①ではこうして、かつて日本人で唯一NBAのコートに立った日本人(田臥)が、今の日本で最もNBAのコートに近い日本人(富樫)の前に壁として立ちはだかる、という図式で試合が行われる、ということを説明した。

田臥vs富樫という闘いは栃木vs千葉というBリーグのプレーオフを占う上位決戦という意味合いのみならず、大袈裟に言えば、日本バスケット界の将来をも決めるような試合だった。

そんな思いが交わる中でTIP OFF(試合開始)の笛が鳴った。

両チーム共にスタメンで富樫&田臥は出場していて、アウエーでも田臥の存在は際立っており、この田臥vs富樫の闘いの注目度の高さはチケット完売という形で証明されていた。

この試合の第1Q(クオーター)から第4Qまでの外国人選手出場人数というのは、千葉・栃木共に1(人)-2-1-2であった。

そうして決戦の火ぶたが切って落とされた。

まず、先手を取ったのはホームの千葉。兵法の神様である孫子の言葉に「先んずれば人を制する」という言葉があるが、ホームで出だしの主導権争いに勝つために、積極的に自分たちから仕掛けに行った。

長袖のユニフォームを唯一着ている富樫は格好だけでも目立っていたが、プレーでもより異彩を放っていた。

しかし、まずこの試合でよかったのは千葉の33番タイラー・ストーンであった。

身長203cmのビックマンでありながら、その身長の高さにあぐらをかかず、ゴール下の混戦での強さや至近距離でのシュートセンスにその存在感を際立たせていた。

一方で、アウエーの栃木も元NBAの日本人、0番の田臥勇太を中心にコートをワイドに使って、大外からの3Pシュートを狙いに行った。

しかしそうした中で、第1Qは28-21とホームの千葉がリードしていた。〈③に続く〉

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白の0番が田臥勇太。