲得。雨中でもメインスタンドに集結した南葛サポーターは大騒ぎだ。
しかし、前半終了間際に南葛のDFとGKが連携のミスからボールの処理を誤り、むざむざと相手に1点差に詰め寄られるゴールを献上。
どの国のどのカテゴリーでもどれだけ戦力差に開きがあっても、サッカーにおける1点差というのはセーフティではない。
南葛SCにとって嫌な流れの中で、40分ハーフの前半終了のホイッスルが鳴った。〈④に続く〉



