餌に竹炭、「お炭付き鯛」に養殖魚JAS認定 三重 | コラムコラムコラム!~業界を変えようと格闘するある物書きの日記

餌に竹炭、「お炭付き鯛」に養殖魚JAS認定 三重


ラベブロ
三重県南伊勢町迫間浦の「南勢水産」が養殖している、餌に竹炭を配合した「お炭付き鯛(だい)」が、生産情報公表養殖魚JAS規格に認定された。タイに与えたえさや薬の履歴などはインターネットで公表され、同社の舌古(ぜっこ)大樹常務(35)は「安心しておいしく食べられるタイをアピールしたい」と話している。

 農林水産省によると、養殖魚のJAS規格の取得は全国で16件あり、大半がウナギで、タイでは4件目という。

 父で社長の幸夫さん(61)は5年ほど前、地元で生産が盛んで、体内の有害物質を吸収して体外に排出したり、活性酸素を減らしたりする効果がある竹炭に着目。粉末飼料と冷凍魚に配合し、生後半年ぐらいのタイに与えたところ、余分な脂肪分が抑えられて身が締まり、鮮度も長持ちし、魚臭さも少なくなった。

 「お炭付き鯛」と名付けたタイは、年間約9万匹を生産し、名古屋など東海地方の市場やホテル、飲食チェーンなどに出荷。良さをさらに知ってもらおうとJAS規格を申請し、7月に認証を受けた。

 JASマークを付けるには、生産情報を正確に記録、管理し、第三者機関の審査を受ける。9月中旬以降に出荷したタイには、納品書にJASマークシールを張り、出荷単位別に番号を記入。ホームページ(http://gyoreki.com)にシールの11けたの番号を入力すると、水揚げした日や与えたえさ、使った動物用医薬品の薬効別分類などがわかる。携帯電話のQRコードからもアクセスできる。

 現時点では、スーパーマーケットなどで調理済みのタイにはJASマークのシールが張られないため、消費者まで伝わらない。認定を受けている和歌山県のタイ養殖業者は、出荷先の協力を得て、消費者の目につくようにJASマークを表示してもらう工夫をしていて、南勢水産も今後検討する。

 養殖タイの出荷価格は1キロ700円前後で低迷し、ブランド化に加えて安全性が付加価値につながっている。大樹さんは「安心して食べてもらうための土台ができた。安心安全な食の提供に励みたい」と話した。(松永佳伸)

http://www.asahi.com/food/news/NGY201011130010.html