野田内閣総理大臣による内外記者会見 (ホノルル 日本時間 2011.11.14 13:00) | シャブリの気になったもの

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野田内閣総理大臣による内外記者会見

APECは、各エコノミーの自発的な意思によって、
アジア太平洋地域における経済面でのつながりを深め、
地域の未来を語り合う場として、その創設以来、
日本が主導して、そして育ててきた地域経済統合の試みでございます。
太平洋のど真ん中に位置し、青い海と空が広がる美しいホノルルで、
世界成長のけん引役であるアジア太平洋地域の確かな可能性を、
各首脳と改めて確認をすることができました。
改めてこれからは、
アジア太平洋の時代だと実感をしたしだいであります。
昨年わが国が議長国としてまとめた横浜ビジョンの理念を踏まえて、
わが国として積極的に議論に貢献をし、
地域経済統合や経済成長推進の観点から、
具体的な措置を取ることに合意をいたしました。
特に以下の3点は、
わが国として大きな成果であると思っています。
第1に、
地域全体の経済成長を促すため、
貿易を制限せずに、イノベーションを促進するための共通原則、
グリーン成長のための環境物品の普及のための取り組みに
合意をいたしました。
第2に、
APEC全体でのエネルギー効率向上の目標設定に
合意をいたしました。私もオバマ議長の求めに応じて、
エネルギー効率向上に関する、これまでのわが国の経験と教訓、
今後の挑戦について説明をして、議論をリードさせていただきました。
第3に、
アジア太平洋自由貿易圏、
いわゆるFTAAP(Free Trade Area of Asia Pacific )の実現に向けて、
唯一交渉が開始されているTPPについて、
わが国は交渉参加に向けて、関係国との協議に入ること、
この旨を紹介をし、いくつかのエコノミーから歓迎の意が表明をされました。
2国間の会談においては、まず議長国のオバマ大統領はじめ、
胡錦涛 中国国家主席、メドベージェフ ロシア大統領、
ウマラ ペルー大統領との会談を行い、
良好な雰囲気のもと、2国間関係の強化や、
アジア太平洋地域における協力につき
有意義な意見交換をすることができました。
オバマ大統領とはAPECでの協力に加え、
来週開かれる東アジア首脳会合において、
米国が初めて参加することを踏まえて、
日米両国がこの地域でリーダーシップを発揮していくことを
確認をさせていただきました。
各エコノミーと協力し、来年のウラジオストク会合で、
さらなる成果を目指していきたいと考えております。
世界の成長センターたる、
アジア太平洋地域の活力を、わが国の再生に取り組んでいくべく、
経済外交を推進をしてまいります。
私からは以上でございます。

--------- Q&A -------------

Q:(共同通信・杉田)
総理、お疲れさまです。
総理、冒頭でおっしゃられたように、
今回のAPECの機会に、日本のTPPに関する交渉参加方針について
説明され、オバマ大統領はじめ複数の首脳から歓迎の意を受けました。
ただ総理、一方で国内では、これは正式な参加表明ではない、
参加を前提としていないという見方が強く、
途中離脱を期待する声もあります。
総理はこの国内外の認識のギャップ、どのように受け止め、
どのように埋めていくお考えでしょうか。
また今後、各国との事前協議を経て、
正式に交渉入りする際に、政府や与党内の意思決定プロセスを
もう一度経る必要があるとお考えでしょうか。

A:(総理)
まずは、国内における記者会見においても、
そしてオバマ大統領はじめとするTPPにすでに参加をされている、
それぞれのエコノミーの首脳についてもですね、
私から申し上げたことは、TPP交渉参加に向けて、
関係国との協議に入るということであります。
すべてそれはことばは同じでありまして、それ以上でもそれ以下でもない、
そのまま受け止めていただきたいというふうに思います。
今後のプロセスについてのお尋ねでございましたけれども、
関係国との協議を開始して、
各国がわが国に求めているものはなんなのかということを、
しっかりと把握して、そしてその情報収集をして、
十分に国民的な議論を経たうえで、
あくまで国益の視点に立って、TPPについての結論を得ると、
こういうプロセスでございます。

Q:(AFP通信・タンドン)
TPPに関する決定、及び今回のホノルル訪問に際して、
総理はアジアにおけるルールに基づいた秩序の構築が必要だとおっしゃいました。
この観点から、中国のTPP交渉参加を支持されますか?
中国に対して利益になるんでしょうか?
また昨年の尖閣諸島付近での事件以来、
中国は変化したとご覧になっていらっしゃいますか?

A:(総理)
これは第三国の立場がどうかということを、
私が申し上げるということは、これはせん越だと思いますけれども、
いずれにしてもTPPについては、
このAPECに参加をしているエコノミーに、
すべてに開かれている、という、
これは事実を踏まえていただきたいと思います。
すべてに開かれていると、それぞれの参加をするエコノミーの
ご判断だというふうに思います。
わが国としては、先ほどの議論にもありましたとおり、
TPP交渉参加に向けて、関係国との協議に入るということでございますが、
ご指摘のあった中国との関係では、
例えば日中韓、あるいはASEAN+3、ASEAN+6、
FTAAPを実現する道筋はいろいろございます。
それらをわが国はいずれにしても積極的に推進をしていきたい
という立場であるということでございますので、
中国を含んでAPEC参加のエコノミーとは、
引き続き連携をしていきたいというふうに考えております。
それからですね、最近の中国の変化というお話がございましたけれども、
近年急激に発展を遂げている中国は、
これは胡錦涛主席との会談でも申し上げたんですが、
これ、わが国を含む国際社会にとってはチャンスであると、
中国の発展は、それはチャンスであるということの認識のもとで、
その中国と日本が、両国の関係だけではなくて、
地域あるいは世界の平和安定、そして繁栄に、
お互いに責任を持って役割を果たしていくということが、
そして関与をしていくということが寛容であろう
というふうに思っていまして、
こういう大局的な観点から、胡錦涛主席とは
意見交換をさせていただきました。
これからもさまざまな国際経済やあるいは金融の問題、
グローバルな課題について、お互いに連携をしながら、協力をしながら、
対応していくということが重要であるというふうに思います。

Q:(朝日新聞・金子)
消費税問題についてお尋ねいたします。
APECでの総理のTPP交渉参加方針で、
消費増税問題がキックオフとなり、今後議論が本格化します。
今回のTPP交渉参加方針は、賛成派から見ると、交渉参加、
反対派から見ると事前協議という、
ある意味あいまいな決着のように思えます。
TPPより強い反発のある消費増税問題で、
どうやって民主党内の理解を得ていくのでしょうか。
総理はみずから政治生命をかける覚悟と気概を持って、
事に臨んでいくお考えでしょうか?
また消費増税法案の成立については、
早期成立との言及にとどまっていますが、
来年の通常国会会期内での成立を目指すということでいいのでしょうか?

A:(総理)
社会保障と税の一体改革、すなわち社会保障が
これから本当に持続可能なのかどうか、
若い世代も不安を持っているわけです。
それを支えるための安定した財源を確保していかなければならないということで、
消費税が位置づけられていますが、
この問題は、これはどの内閣でも避けて通ることのできない、
先送りのできない課題であるということでございます。
という前提に立って申し上げると、TPPと比べてのお話がありました。
わが党でも、消費税増税に反対をしているのではないんですね。
そういう、いろんな意見がありますが。
増税に反対しているじゃなくて、その前に経済の好転であるとか、
さまざまな条件をしっかり考えていきましょうよ
という議論が多いんだというふうに思っておりますので、
それこそやっぱり、丁寧な議論をやっていくことが大事だというふうに思います。
いずれにしても、6月に社会保障と税の一体改革の検討本部で成案をまとめました。
その成案の具体化をしっかりとやっていきながら、
そしてこれ法律上は平成21年度の税制改正法付則104条で、
平成23年度末までに法案を提出するということでございますので、
法案の準備を政府与党でしっかり議論しながら、
そして野党にも協議を呼びかけながら、まとめていきたいというふうに思いますし、
法案を提出をする以上は、その成立を全力を尽くして目指すというのが
基本的な姿勢でございます。

Q:(Bloomberg News・A.イトウ)
総理、ありがとうございます。
ヨーロッパの債務危機の悪化についてお聞きします。
今週末の議論は、これが中心になったと思います。
世界の経済大国の一つとして、
日本は新たに発効されたヨーロッパ金融安定化基金・EFSF債の
2割程度を購入してきました。
しかし、今月初めには1割しか購入しなかったということで、
市場では日本がヨーロッパへの支援を縮小しているのではないか
という懸念が見られます。
なぜ日本はこうしたEFSF債の購入を縮小しているんでしょうか?
そしてヨーロッパの債務危機が悪化した場合、
日本はどのような支援をする準備があるんでしょうか?

A:(総理)
これはもう、私だけではなくて、
今回ホノルルに集まったAPECの首脳のほとんど共通認識だと思います。
いろんな意見交換がございましたけれども、
まずこの欧州の危機の問題は、まずユーロゾーン、欧州の中で
この間合意をされた包括的な戦略に基づく合意ございますね。
それを着実に実施をしていただきたいということなんです。
まずは欧州で頑張ってくださいということです。
それが本当に市場に信任を与える第一歩だと思うんです。
そのことをしっかりやってくださいという思いが
皆さんの共通な思いでした。私もそう思っています。
その上で、その上でですね、
これは従来からずっと申し上げてきましたけれども、
欧州が一体となってその危機を克服する姿勢が示されれば、
当然欧州における経済や金融の安定化というのは
世界が望んでいることでありますので
協力できることは私たちもしていこう、ということでございます。
EFSF債の割合の話をしていましたけれども、
もともと固定的な割合を決めたことはありません。
相応の協力を、これからも、しっかりと欧州が固まって対応するならば、
やっていく用意はある、ということでございます。