眼鏡処方は、医師法で眼科で処方箋を発行し、眼鏡店でつくることが法律で決まっていますが、実際には95%以上の人が眼科を経ずに眼鏡店で直接作っています。

 現実的には、眼科で全て処方箋を書いていたら、ただでさえ忙しい眼科の診察がパンクしますので、健康な人であれば眼鏡店で作っていただいて結構ですが、手術をした眼や、病気の目では眼鏡店で作った眼鏡がさらに目を悪くすることがあります。

また、最近は、LASIKやPRKのような屈折矯正手術や、多焦点眼内レンズの知識が眼鏡店にはありませんし、眼科できちんとした眼鏡を処方できる施設も限られています。

 本来は眼科と眼鏡店が相互に勉強会を行い、足らざる知識を補わなければならないので、眼鏡士法案などの政治的な問題があり、全く機能していません。

 私の両親は昔、眼鏡店を経営していましたので、眼鏡店の気持ちも、医師の気持ちもわかります。

 眼鏡店側はよく医師の処方箋で装用できないような度数がかいてあったりして困ることがありますし、医師の側からは、この病気があるから、このレンズでないといけないのに、勝手に度数を変えてというようなこともあります。つまり、意思の疎通が全くできていないのです。最近は安売りやチェーン店で、プロとはいえない眼鏡店がおおいですし、大学では屈折調節を教えられる医師がほとんどいません。

 困るのは患者さんです。医師の処方で装用できなかったり、眼鏡店の勉強不足で、弱視眼鏡の度数が違ったり、網膜色素変性症の患者さんに、使用してはいけない色を使ったりということがあります。

 眼鏡も日々進歩しており、M-POSレンズというグレアやハローをカットし、コントラスト感度を上げるレンズがありますが、眼科医の眼鏡店も知らないところがほとんどです。私としては、今後、眼科医と眼鏡店を取り持つ仕事をしてゆきたいと思っています。