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   トピックⅠ 公的年金制度 1
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公的年金、という言葉を
新聞やニュースで耳にすることも多いと思いますが
公的年金は、老後だけではなく
障害者になった場合や遺族になった場合等にも
支給される可能性があります。

今回は、公的年金の制度や種類について確認し
次号は具体的な年金の種類について説明していきます。

 

 

□ 公的年金とは

 

公的年金とは、国が運営している年金を言い、それに対し、
私的年金とは個人で加入する生命保険や損害保険等を言います。

 

公的年金には2種類あります。
国民全員が加入する「国民年金」と、
サラリーマンなどの会社員や公務員等が加入する「厚生年金保険」です。

なお、日本の年金制度には国籍要件がないため、
日本に居住する外国籍の方も要件に該当すれば
年金に加入することになります。

 


□ 国民年金、厚生年金保険に加入する方

 

(1)国民年金

国民年金は

「日本国内に居住する20歳から60歳の方」全員が加入し、
加入者の状況により「第1号」「第2号」「第3号」被保険者という
3つの区分がなされています。

 

第1号:自営業、学生等の方(第2号・第3号に該当しない方)
第2号:厚生年金保険加入者
第3号:第2号の被扶養配偶者

 

(2)厚生年金保険
厚生年金保険は、会社の社会保険加入要件に該当する
70歳までの方が被保険者となります。

 

加入要件は、

「法人の会社に勤めている

・正社員
・労働時間、労働日数が正社員の4分の3以上の方

 

が該当となるため、正社員はもちろん
パートの方であってもある程度の労働時間、労働日数で
勤務する場合には、厚生年金保険にも加入することとなります。

 

また年齢の上限は70歳となりますが、下限はないため
20歳未満の方であっても加入することになります。

 


□ 国民年金、厚生年金保険の加入の仕方

 

国民年金は原則、ご自身で手続きをし、
厚生年金保険は勤務先の会社が手続きをします。

 

(1)国民年金
●第1号被保険者: 自営業者、学生、フリーター等
20歳になると国民年金の第1号被保険者となります。
住民票がある住所に年金手帳や納付書が送られてきます。
保険料はご自身で支払います。

 国民年金保険料 16,410円/1か月 (令和元年度)

こちらの額を毎月納付書で支払う、
カード支払い、口座引き落とし等で支払うことになります。

 

その後、会社に就職すると第2号になりますが、
会社を辞めると再び第2号から第1号になります。
その際はご自身でお住いの市町村で第1号加入の手続きを行います。

 

なお学生やアルバイト等で
収入が少ない方であっても被保険者となるため、
収入がない等で保険料の支払いの難しい方のために、
保険料「免除」「猶予」の制度があります。(後述)

 

●第2号被保険者: サラリーマン、公務員 等
厚生年金保険の被保険者に該当する方は
同時に国民年金の第2号被保険者となります。
この手続きは、
会社が厚生年金保険被保険者の資格取得手続きを行うことにより
同時に国民年金第2号被保険者の取得手続きがなされるため
特にご自身での手続きは不要です。
また保険料は、給与から天引きされるので
こちらも納付の手続きは不要です。

 

●第3号被保険者: 第2号被保険者の被扶養配偶者
国民年金第2号被保険者の被扶養配偶者であり
1年間の収入が130万円未満の20歳から60歳までの方は
国民年金第3号被保険者となります。

 

手続は第2号被保険者の勤務先を通して行います。
保険料は、国民年金第2号が加入する制度が一括負担するため
第3号被保険者ご自身の支払いはありません。
また、第3号を扶養する方の保険料にも変更はありません。

 

第2号、第3号に該当するかどうかを確認し、
どちらにも該当しない場合には、第1号となります。

 

(2)厚生年金保険
厚生年金保険料は、給与から天引きされるため
ご自身で保険料を支払う必要はありません。
また会社の70歳未満の方は健康保険と一緒に加入するため、
役所等での手続きは不要です。

 


□ 国民年金の保険料免除制度(第1号被保険者のみ)

 

収入の減少や失業等により、国民年金保険料を
収めることが経済的に難しい場合、
「免除申請」をすることができます。

 

保険料を支払わない「未納」のままにしておくと
将来年金が受給できない場合がありますが、
免除申請をすることにより、年金が受給できる場合があります。

 

なお、厚生年金保険は保険料が給与から天引きされるため
第2号・第3号被保険者の免除の制度はありません。

 

(1)免除
所得が少なく、

本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額以下の場合、

「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」が受けられます。

 

(2)学生の特例
学生等で収入がなく、国民年金保険料が支払えない場合には
「学生納付特例制度」が利用できます。

 

(3)納付猶予
20歳~50歳で前年所得が一定額以下の場合
「納付猶予」が利用できます。
これは免除とは違い、所得を「本人・配偶者」のみで見るため
世帯主の所得は関係ありません。

 

どの手続きも窓口はお住いの市町村となります。

 

※注意※
(1)~(3)のどれかを申請することで、その期間は
「納付している状態」とみなされます。
ただし、将来受給できる年金においては、
(1)免除の場合、一部が年金額に反映されますが
(2)(3)猶予の場合には将来受給できる年金額に反映されません。

 


□ 国民年金の保険料追納制度

 

保険料の免除や納付猶予を受けた場合、
将来受給できる年金額は、通常で支払った場合より少なくなります。


そのため、免除等の承認を受けた期間は、
あとから納付(追納)することにより、老齢基礎年金の額を
増やすことが可能です。

 

追納できる期間は、10年間で
原則、古い期間から納付することとなります。
手続きは年金事務所で行ってください。

 


□ 年金の種類

 

あまり知られていませんが、
年金を受け取れるのは「老後」だけではありません。
障害者や遺族になった場合にも受け取れる可能性があります。

 

(1)老後に受給できる年金
現在の法律では原則、65歳になると受給できる年金を
「老齢年金」といいます。
国民年金のみ加入の方は「老齢基礎年金」が受給でき
厚生年金保険加入の方は「老齢基礎年金」「老齢厚生年金」の
2種類を受給することができます。

 

(2)障害者になった場合に受給できる年金
65歳未満の方で病気やケガで障害者になった場合に
受給できる年金を「障害年金」といいます。
その病気やケガで最初に病院にかかった日が
国民年金か厚生年金保険に加入しているか、によって
障害基礎年金か障害厚生年金を受給するかが変わってきます。

 

(3)遺族になった場合に受給できる年金
国民年金または厚生年金保険の被保険者であった方が
亡くなった時に、その方によって生計を維持されていた
遺族が受け取ることができる年金を「遺族年金」といいます。
民法上の相続のように、妻が2分の1、残りを子で分配、
というようなものではなく、
遺族年金を受け取る方の年齢等により
年金を受け取る順位が定められています。