KBS2 週末ドラマに登場する自動車メーカーを探してドラマを流し見していたら、とてもくだらない発見をしてしまいました。
「それがどうした」と言われてしまえば返す言葉も無い、どうでもいいネタですが、もし宜しければお付き合いください。
今回お題にするのは、「たった一人の私の味方( 하나뿐인 내편 ) ’18/09~19/03 KBS2」
以前、PPL(画面内商品配置)を中心にネタにしました。
このドラマは、「ボルボ (VOLVO)」と「韓国 GM ≒ シボレー (Chevrolet)」がスポンサーに付き、両社の様々な車が登場します。
それらをキャプチャしていたら、ある発見が。それは… 車の使い回し。
おっとそうだ。ここからは説明の必要上、多少ネタバレ気味での進行となります。
その点を予めご了承ください。
まずはこのドラマの(一応)主人公、ワン・デリュク本部長(イ・ジャンウ)の車。
ボルボ・「XC90」のナンバーは「01 구 3558」。これはドラマを通して一貫していました。
とまあ、これは問題無し。ところが…
ドラマの序盤、デリュクがお近づきになりたい、JSグループのひとり娘チャン・ソヨン(コ・ウリ)の車。ボルボ・「S90」のシルバー。ナンバーが「25 수 8458」
この車がいつの間にか、デリュクの父、ワン・ジングク会長(パク・サンウォン)専用車に変身していました。ナンバーが「25 수 8458」と全く同じ。
ドラマ終盤まで前後共に同じナンバー。付け替えミスなどではないようです。
これは、デリュクがソヨンの車と接触事故を起こした時、修理をせずに買い取り、父親に渡したに違いない…
何故なら一度しか登場しない、何とか学会の理事?が乗る、たまたま同型同色車のナンバーは、「24 조 1261」と異なっているのだから。
横道ですが、二枚目の画像ではボルボのヘッドマークが出ているのに、こちらは丁寧にマスキング。例えスポンサー車でも、ドラマ後半になるとこうした扱いが多くなります。
どうやら、画面露出量(回数とか時間?)みたいなものに、限度があるようです。
デリュクの弟、ワン・イリュク(チョン・ウヌ)が結婚式の時に乗ったウェディングカー。
ボルボ・「V90 Cross Country」、「06 노 3642」は、この場限りの登場かと思いきや、
何時の間にかイリュクの義叔母、ナ・ホンジュ(チン・ギョン)の車になっていました。
一体いつ譲ったのだろう?ナンバーが同じ「06 노 3642」だし…
ここでもドラマ前半はヘッドマーク有り、後半はヘッドマーク無しです。
このケースは、少々妄想が必要なようです。
イリュクは元々、ボルボ・「XC60 Inscription」、「54 라 4712」に乗っていました。
兄デリュクの「XC90」に対し、弟分の「XC60」は丁度良い設定です。
ところが結婚後、イリュクは「XC60」に乗らなくなり、妻のチャン・ダヤ(ユン・ジニ)専用に。
ダヤは結婚前、「シボレー・スパーク (Chevrolet Spark)」に乗っていました。
この「スパーク」が登場するのは結婚前のみ。
なので結婚後は、夫イリュクの「XC60」を自分専用にしたのでしょう。
シーンこそ無いけれど、イリュクはおそらく、ウェディングカーの「V90 Cross Country」を自分用にしたと思われます。
ところがダヤに大波乱。
義兄デリュクの妻(義兄嫁或いは義々姉?)キム・ドラン(ユイ)用にと、義父ジングク会長が赤い「XC40」を買い与えたのです。
ダヤは、「私は車を貰っていないのに、何で義兄嫁のドランにだけ」と大騒ぎ。
義父ジングク会長は、「だってダヤはもう車を持っているだろう?」と困惑してしまいます。
このくだり、観ているこちらはもっと困惑してしまいます。
ダヤが結婚前に乗っていたコンパクトカー「シボレー・スパーク」に今も乗っているのなら、騒ぎたくなるのは分かります。何故ならそれは、独身の時に「私が買った車」 *1 だから。
*1 実際は、母か兄に買って貰った車だと思われます。
けれどもダヤは、元はイリュクの車とはいえ「XC60」を自分専用にしています。
それを可能にしたのは、ウェディングカー「V90 Cross Country」があるからと考えるのが自然です。遊び人設定のイリュクが、結婚後は車に乗らないでは無理筋です。
仮に「XC60」が夫のお下がりだから嫌だとしても、「V90 Cross Country」の影がちらつく以上、「私(たち)は車を貰っていない」とは言えない筈。
しかも義兄デリュクはウェディングカーを誰にも貰えず、結婚後も「XC90」のまま。
そこにウェディングカー代わりの小さな「XC40」が増えても、騒ぐ理由とはなり得ません。
更に、ダヤの「XC60」と同格かそれ以上の新車がやって来たのなら、まだ文句が言えそうですが、ボルボXCシリーズの末っ子「XC40」に嫉妬するって、正直訳が分かりません(^^ゞ
ちなみに、ワン家各車の日本円換算価格は概ねこの位。(最低グレードでの比較です)
家長ワン・ジングク会長と、その母パク・クムビョン名誉会長(チョン・ジェスン)の「S90」。
現在日本での販売はありませんが、おおよそ \7,000,000-
しかも前述の通りなら、これは中古車(笑)
長男デリュクの「XC90」は
\8,000,000-
二男イリュクと妻ダヤの「XC60」は、
\6,000,000-
イリュクとダヤのウェディングカー「V90 Cross Country」は、
\7,000,000-
長男デリュクと妻ドランの「XC40」は、
\4,000,000-
ちなみに、二男妻チャン・ダヤの「シボレー・スパーク」は、
\2,000,000-
販売価格で比べると、更に混迷の度が深まります。
長男デリュクと妻ドラン、「XC90」+「XC40」の組み合わせは、1,200万。
二男イリュクと妻ダヤ、「XC60」+「V90 Cross Country」は、1,300万、何とよりお高い。
しかも「XC60」は「Inscription」グレードなので、価格は更に上乗せ。
ダヤの「シボレー・スパーク」分を差し引いたとしても…
具体的な数字で比較すると、ダヤの大騒ぎの理由がますます分からなくなるのでした(笑)
実はこの矛盾、韓国ドラマ特有の「格付け」感覚にあるようです。
長男の「XC90」に対し、ニ男はやや「格下」の「XC60」しか選択肢がありませんでした。
けれども結婚したからには、「格の上昇」が必須。そこで「V90 Cross Country」を選択。
同時に妻ダヤも「格上げ」するため、「シボレー・スパーク」を「XC60 (中古)」に変更。
これで収まる筈が、長男妻ドランの分が足りず、末っ子「XC40」をあてがいます。
ここ迄は順調な「格付け」でしたが、ストーリー展開の都合上、何が何でもダヤに異議を唱えさせる必要が生じてしまいました。
予めそれを予定していたのなら、序盤でもう少しバランスを取ればいいものを、「格付け」感覚を優先したため、かなりの矛盾が生じてしまいました。
まあ、そんな序列感覚を無視した、単なるダヤの大騒で済ませば良いのですが、ここをドラマの大きな転回点としてしまったため、説得力の無さがより際立ってしまうのでした。
とか何とか、整合性が取れる屁理屈をいくら考え出しても、どうにもならない事態が。
JSグループのひとり娘、チャン・ソヨンが終盤に再登場した際の車。
何処か見覚えのある「V90 Cross Country」。ナンバーが「06 노 3642」、ウェディングカーだ。
ウェディングカー、とうとう 3人目のオーナーが登場。
ちなみに、ナ・ホンジュとチャン・ソヨンに横のつながりはありません。
せめて撮影用に、ナンバープレートを付け替えれば良いのに。
そんな事を考えつつ見進めていると、更なる車の使い回しを発見。
ナ・ホンジュの元彼、ピョン・テソク(イ・サンフン)の車。
「XC40」の濃紺。ナンバーが「48 두 7428」。
次に「48 두 7428」は、(本当の)主人公、カン・スイル(チェ・スジョン)の後輩、パク・ドンウォン(カンドゥ)の車に変身。
おっと、ここでも前半ヘッドマーク有り、後半ヘッドマーク無しが発動しています。
更に、ヒロイン、キム・ドランに好意を抱く同僚、イ・テプン(ソン・ウォンソク)の車に。
登場人物 3名に、横のつながりはありません。
このドラマは車が絡む屋外シーンが多く、使用可能な車両が尽きたのでしょうか。
と、ここまでくだくだと書き連ね、いきなり結論。
以前は撮影時に、架空のナンバープレートに付け替えるのが普通でしたが、公道を走る以上それはあまり好ましくないと、ルールが変わってきたようです。
ひと昔前までの、撮影だからのひと言で無理押しが効いた時代では、最早無いのでしょう。
実際のナンバーで撮影していそうな傍証がひとつ。
リア側のナンバープレートに、純正フレームが取り付けられています。
関係ありませんが、「MADE BY SWEDEN」ロゴのフレームが取付け可能なのは、欧州式の横長ナンバープレートのみ。
日本でも現状の米国式(比率1:2)から、欧州式(比率1:5)への変更が議論されましたが、認可に至りませんでした。本音では、車番自動認識装置への影響が懸念されたようです。
変化するには、時既に遅しってやつでしょうか。
追記;
韓国ドラマのボルボについて、再び考察しました。
おっと、このドラマのもう 1 社の自動車スポンサー、「韓国 GM (シボレー [CHEVROLET] )」勢の紹介がいい加減になってしまいました。
(本当の)主人公、カン・スイルのフードトラックが、韓国 GM の前身、デウ(大宇 DAEWOO )時代の 1991 年から製造の続く軽トラック、「ラボ ( Labo ) 」ベースの大改造車。