ベトナム統一鉄道 1995年
6 ミーソン
朝8時、駅から乗ったバイクタクシーのクアン氏が迎えに来る。今日は1日チャーターでミーソンとホイアンへ行く予定である。
国道を南下し、右折するとポリスのチェックポイントがある。しばらく行くと川があり、クアン氏は「美しいだろう」と言う。しかし、どうということはない普通の川である。
その先で道は川を渡るのだが橋が落ちていて、代わりに渡船が行き来している。バイクは短手方向に積み、運賃は2人と1台で8000ドン(73円)である。そばに水上生活者の家船が停泊し、遠くにはミーソンの聖山が見えている。神奈備型ではなく、海の波のようにうねった形をした独立峰である。対岸に着くと桟橋もないので、靴と靴下を脱いでジャブジャブと岸に上がる。
ミーソン入口のゲートで55000ドンを払う。5ドルでもいいそうだ。ここで別のバイクに乗り換えてさらに10分走ると、遺跡に着く。チャンパの聖地ということで、レンガ造りのヒンズー祠堂コンプレックスがいくつかあり、寺院の数は72もあるという。戦争で破壊された部分も多く、全体に半分ジャングルに埋もれたような遺跡である。見学者も少なく、自分の他には欧米人とベトナム人、それぞれの二人連れを見ただけであった。









