近未来の世紀、地球は連邦制となり、自由で平等な社会を実現していたが、なぜか連邦軍に入隊した者だけが市民権を得ることができた。


主人公のリコは裕福な家庭に育つ若者だが、恋人のカルメンの後を追う形で、両親の猛反対を振りきって連邦軍歩兵隊に入隊する。


やがて地球は、アラクニド・バグスと呼ばれる昆虫生物の星から大攻撃を受け、世界の各地が壊滅する。


リコたち若い兵士らは報復を誓い、激しい戦闘意欲に燃えて敵地に乗り込むが、そこには予想を遥かに越えた修羅場が待っていた……。





前半はリコが入隊した歩兵隊での訓練生活や恋愛風景などが描かれ、「愛と青春の旅立ち」のような一種青春もののテイストである。


ところで、「愛と~」やキューブリックの「フルメタル・ジャケット」でも同様の描写が見られたのだが、アメリカの軍隊ってどうして教官の軍曹が、新兵たちを乱暴で卑猥な言葉でボロクソになじっているのだろう。事実に基づいているのだろうか?



閑話休題。


しかしアラクニド・バグスと本格的な交戦状態に入る後半から、息の詰まるような激しい戦闘シーンが繰り返される。
(そういえば前半は新兵訓練、後半戦闘シーンというのは、「フルメタル・ジャケット」と似ている)。


このバグス、機関銃の弾丸をどれだけ食らえば死ぬの?と腹が立ってくるぐらいしぶとい。エイリアンよりタフである。


だから緒戦で意気揚々と乗り込んだ連邦軍は、30万人もの戦死者を出してしまう。



そのやられ方も、鋭い手足で串刺しにされたり、身体を真っ二つに引き裂かれたりで、およそそんな死に方だけはしたくないというものだ。



挙げ句のはては、ラストボスの蜘蛛のような八ツ目姿もおぞましいが、口の中からネバネバした嘴を出して人間の頭の真上からそれを降り下ろし、脳味噌をチュウチュウ吸うのである!



そんなシーンはあるわ、引きちぎられた無惨な死体が累累と横たわっていたりはあるわで、そこまで描かなくてもいいじゃん……と感じられる所が、この映画の格調を下げている。
(あっ、ヒロインがバグズの解剖実習で気持ちが悪くなり、カメラ正面のアングルからオエッと吐瀉するシーンも!)


当初司令部がバグズを下等生物と甘く観ていたことにもよるが、あの無謀とも言える突撃をしては全滅の繰り返しは、何なのだろう。まるで日露戦争の時の203高地戦そのものである。
お陰で、登場人物の大半がいなくなるという結末となってしまった。


とはいうものの、129分というやや長い映画ではあったが、飽きることはなかったので、単純に娯楽ものとしては面白かったといえる。評価4。


この映画、パート3まであるようだが、続編になるほど面白さが逓減するシネマの法則からいうと…。