地球上で最も罹患率が高いと言われている感染症がこの歯周病ですが、日本人の40歳以上では半数の人が罹患しているそうです。

 

年齢を重ねるごとにより罹患していく確率が増加するようで、確かに高齢者では多いですね。

 

表題の研究発表は、第70回日本不整脈心電学会学術大会で、広島大学保健管理センターの宮内俊介先生らが発表されました。

 

歯周病はこれまでの研究で、動脈硬化、糖尿病、脂肪肝などとの関連が指摘されています。

 

歯周炎の慢性的な炎症が全身の炎症を引き起こすことが原因のようです。

 

現在、心房細動発症の引き金になるのかはまだ解明されていませんが、この研究発表を見る限り大いに関係していると思いました。

 

心房細動発症のメカニズムはまだ解明されていませんが、心筋組織のなんらかの炎症が強く関係しているのは間違いないようで、

 

そうなると歯周炎のような他の炎症を誘発する感染症の場合、それに関係してくるのは明白ではないでしょうか。

 

この研究で対象者は初回の高周波アブレーション治療を受けた191名、患者背景などは割愛します。

 

全191例中、アブレーション治療から3カ月以内に心房細動が再発した症例は44例。

 

この44例と非再発群147例との間に歯周炎の活動性を定量的に評価できる指標として使われている歯周炎症表面積に

 

有意差はみられなかったようです。

 

3か月以内の急性期再発群の主たる要因は、アブレーションの手技に伴う炎症の残存や焼灼部位の伝導再開などとされています。

 

急性期では歯周炎に関連しているとはいえないが、これは炎症が心筋組織の炎症に惹起するまでには至らなかったのではないかと

 

私は思いました。

 

炎症が影響を及ぼすまでにはそれ相当の時間がかかるのではないでしょうか。

 

アブレーション治療から3か月はblanking period期間なので、例え再発しても再発とは言えないのでこの期間はあまり参考にはならないですね。

 

では3か月以降はというと、心房細動の再発例は36例、非再発例は155例で、

 

再発群の歯周炎症表面積は456.8mm2、非再発群の歯周炎症表面積は277.7mm2であり有意に高値でした。

 

これにより、宮内先生らは、歯周炎により全身的な慢性炎症が惹起され、それに伴って心房リモデリングが促進され、心房細動の再発に至ったと考察しています。

 

これほどまでに有意差があるということは、再発原因の全てとは言えませんが強く関係しているのは明白ですね。

 

この研究では、歯周炎の治療によって心房細動の発症や進展の抑制が期待できることが示唆されたので、今後の動向を注意深く

 

見ていきたいと思います。

 

早速ですが、来週かかりつけの歯科に歯石クリーニングを予約しました(笑)