2005年07月05日(火)

#TK008 東京 その8

テーマ:TOKYO

バイト、バイト、バイト。
もうそればっかりの日々だ。
 
学校はどうなってるんだろう。
セブンスの4度進行コードチェンジは、1拍刻みのチェンジに変わり
メトロノームの速度もアップしてるのだろう。
ますます、無理だ。
 
個人レッスンも曲は止まったまま。
先生、がっかりしたろうなぁ。
 
スタッフをみたあと、宍戸君はスタッフみたいなバンド作ろうって言った。
「おまえ、エリック・ゲイルかコーネル・ディプリーみたいにギター弾けるか~」
彼はスティックをレギュラーグリップに構えている。
もう座布団ではなく、ゴムの練習用マットを叩いていた。
「できるさー、うんやろう」
 
 
 
それは実現しなかった。
僕は宍戸君とセッションどころか彼のドラミングを1度も見ず、帰郷した。
 
僕は気持ちの糸が切れてしまった。
あきらめにも似た気持ち。
 
僕は買い揃えた家財道具を宍戸君にあげた。
彼は喜んでいた。
「えーこれもいいのかー」
って言いながら彼の腕はのびていた。
 
実を言えばバイトでの出来事を書いてません。
そこでの、出来事、友情の思い出のエピソードは沢山ありますが
今回は書かないでおきます。
 
宍戸君は羽田に見送りにきてくれた。
彼はレストランのバイトをやめていた。
そして、ビックバンドジャズのドラマーの仕事についた。
学校からの斡旋だと言っていた。
 

「あんなの初見では無理だ―」
「俺にはできねぇー」

 

あいかわらずの宍戸節だ。
「おーい、あげでくでー」が懐かしい。
 
宍戸君とはその後音不通となった。
僕は過去と決別したかったのだろう。
今でも彼はドラムを叩いてるんだろうか。
 

うん、叩いてるよ、きっと。
「これ~いんだべー」って言いながら。
 
僕は過去の自分を救ってあげるためだろうか、
それはよく分からないけれど

今日もギターを弾いている。
 
 
 
 
 
 
終わり
 

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2005年07月04日(月)

#TK007 東京 その7

テーマ:TOKYO

宍戸君はレストランのウエイターになった。
彼の働くレストランに遊びにいったら
宍戸君が蝶ネクタイをしている。
 

なぜかびっくり。
 
僕はあいかわらずバイトばかりの生活だ。
家に帰ってくる時はスズメ達が
チュンチュン鳴くすこし前だ。
ちょっと時間がたてば日も昇る。
人間はそう簡単には寝れるもんではない。
新聞を読み、ボーッとして眠りにつく。
普通の生活とは逆だ。
 
なんだか疲れていた。
歳を早くとっていくようなそんな感覚。
朝は起きて夜は寝る。
人間は本来そうできているものだ。
逆にするのはよくない。
 
ひさしぶりに学校に行った。
ギター実習(全体)で僕は愕然とした。
セブンスコードの4度進行をすごいスピードでコードチェンジしていた。
20名くらいの生徒が一斉に・・・
ジャ
ジャ
ジャ
ジャと。
 
その光景は僕にかなりのショックを与えた。
僕には、あんな芸当、無理だと思った。
 
あきらめの気持ちが僕を支配するようになる。
 
学校では来日するアーティストの話題で盛り上がっていた。
「ウェーザー・リポート」の人気はダントツだった。
 
僕は宍戸君と「スタッフ」を見にいくことにした。
彼のスティーブ・ガットの話が、僕の情熱のエネルギー源だったかもしれない。
 
東京 その8へ つづく
 

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2005年07月01日(金)

#TK006 東京 その6

テーマ:TOKYO
宍戸君・・・
 
彼の風貌を思い出す。
髪はパーマをかけていた。
スティーブ・ガッドを意識してたかもしれない。
でもカーリーヘヤーというよりもオバサンパーマだった。
濃い顔をしており、黒ぶちの眼鏡をかけていた。
 
ごめんね、宍戸君。
君がこのブログを見ることはないと思うけど、もし見たのならうれしい。
抗議のコメント頂戴ね。
 
さて、彼はどんなバイトをしたのでしょう。
 
なんの機械なのかは知らないけど、ひたすらその機械のボルトをはずすバイトらしい。
彼の手の爪は真っ黒になっていた。
1台、1台、誰と会話するわけでもなくひたすら屋外で機械からボルトをはずす。
 
よく分からないが、いろいろな要素で彼はそのバイトがあわないのだろう。
よく溜息をついていた。
彼はなんとか1ヶ月間、耐え抜き、そこをやめた。
 
僕は駅前のパブで働きはじめた。
 
僕と宍戸君は以前のように遊ぶ時間はなくなった。
僕はバイトに明け暮れるようになる。
 
学校ではジャズ理論、ジャズギター実習(全体)、ジャズギター実習(個人)
クラシックギター実習などの授業が行われていた。
僕の個人レッスンの先生はテレキャスターを弾いていた。
テレキャスでジャズもかっこいいなぁ。
 
月日は過ぎ、僕はバイトと学校の両立ができなくなっていた。
学校へいくためにバイトをするはずが、
バイトをするために東京に出てきたかのようになっていたのである。
 
東京 その7へ つづく
 
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2005年06月30日(木)

#TK005 東京 その5

テーマ:TOKYO

東京 その5

 

宍戸君は幼い頃、いろんな怪現象を体験してきたらしい。
成人しておさまっていたのに、ここに引越してからまた起きたらしい。
 
ある日、またもや、戸をたたく。
ドンドンドン
 
(宍戸君だ~・・・安田大サーカスではない・・・)
 
そして
 
「おーい、あげでくでー」
 
(もう~またかよー・・・あ、自分って結構冷たいかも)
 
彼は僕の部屋に入り胡座をかいてしゃべりだした。
 
「また体が離れた~これが起きるのっで~学校でドラム叩いたらなんだぁー」
(東北なまりで)
 
「え?そうなの」
 
学校での実習でドラムを叩いた日に幽体離脱が起きるらしい。
彼が言うには、ドラムが置いてある部屋が変だという。
 
「部屋に入ろうとする時、シンバルの音がするんだぁー、そんで部屋がら出る時も音がするんだぁー」
 
いろんな人からその類の話は聞いた。
うちの学校はいるぞーって。
思いをはたせなかった生徒の・・・
まぁ学校にこういう話はよくありますね。
この話はこのへんで。
 
ある日宍戸君とスカイラークに行った。
彼はスパゲティーに粉チーズをこれでもかーっとかけまくる。
粉チーズが無くなりそうだ。
 
「こうやって食べると腹一杯になるんだぁー」
 
(うわー・・・・・)
 
彼はアイスコーヒーを飲み干したあと、
氷が入ったグラスにコーヒーに入れるミルクをそそいだ。
ミルクが無くなりそうだ。
 

あ、無くなった。

 

「こうやるとアイスミルクが飲めるんだぁー」

氷をかきまぜて薄めている。
 
(あちゃー・・・・・)
 
 
 
僕達にはやるべきことがあった。
それは
アルバイトを探すこと。
 
宍戸君はさっそくアルバイトを探してやり始めた。
彼はバイトから帰ってくるなりこう言った。
 

「あぁぁぁ もういやだあぁぁぁ 限界だあぁぁぁ」
 
 
 
東京 その6へ つづく
 

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2005年06月29日(水)

#TK004 東京 その4

テーマ:TOKYO

今日もすごくいい天気です。
それでは、またまた昔話におつきあいください。
 
4月、春。
専門学校の最初の行事、オリエンテーリングが開催された。
学校長の挨拶などの形式的なプログラムが済み、
特別ゲストである渡辺香津美氏と井野信義氏の演奏が行われた。
記憶があいまいだが、体育座りをして見たような気がする。
ステージとの距離は近かった。
 
井野信義はウッドベース、渡辺香津美氏はギターを持って登場した。
香津美氏のギターは上がベースで下がギターのダブルネックのエレクトリックギターだ。
井野氏がウッドベースを弓でギコギコしている。
香津美氏はベースをエフェクタ―でループ音をホールドさせ
それにシンクロさせてギターを弾いていた。
 
なんの感動もなかった。
いや・・・
それを聴く耳を僕が持ってなかったのだろう。
 
その時、吉田拓郎の落陽を聴いたほうが絶対感動しただろう。
何を言ってるのかな。
 
 
 
オリエンテーリングが終わり、学校は最初の授業が行われた。
この時期、緊張感があり、そして充実した日々だった。
 
学校以外でものんびりと宍戸君と遊んでいた。

しかし宍戸くんの部屋は日当たりが悪く、湿気があってじめじめしていた。
ある日、いつものように二人でレコードを聴いていたら
壁から
 

ドンドンドン

 

と音がした。
 
 
 
心臓がドキン・・・・・・・・・・・・ドク ドク ドク
冷静に考えたらネズミだろう。
(おそらく・・・見たわけではないが)
 
 
 
その時、二人とも恐怖を感じた。
ネズミごときに。
 
しかしその日の夜
僕の部屋をドンドンドンと叩く音がする。
 
なにー!!!
 
「誰?もう~・・・安田大サーカス?」
 
「おーい、あげでくでー」
 
宍戸君だった。
 
「どうしたの」
 
「おまえの部屋に泊めてくでー」
 
宍戸君に事情を聞く。
彼は寝ていたらしいのだが、
苦痛を感じて部屋の中をのたうちまわったらしいのだ。
そしたら、自分の体を見たらしい。
 
幽体離脱???

 
彼はすこしパニックっていた。
 
「うわーもうかんべんしでくでー」
彼は頭をかきむしりながら言った。
 
その日、彼を泊めてあげた。
 
 
 
東京 その5へ つづく
 

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2005年06月28日(火)

#TK003 東京 その3

テーマ:TOKYO

東京 その3

 

沖縄県地方、梅雨が明けました。
嬉しいんだけど、またあの暑さがやってくると思うと・・・
ピーカンには、アッケラカンでやってかないとやってられない。
 
それでは、またちょとセピアな昔話です。
 
あけぼの荘での生活が始まった。
風呂なし、共同トイレではあったけれど、日当たりがとっても良くて住みやすい。
隣のアパートのドラムの音と、上の階のカラオケの騒音がなければもっといいのに。
 
あけぼの荘の奥の部屋に自分より1つ年上の宍戸君がいた。
彼は僕と同じ音楽専門学校。
彼はドラム科。
そして僕はもちろん、ギター科。
別に希望したわけじゃないんだけど、ジャズギター科になっちゃてた。
ロックギター科ってのもあったんだけどね。
 
僕と宍戸君はすぐに仲良くなった。
だって、まわりに誰も知り合い、いないし。
 
僕はよく宍戸君の部屋へ行って彼のレコードコレクションを
彼の解説付きで聴かせてもらった。
 
よく聴いたのは、ボブ・ジェームス、渡辺貞夫、スタッフ。
そして、クラシックもよくかけてくれた。
 
彼のフェイバリットミュージシャンはスティーブ・ガッド。
当時、フュージョン界の売れっ子スーパードラマー。
そしてスタッフのドラマーでもある。
 
「知ってるかー、ステェーブ・ガッドの左手はこんな風にまがってんだぞー」
 
「こんな高速にバスドラムを踏むって脅威的だべー」

 

彼は穴のあいたトレパンをはいて、座布団をスティックで叩きながら言う。
 
「しかし最高だべー」
 
彼は東北出身だった。

スティックの持ち方は、もちろんスティーブ・ガットと同じレギュラーグリップだった。
 
東京 その4へ つづく


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2005年06月27日(月)

#TK002 東京 その2

テーマ:TOKYO

東京 その2

 

「一宿一飯の恩義」
宿を借りた僕は、恩を忘れたわけではありません。
公衆電話でかけてってことは
「東京は甘くないよ」
それを、その人に教えてもらったと思っています。
 
天然色のOKINAWAから、一転、灰色のTOKYO。
気分はのりませんが前へ進まねばなりません。
 
学校の近くのアパートを探すことになりました。
京王線沿いの調布にしました。
ここは、雲の切れ間に青空が見えたのです。
ホッとした~。
 
駅前の不動産屋に飛びこみました。
オッチャンが対応してくれました。
「いい物件があるよーついてきて」
「この自転車にのってー」

自転車に乗るのは何年ぶりだろう。
 

東京に住むには自転車が乗れないといけないんだー
オッチャンについて行くのがやっと。
 
そこは「あけぼの荘」
駅から5分
日当たり良好
4畳半一間、風呂なし
家賃、1万5千円
 
ここに決めた。
 
ここでの暮らしが始まったのでした。
 

東京 その3 へ つづく

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2005年06月26日(日)

#TK001 東京 その1

テーマ:TOKYO

東京 その1
 
僕が東京に出たのは18歳の春だった。
まだ寒かったのを憶えてる。
初日、羽田空港に着いたのだか迎えにくれる知り合いは現れず、
待ちぼうけをくらった。
心細さに拍車がかかる。
 
夕方になり、その知り合いの実家によせてもらった。
僕は沖縄から牛肉と最高級ウイスキーのお土産を

そこのご主人にあげた。
 
無事、東京に着いたよと、両親に電話したかった。
電話を借りたいんだけど・・・
知り合いは電話は公衆電話でかけてといった。
お土産をあげたのを後悔した。
 
大型トラックがビュンビュン通る日光街道の舗道を歩いて
公衆電話を探した。
100円玉を何個か握りしめていた。

ものすごい勢いで100円玉がなくなる。
やっぱり遠いんだな。

 

東京 その2へ つづく

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