ウルフオオツカ法についていくつか貴重な経験をお聞きする機会がございました。

何名かお聞きしましたが、順調に回復され心房細動の再発なく結構な運動も出来ている方、

再発はないが期外収縮や頻脈に悩まされている方、残念ながら再発し再度内科的アブレーションを

された方など様々な方がいらっしゃいます。

極論すぎるとは思いますが、私は心房細動うんぬんより心房細動によって血栓が出来て脳梗塞になるのを

一番恐れています。

仕事で毎日のように脳梗塞の方をみているので、その恐怖は凄まじいです。

なので血栓の製造元である左心耳を切除出来るウルフオオツカ法は私にとっては最優先で選択するべき

治療法になります。

さて、このウルフオオツカ法ですが、お聞きした限りでは決して夢の治療法とはいかない部分もありそうです。

あまり言うと誹謗中傷になりかねないですので、どのようなことをお聞きしたのかちょっとだけ

書きたいと思います。

ウルフオオツカ法の術後より心房細動が再発。また術前はなかった心房粗動や心房頻拍が毎日のように

出現。その後頻度は少なくなったが発作が多いため結局内科的アブレーションをされる。

ウルフオオツカ法で心房細動の再発はないが、術前より明らかに期外収縮が増加。そして常に頻脈ぎみ。

薬の内服で少しは抑えられているが、術前より薬の量や種類が増加した。

このような感じで、決して全ての方が満足されているとは言えないのが現状だと思います。

もちろん数多くの患者さんの中のほんの一部ではあります。

が、なかなかこのような生の声はネットでは拾えませんので、情報発信また1人でも多くの同じ悩みを

もつ患者さんの参考となればと思います。

では内科的アブレーションではどうでしょうか。

実はこれは内科的アブレーションでも聞く話であり、かくいう私も内科的アブレーション後に

心房細動が再発。術前はなかった心房粗動と心房頻拍が新たに出現しております。

どの治療法を選ぶかは自分で勉強し、じっくりと考えて、自分で選ぶ。

そんな時代になっていますね。

内科的アブレーションですが、

今と昔では起源を探す方法などはかなり違ってきており、今では360°、全方位から流れてくる

電気信号を捉える3Dリアルタイムマッピングが可能となっており、昔は不可能だった患者の

呼吸や動きに電極カテーテルがズレる現象を安定することができます。

よって起源の同定が出来ればほぼズレずに焼灼出来るという技術が確立されています。

昨日、7/17に元総合格闘家でタレントの高田延彦さんが心房細動で内科的アブレーション手術を

受けたとInstagramで報告されていましたね。

その中で、

『このオペは一度で改善するとは限らず、二度、三度やるケースも珍しくない。同じ悩みをお持ち

の皆さんも、胸を切って開くようなハードな処置では無いので是非、解決法の選択肢に

入れてみてはどうでしょうか。』

と書かれていました。

今現在のマッピング技術をもってしてもやはり再発は一定数あるということですね。

ここで、大塚俊哉先生に私の場合についてお聞きしました。

ウルフオオツカ法はマッピング技術などを使うのかは不明でしたが、心臓の外側から肺静脈を含めて

隔離します。

カテーテル治療が2回不成功であれば、ウルフオオツカ法のよい適応とも言えますと回答いただいてます。

さて、ここまでお読みいただいてどうでしょうか。

私は先程も書いていますが、やはり脳梗塞が怖い。

心房細動は慢性化すればあまり体感的には感じず、制限はあるものの結構長生き出来ます。

私の母も73歳ですが、慢性心房細動でも元気に過ごしています。

ただ脳梗塞になったらそうはいかない。

最悪命を落としますし、助かったとしても半身不随や言語障害など様々な症状を残す可能性が高い。

なので私は血栓予防が確実に出来るウルフオオツカ法、ウルフオオツカ法と呪文のように

唱えている訳なんです。

付け加えるなら、ウルフオオツカ法の外科的アブレーションで心房細動の起源を焼灼出来なくても、

また焼灼により新たな心房粗動とかの不整脈を併発してもそれはそれで全然かまわないと思っています。

どこに重きを置くかですが、心房細動や心房粗動でQOLは下がりますが死にはしない。

でも脳梗塞は死ぬ可能性が高い。


ある意味、独断と偏見で書いていますが、ウルフオオツカ法も内科的アブレーションもどちらも

素晴らしい治療法だと思います。

現に私は2回内科的アブレーションを選択しています。

ということで、まとまりのない文章で申し訳ないですが、一助となれば幸いです。