3年以内に輪転機でICタグを刷る | コラムコラムコラム!~業界を変えようと格闘するある物書きの日記

3年以内に輪転機でICタグを刷る

物事を文章で説明する仕事をしている以上、写真や動画像に頼りたくないという気持ちがある。しかし、今回の件については冒頭から動画を紹介する。56秒で済むので、以下の動画を見ていただきたい。

Roll-to-roll production of Thinfilm Memory at InkTec

 「輪転機が回っているだけではないか」と思われたかもしれない。実際その通りなのだが、印刷されているものが新聞やポスターなどではなく、「書き込み可能な不揮発性メモリー」である点が画期的である。

 輪転機によって印刷されたフィルム上には、ポリマーを使った層が作られており、ここにデジタル・データを書き込み、保持しておける。ポリマーとは、プラスチックやポリエチレンなどに代表される高分子の有機化合物(炭素が入っている)を指す。

 ポリマーを使って印刷する工程と、シリコンを使って既存の半導体製造装置でメモリーを製造する工程とを比較すると、印刷のほうが工程が短く、設備が安く済み、時間もかからない。このため製造コストがはるかに安くなる。

この動画を投稿したのは、ノルウェーのシンフィルム・エレクトロニクス(Thin Film Electronics)という企業である。現在までのところ、シンフィルムは研究開発やマーケティングを主に手掛け、製造はパートナー企業に任せている。この動画は韓国のインクテック(InkTec)における製造工程を記録したものだ。


ノルウェーのテクノロジー企業、シンフィルム・エレクトロニクスのダボー・スティージャCEO。(写真:新関 雅士、以下同)
 シンフィルムとインクテックは2009年に、メモリーとして使えるフィルムの製造工程を確立した。シンフィルムのダボー・スティージャCEO(最高経営責任者)によれば、「研究所の中ではなく実際の製造ラインで、データを書き込めるメモリーを印刷してみせた世界初の事例」という。



ゴールはICタグの印刷


印刷されたメモリーフィルムを使ったゲーム機のプロトタイプ。ゲーム機にカードを差し込んで遊ぶ。ゲームの結果を、カード下に張り付けられたメモリー部分に記録できる
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 シンフィルムはこの技術の応用先として、まずゲーム機を想定し、ゲームの結果をカードに張り付けたフィルムに記録できるプロトタイプを開発した。フィルムにデータを読み書きするための装置(リーダー/ライター)が別途必要になるが、それに必要な回路は1ドルもかからずに作れる。リーダー/ライターを組み込んだ、ディスプレー付きのゲーム機でも15ドル程度で作れるそうだ

 スーパーマーケットなどで買い物をした際、ポイントをためておくカードに、メモリーフィルムを使うことも考えている。ポイントをためたカードを提示すればコーヒーの無料サービスを受けられる、といったキャンペーンが可能になる。

 ゲーム機やマーケティングに使うカードの場合、メモリーフィルムにリーダー/ライターを接触させる方式をとるが、シンフィルムが応用分野の本命と見ているのは、非接触のままデータを読み書きできるICタグ(RFID=電波による個体識別=タグ)である。

以下略
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20110712/221455/?ST=tech



どこか日本の大手も研究していたような?
どこでしたっけ?