こうして何も変えない事の危険について今述べているが、ボクシング界に必要な意識改革とは具体的にどういうことかを考えてみたい。
ボクシング界を例えば一軒のケーキ屋に例えみたい。
その「ボクシング界」というケーキ屋はケーキの味はそこそこ良いが店長は偏屈で昔気質の職人気質の爺さんで、頑固で考えを変えないところがあった。
しかもそのケーキ屋は開店時間が夕方5時から夜10時(ボクシングの試合の時間帯)という顧客からすると行きづらい時間帯に店を開いていた。
お客さんはそのケーキ屋に不満があってもその事を言うことは出来ないか、言えたとしてもその偏屈な老人店長に「ウチは今までこの時間でやっているんだ‼︎嫌ならよそに行け!」と言われる始末。
当然そんなケーキ屋は味が良くても他にもケーキ屋がいくらでもあるから、お客さんはそっちに流れる。
なのに「ボクシング界」というケーキ屋は客が来なくなった原因をケーキの中身に問題があると考え、新メニューにシフォンケーキやモンブランを作ろうとしている。
分かりづらい例えかもしれないが、このケーキ屋がするべき経営努力というのは新しいケーキという新メニュー開発(好勝負が期待出来るマッチメイク)ではなく、開店時間の変更(チケットを買ったお客さんが来やすい時間帯に試合をすること)だ。
ボクシング界の経営努力というのはスタート地点が間違っているので、どれだけ努力しても無意味なモノである。
冒頭のタイトルで「このままで良いのだ」と硬直化した思考停止したことを言い張るボクシング界だが、客観的なマーケット感覚を備えながら考えてみると「業界の常識は世間の非常識」なのだ。その感覚のズレをどこかで修正することが(どのスポーツビジネスでも)必要なのだ。