トリはホスト国の中国である。ご存知の通りサッカー中国代表というのは中国国内の熱狂的な足迷(サポーター)に支持されている割には、国内リーグ(中国超級)も八百長騒ぎや不祥事が連発して、人気と実力がリンクしてない時期があった。

…しかし…

昨今の中国国内のサッカーバブルで国内に、①でも言ったが優秀な監督・コーチや有力選手が多数来中し、こうした流れが国内の中国人選手の底上げに繋がっているようになった(人民元の切り下げが中国サッカーに悪影響を及ぼさなければよいが)。

そしてこの時のサッカー中国代表は恐怖とまではいかないまでも、アジアの盟主である日本代表に一泡吹かすまでの実力は備わったチームだった。

この日の中国代表はどちらかというと韓国よりは北朝鮮代表のような足元のボールタッチはやや雑な印象だが、フィジカルが強くてやや劣勢でもパワーでゴリゴリとドリブルで推進していくような、速くて強いカウンターサッカーのチームであった。

この日の日中戦もカウンターの撃ち合いの様相をなしていた。

ただこのカウンター合戦も日本と中国では質が微妙に違い、中国のそれは18番のガオ・リン(主将)や得点を決めた7番のウー・レイのようなJ2に多い個人の身体能力を活かしたコテコテのショートカウンターが主流だったのに対し、日本のそれは中盤からパスをつないでの速攻のようなハーフカウンターのような攻めに見えた。

中国代表は2010年の東京でのサッカー東アジア選手権でもvs韓国戦でこうした身体能力の高いスピードを活かしたカウンターサッカーで3ー0で勝利を収め、同大会を優勝した(この時2点目をカウンターで決めたのがガオ・リンだった)。

今回東アジア選手権を3試合見て想像以上にアジアサッカーというのが急成長しているのが実感としてあった。アジア予選でのシンガポール戦含めて、日本代表は足元をすくわれる可能性もこれからは十分ある。