最近、書店などでスポーツ誌のコーナーに行くと「長友佑都の体幹トレーニング」という雑誌が、所狭しと並んでいる。長友に限らずスポーツ誌のスペースには体幹トレを扱う紙媒体が増えた。

筆者がこのブログを書き始めたのは2013年6月13日だから、このブログにおけるスポーツのムーブメントを最初から掴めていた訳ではないが、筆者の当時の価値観の在り処であったボクシング界などでは、新井田豊(にいだ・ゆたか)のように、いち早く体幹トレを導入して世界王者になった日本人ボクサーもいたし、サッカー界でもコアなブロガーさんなどでは、韓国人サッカー選手などが体幹を中心としたフィジカルの強さで、JリーグやW杯などでの勝因の分析を紹介していたのは知っていた(余談だが、2012年のロンドン五輪の男子サッカーで韓国代表が、日本を下し銅メダルを獲得できたのは、韓国五輪代表で当時の監督だった洪明甫が、Jリーグ時代のツテで日本人フィジカルトレーナーである池田誠剛を招聘したのが、隠れた事実でもある)。

そうした2000年代半ばには既に、一部マニアには注目されていた体幹トレーニングが、10年余りの時を経て広く一般の日本人にも知られるようになったのは、彼らが時代のイノベーター(先駆者)だったからに他ならない(筆者がドヤ顔で言えることでもないが)。

そうして近年広く世の中に認知されてきた体幹トレーニングを一般人の体型強化にも取り入れようと、最初に述べた長友佑都の体型に憧れて、体幹トレーニングを題材にした紙媒体が多数増えていることは、それだけ一般人にも体型をよくするのに、フィットネスジムなどでの外側の筋肉強化だけには限界がある、というのに気づいてきたからだ。

しかし、そうした体幹トレーニング称賛の時代に冷や水をぶっかけるつもりは毛頭ないが、長友にしたって現地の栄養士の食事管理とフィジカルトレーナーの厳しいトレーニングの末にあのシックスパックがあるのであって、週末の繁華街で飲みに行っている一般人が、そうした雑誌を買い、一か月やったところで、現実は甘くはない(そもそもそれで腹筋が割れたら、そんなに容易く作れる身体そのものに価値がなくなる)。

ならば、そうした体型を作るのに必要なのは何なのか?というのに導き出された答えが「本気のラジオ体操」である。〈②に続く〉