司馬遼太郎原作で、幕末の長岡藩家老・河井継之助を主人公とした映画。

戊辰戦争が勃発すると、継之助は最新兵器で長岡藩の武装化を進めつつ、新政府軍・幕府軍どちらにも与しない中立的立場を取ろうとする。それは長岡の市民たちを戦火から守るためであった。

継之助は新政府軍の司令官たちと面会し、会津藩との調停役を申し出るが、何度もの懇願も通じず交渉は決裂し、遂に戦いを決意することになる。

少ない兵力のため、薩長に下ることを闇討ちの若者たちに迫られても、譜代の長岡藩の忠義と武士の本分を語って大喝する場面は迫力があった。
また、厳しい局面の続く中、妻との愛情物語も織り込まれている。

ただ全体的に盛り上がりに欠け、感動的な山場がない。せっかく購入したガトリング砲もさしたる戦果を挙げることができなかった。
これは史実だから仕方がないが、薩長=新政府軍の頑迷さを予測しえなかった継之助が甘いといえば甘い。
しかし民を救うために、何度拒否されても恥も外聞も捨て、司令官に食い下がった姿はリアリティがあった。