久々の更新です(^▽^;)。


さて、武夷岩茶
の製造技術が中国の無形文化遺産に登録されたそうです。

詳しくは、人民網日文版の記事をご覧下さい。

何故武夷岩茶なのか。

政治的な力が働いたのか、有名だからか、その辺は定かではありません。

そうそう、武夷山で面白い話と言えば、茶葉研究所が沢山あると言うこと。

これは、方言なのか、それとも権威付けをしたいだけなのか知りませんが、
よその地方では単なる茶農家でしかないところが、

「武夷山○○茶葉研究所」

という看板を上げている。

ちなみにあっしどもが取引している所も「武夷山市○○茶葉研究所」と
なっている。

単なる茶店の一つとしか思っていません。
日本の人は、研究所って名前が付いていると政府認定機関かと思ってい
るらしいのですが、そうではありませんのでご注意を。

武夷山ルールとして

茶葉研究所=茶葉有限公司

と読み替えるべし。
PSEの問題が年度初めごろ出ていたと思います。
有名なミュージシャンたちが猛反対して、基準がぐちゃぐちゃになったあの法律。
家電なんかのリサイクルや流通に大きな影響を与えました。

それに近いものが5月28日を境に農産物にも出てきます。

「ポジティブリスト制度」

これは、日本国内で流通する農作物などについて残留農薬の基準を広げ、
消費者の安全をより一層確保しようというもの。

何がPSEに似ているかというと、目先のことしか考えていないということ。


今まではネガティブリスト制度といって、100なら100の決められた種類の農薬
についてのみ検査が行われ、基準を満たしていればいいというものであったんで
すが、ポジティブリスト制度は800だかの種類については、基準値を満たしてい
ればOKで、それ以外の種類については検出されるだけで駄目!というものに
拡大されました。

で、何が問題なのか。

それは、例えばそこの農家がきちんとルールを守って農薬を使っていたとしても、
どこからともなく農薬が飛んできて、それが基準外のものであり、たまたま検査
対象として運悪く選ばれ、検出された場合でもアウトとなるそうなんです。

これで恐れをなしているのが、全国的に中国茶を扱っている会社さん。

もし、事前にチェックして検疫をクリアしていても、抜き打ち検査で万が一、飛散
してきた農薬が出て、

「お宅の商品回収しなはれ」

なんて言われたら、信用もがた落ち。
ですから、茶葉をそのまま扱うという商売自体を見直そうかとも仰っていました。

回収や廃棄だけでは済まないという事態がそこには待っています。

例えば、アイフルのように同じようなことを他がやっていても、生け贄として処罰
され、業界全体にルールを守るようにアピールする。
そんな対象に選ばれる前に、中国茶から手を引こうということのようです。

高級な中国茶を扱っているところは、大丈夫でしょうけど、そうじゃないところは、
かなりのリスクを負うでしょうと大きな会社にお勤めの方が仰っていました。

さて、個人輸入に近い状態で中国茶の販売をされているところは、どのような
対応をするのでしょうか。


消費者の立場であれば、嬉しいルール改正ですが、輸入に携わっている者とし
て複雑な心境です。
一つ一つ検査するなんてことしていたら、その分値段をONせざるを得なくなり、
そうすると高すぎてお茶は売れなくなります。

それほど検査費用はかかりますし、1回の検査で全部が分かるというシステム
にもなっていない。もうお手上げです。

取り敢えずは、

農家の顔を見ながら安全なものを入れる努力を怠らないこと。

期待することは、

グローバルな農薬使用基準を設けてもらうしかありませんね。JIS規格と緑色
食品の基準をすりあわせて貰い、それを世界的にやって貰う。

それとあとは風水でもやって、運気をあげるかね。
君山銀針という有名な黄茶があります。

湖南省の洞庭湖という湖に浮かぶといいますか、半島のように突き出た島で
作られている希少価値の高いお茶です。

このお茶が有名なのは、三起三落といって、背の高いグラスに茶葉を入れ、
お湯を注ぐと茶葉が上下に三回ジャンピングするという見た目に面白い動き
をするという特徴があるから。

このお茶は、年間生産量も少なく、市場に出回っているものの大半がこの島
の周辺で生産された岳陽銀針なのだそうで、中国でも手に入れることが難し
いお茶となっています。

そんな君山銀針ですが、ひょんなご縁から君山にある工場と仲良くなり、毎
年お茶を購入しているのですが、昨年秋から国営だった工場が民間企業へ
と生まれ変わっていました。

で、秋に訪れたときに会議をしていたのが、民営となってどうやって売上げを
あげるかというものでした。

そこで出ていた話では、今までは茶葉に等級をつけていなかったのを、高級
品と一級品みたいにしてランクをつけ、値をあげようというものでした。


「まじでぇ~」


と思っていたのが早くも今年から実現。

なんと高級品として工場から出てくるものが、今までのお茶の値段より60%
もお高い値段ついているんです。

簡単に言いますと1000元のものが1600元になったということ。

試しに高級品と一級品を送ってもらうことになりましたが、さてさてお味の違い
はあるのでしょうか。


私が心配するのは、私個人の感想として正直美味しいと感じない君山銀針
これ以上値段が上がって、売れるんかいなということ。
まぁ、日本では無理でしょうね。

でも売れるんですよね、今の中国では。
なにせ高級なものから売れる。まさにバブル絶頂の日本のような状況です。

台湾のお茶や茶器もそうですが、明らかに日本よりも中国へ市場の中心をシ
フトしてきています。だって、中国の方が高く買ってくれるから。

これから中国茶の高級品がますます日本に入りにくくなってくるような、日本
の中国茶市場に危機が訪れようとしています。
工芸茶の祖ともいうべき龍鬚茶を初めて見た。

そして、飲んだ。

今の時代、もう飲めないのかとも思っていたのが、今回我が師匠が
上海茶文化節にお邪魔した際に、江西省の農業部の方から頂いて
きたのだ。

黄山緑牡丹は開いていた形で作られているが、龍須茶は糸で全体
を縛ってあり、筆の先みたいになっている。
筆を買った時の新品の状態を思い描いて頂ければ良いかも知れな
い。

しかもカラフルな糸で縛られている。昔はこうではなかったはず。

お湯をさして茶葉が開き、水色をみたとき

「もしかして」

と思ったが、飲んでみて確信。

「紅茶だ........」


修水県というところで作られているそうで、この辺は確か寧紅工夫
があったんかいなと思いつつ、工芸茶は緑茶で作られているという
私の思いこみがあったので、ある意味今回の紅茶は衝撃でした。


福建で最初に作られた龍鬚茶。

紅茶を結わえることが最初の目的だったのか。
(でも小種紅茶は、束ねることが出来ないだろうし、なんて思ったり)

それとも他のお茶だったのが、江西省では、紅茶になったのか。

保存食として置いておくために、ひもで結わえていたものなのか。

単に飲みやすくするためなのか。

謎は深まるばかりです。


まあ、でも今回の龍鬚茶は、お茶として美味しい紅茶でしたから、
それだけでも満足ですし、何よりも元祖を見ることができたという
感慨の方が大きいですね。
日本中を黄砂が覆うそんな今日です。

砂と言えば、砂塵などと表現しますが、この「塵」という文字は中国茶の
世界でもよく使われます。

例えば、緑塵と書けばこれは、茶葉のことを表現するそうです。

こういった表現は主に、茶館などで見かける茶聯の中や茶壷なんかに
出てくる詩的な表現です。

風雅な世界に足を踏み入れる場合は、こういった表現も知る必要があ
るみたいです。


余談ですが、砂つながりの話を一つ。

よく砂漠なんかを「ゴビ砂漠」とひとくくりで表現することがありますが、
じつは「ゴビ」と「砂漠」は別物です。

砂漠は、砂だけ。ちなみに沙の方が、粒が小さい砂を指すそうな。
ゴビは、石ころが混じった状態を言うそうです。

ですので、敦煌など行きますと「ゴビと砂漠」なんて現地ガイドさんが
案内して下さいます。

ゴビって中国語でどう書くんだろ?
道具についても地方によって呼び名が異なるそうです。

例えば、茶壷。

潮州という広東省の福建省よりの地方で行われている茶芸では
茶壷という日本で言う急須のことを缶ともいうそうな。

熱缶という茶芸の過程があります。
それは、茶葉を入れる前に急須を温めるという作業。

日本では温壷という表現がよく使われる作業です。

このほかの例としては、茶海といわれるピッチャー。

コーヒーのクリーマーみたいなものが一般的ですが、これを購入し
ようと上海などで

「茶海ください」

といっても通じないことが多い。

その場合は、

「公道杯」

と言い直すと通じることがほとんどです。


最近、ワインの世界の方々と中国茶についてお話しする機会が多い。
歴史的な背景や地方色豊かなところで共通点が多く、紅茶を専門的
にやられている方よりも話が合う。

中国をヨーロッパと置き換えて考えると、中国は広いし、地方によって
違うんだという大前提を理解しやすくなる。

まだまだ奥が深いね。


「清香」という中国茶のショップのサイトで以前、中国茶の農薬問題について
記事がアップされていたと思う。
かなり丁寧な記事だったと記憶しています。

中国でもやはり農薬問題というのは存在しており、日本のJASなんかと同
様に無農薬有機栽培についての認定制度が存在しているそうだ。

「緑色食品」

この文字を中国の食品パッケージで見かけたことはありませんか?

これは、中国緑色食品発展センターという専門機関が、農薬・肥料・添加剤
及びその他健康に害のある物質の使用について厳しく検査を行い、認定し
ているよ、っていうマークのようです。

緑色食品には、AAとAの2つの基準があり、AAがいわゆる有機食品にあた
り、厳しい基準の下で生産されたものであり、Aはその基準も比較的緩やか
なのだそうだ。

この緑色食品のマークは、太陽、葉っぱ・つぼみで構成され、全体は円形
に形作られている。
ちなみにAA級は、白地に緑のマークで、A級は緑地に白のマークなのだそ
うです。

中国でも、改革開放以来安全を無視した大量生産による農薬被害というも
のが深刻な問題となり、1990年に「緑色食品」の制度が出来たそうです。

茶産農家に以前農薬について聞いたところ、

「海外、特に日本向けに輸出するものとして生産したものについては、農薬
を使っている。日本人は見た目がきれいでないと駄目というから。」

「でもわしらにとっては、農薬を使うことにより、コストもかかるし健康にもあ
まり良いと思っていない。だから、自分たちが飲むものについては、農薬を
つかわないんじゃ。」

ってコメントが返ってきた。

前にODA関係の仕事を担当していた人も

「政府としては健康や環境に害が及ばないものを使うよう指導を行っている
が、中央政府の意志が地方の役人たちに歪められ、安い肥料を高く提供し、
知識のない農家の人たちは役人に言われるがままに農薬を使用する。
地方役人たちが私腹を肥やすために、劣悪な肥料が使われているという
悲しい現状がある。」

とも言っておられた。

これから世界中にお茶が輸出されることとなり、ますます需要が高まること
になったとき、この「緑色食品」が力を発揮してくれることを祈るばかりです。

ただ、「偽物が出てはじめてメジャー」なんて発想がある国ですから、安全
を示すマークの信頼性が無くならないことも同時に祈りたいものです。

この緑色食品と日本のJASの基準がどのようにリンクしているのかまでは
調べることが出来ませんでした。ですので、一概に「同じです」とは断言で
きませんということを付け加えておきます。

忘れるところでした。

今日は、清明節。

中国緑茶にとって、重要な二十四節気の一つ。

さて、今年の明前茶はいかほどのものか。楽しみです。
以前、九曲紅梅という浙江省の紅茶について書いたことがある。

で、今日分かったことなんですが、中国の清の時代から、名茶として
名が上がっていたようなんです。

でも、詳細は分からずじまい。

紅茶については、どの紅茶が一番早く作り始められたのか!なんて
研究している日本の紅茶の専門家がいるそうな。

一般に知られているのは、武夷山市の正山小種

でも、江西省に寧紅工夫という紅茶がありまして、これも中国で最も
早くから生産されていた紅茶として知られています。

ただ、いつから始めたのか恐らく資料が残っていないのでしょうね。

だから、紅茶を研究している人には気になるお茶のようです。

正山小種に軍配が上がりそうですけどね。
東京のとあるレストランに中国茶を卸しています。

そこのシェフといろいろと相談をしながら、鉄観音や工芸茶、祁門紅茶
んかを提供させていただいているんですが、私の一番の悩みがバラの花。

シェフは

ローズティ

と格好良く呼ぶのですが、私は、「ああバラのちっちゃいつぼみみたいな
感じの」といつも地べたを這ったような呼び方をしている。

レストランといってもココは、ウェディングを専門に扱っているところ。
もちろん美しくないといけない。
なにやらカップの中に浮かべて出しているそうな。

今回仕入れたものは、今までのと色も大きさも違う、一目見ただけで

「返品だろうな」

という代物でした。ただ、桜色したかわいらしさで、今の季節ならひょっとする
かも・・・。

という淡い期待を胸にシェフに挑戦をしてみたんです。

すると

「いいですよぅ。」

といつもは出さない弾んだ声。

「こういう若干大きめの方が、インパクトがあって、受けると思いますよ!
しかも、春ですし、この色も良いですよ」

ですって。

需要と供給のバランスという奴は、どういうところで保たれるのか。
未熟な私にはまだまだ見極められなさそうです。

ちなみにこのシェフからは、見当違いな怒られ方をしたこともあります。

「あんたのところ、全然電話が繋がらないよ!
だから、別の所からお茶仕入れたんだけど、美味しくないんだよ。
あんたのところじゃなきゃだめだね。
電話、ちゃんと出てよ」

って、あっしのところ、そんなに忙しくないっすよ。
素直じゃないけど、お茶をほめてもらえたことは嬉しかったですけどね。