元ギャングのカリートは5年の刑期を終え、今度は堅気となって金を貯め、レンタカー会社を経営することを夢見る。
だが従弟・友人・元手下など周囲の者が、そして運命が彼を悪の道へ引きずり込もうとする。

またカリート自身も強情なほど義理堅く自分の生きざまを変えられないため、軌道修正ができない。
そして終盤の息も付かせぬスリリングな銃撃戦に勝利の末、悲劇的な結末が待っている。

映画の冒頭にそのシーンが描かれているから、あらかじめ結末は分かってしまうのだが、そこに至るプロセスがカリートのモノローグとともに展開する。
このモノローグがこの映画を味わい深いものに仕上げている。
またこのストーリーは1970年代半ばの設定で、カリートが店長を勤めるナイトクラブで流れている曲が、KC&サンシャインバンドやサンタナ・ラベルなどの当時のディスコサウンドであることが楽しい。

ゴッドファーザー以来、数々のギャング映画に出演しているアル・パチーノ作品の中でも秀逸であると思う。