今我が国では、再生医療安全性確保法違反に関す

る容疑で複数の逮捕者が出たという話題が世間を

騒がせています。改めて同法を見直してみると臍

帯血を含む再生医療に関し特定の27疾患は除外さ

れるという規定があることが示されています。

それらは普通に考えれば非増殖性疾患と思われま

すが、横紋筋肉腫、肝芽腫、骨肉腫、神経芽腫、

腎腫瘍、中枢神経系腫瘍、乳がん、ユーイング肉

腫ファミリー腫瘍などの明らかに固形癌が複数含

まれています。さらに悪性リンパ腫や一部の近縁

疾患も対象となっています。

ここからはあくまで個人的意見ですが、これらの

増殖性疾患において、臍帯血を含む幹細胞投与に

よる細胞増殖因子や血管増殖因子の影響に伴う原

疾患の増悪についてそのリスク評価が正当に行わ

れているのかがとても心配です。潜在的にせよ腫

瘍性増殖細胞が体内に残存している可能性がある

場合、正常幹細胞投与に伴う多様な増殖因子の影

響は腫瘍性増殖細胞の増加や転移を促進するリス

クが無視できないように思われます。