筆者(不器用貧乏)はスポーツ観戦が好きだが、ここの所のスポーツを見て思うことがあったので書いてみたい。

一般の方は知らないだろうが、ボクシングの元世界王者でマルコム・ツニャカオと言うフィリピン人がいる。現在は神戸のジムに所属しているが、この選手は筆者のいっこ上(1977年生まれ)である。以前1999年頃筆者がフィリピンに行った時、同国のボクシング関係者から「ツニャカオの素質は天賦の才」と口(くち)を揃えて言っていたのを覚えている。それから10年以上経っても、選手寿命の短い軽量級ボクサーで(4月の世界戦では負けたが)世界のトップ戦線に生き残っているのは、よほど自分の体の使い方が解っているのだと思う。

それは他の格闘技にも言える。最近ボクシング程ではないが、相撲を見るようになって安美錦のような息の長い力士を見ていて(膝のサポーターは痛々しいが)、長くやれている力士は自分の体の感覚が解っているというか、体の使い方を理解しているように思える。

力士であれ軽量級ボクサー(ツニャカオの試合体重はバンタム級=53.5キロ)であれ、敏捷性(サッカーでいうアジリティー)が必要な格闘技は長持ちしないものだが、世間でいう技巧派(球技でも同様)は自分の体にダメージを残さない術(すべ)を知っていて、自分の体の使い方を知っているから競技寿命が長いのである。技巧派でなくても体の使い方は我々一般人も知っておいて損は無い。