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トピックⅡ ここが知りたい! Q&A
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Q1.<引継ぎ未完了だが、有給休暇を使いきろうとする従業員対策>
  退職予定の従業員が引継ぎ完了していないにも関らず、
  退職日までに残った有給休暇の取得を請求してくる為
  困っています。
  何か対策はあるでしょうか。
  また、今後このようなことがおこらないようにするために
  有効な対策はありますか。


大変悩ましい問題ですが、
残念ながらこのようなことはしばしば見受けられます。


退職(解雇)について、次のような行政通達があります。
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  解雇予定日が20日後である労働者が、20日の有給休暇
  取得権を有している。この場合、労働者がその取得を
  申し出た時、
  「当該20日間の年次有給休暇の権利が労働基準法に
   基づくものである限り、当該労働者の解雇予定日を
   こえての時季変更は行えない」。
      (昭和49年1月11日基収第5554号)

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退職についても同様で、
退職日が先に決まっている場合に、
会社は、事業の正常な運営を妨げるという理由で
退職日以降の日に有給休暇の変更を命じる
時季変更権の行使をすることはできません。


そこで会社としては、


 ・有給休暇のたくさんの未消化が発生することのないよう、
  有給休暇計画的付与の制度を利用して
  日頃から有給休暇の消化を促進する。
 ・話し合いで退職日を延ばしてもらう。
 ・残った有給休暇を買い上げる代わりに、出勤してもらうよう
  交渉する。


という対策、対応が考えられます。


一方で、
引継ぎ業務を行わないことは、
「従業員の労働提供義務の不履行」と捉えることができます。


そこで、就業規則に、


 ・退職の場合は引継ぎをきちんと行うこと、
  引継ぎを行わず退職をしようとする場合には、
 ・懲戒の対象とする可能性があること、
 ・退職金を減額する可能性があること、


等を明記することにより、

従業員自身も、
就業規則規定の退職申し出日を守り、
引継ぎ業務を完全に行って
円満退職をしようという規律が生まれると
考えられます。



Q2.<契約期間終了前に退職の意思表示をされたら>
  当社で1年間の期間で雇用契約を結んでいる
  従業員Aが契約期間の終了をまたずして、
  今月末で退職したいと申し出ています。
  この場合も、従業員から退職届(辞職)を申し出されれば、
  退職となるのですか。



契約期間を定めた雇用契約の場合、
原則として会社も従業員も共に
契約期間前に契約を解約することはできません。


やむを得ない事由がある場合は解約できるとされていますが、


具体的には、


 ・雇用契約締結時に明示した労働条件と実情が異なる時
 ・従業員自身のけがや病気、家族の看護で労務を提供
  できない時


などに該当した時です。


したがって、解約の理由が従業員の過失による場合や、
理由もなく勝手に退職(解約)をした時は、
会社に対して損害賠償の義務が生じることになります。

(民法628条)


設問の場合、理由次第ですが
従業員の退職の申し出を断ることはできます。


ただモチベーションが下がっている従業員を
雇い続けることにも疑問がありますから、


上述したようなことを考慮して
従業員とよく話し合いをして対応することが
求められます。


なお、会社が退職を認めた場合は
合意による退職なので、
その時点で雇用契約の解除となります。


ただし、
損害は具体的に発生しなければ
賠償義務が生じませんし、
使用者が損害の発生を回避する努力を
したかどうかも問われる為、
やはり認められる損害賠償義務はごく限定的です。


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今号で取り上げた「自己都合退職」に関して
具体的な事案でご相談がある場合は、
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