前回からの続きだが野球の80年とサッカーの20年という圧倒的な時間のギャップというモノに関し、もう少し考えてみたい。

サッカーという競技は本格的にプロ化が始動してまだ20年だ。人間で言えばまだ若者の領域である。色々あったがプロスポーツや大衆の娯楽として一応成人にはなったが、一人前にはまだヒヨッコである。

一方野球はというと80年という歴史から見ると、酸いも甘いも噛み分けた寝業師のような深みのある年配に見える。

先日このブログで緩急の重要性を説いたが、まだ若いサッカーという世界では速ければ速いほど良いという身体能力は高いがまだ物事の達成の為に必要な駆け引きを知らない世代の行動が多い。

一方で野球は踵(かかと)は叩くモノではなくくすぐった方が良いという真理をもう既に気づいていて、野球の配球でも直球で押し通すだけではなく変化球のバリエーションを増やして、相撲のいなしのようなかわす闘い方をもうちゃんと分かっているのである。

今の日本サッカーに必要なのは自分のペースだけを考えた一本調子の高速化合理主義&効率第一主義ではなく、一見無駄に見えるような行動も許容した攻撃の幅を広げた世界レベルの駆け引きを覚えることである。

日本人は真面目で必要以上に素直なところがあるが、それだけでは頂点を狙うのは難しいのだ。