【映画】ハウス オブ グッチ (House of Gucci) | いろいろといろ

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今日は、「最後の決闘裁判」のリドリー・スコット監督とアダム・ドライバーがタッグをくんだ「House of Gucci」を鑑賞しました。

 

オフィシャルサイト:映画『ハウス・オブ・グッチ』|大ヒット上映中 (house-of-gucci.jp)

IMDB:House of Gucci (2021) - IMDb

 

 

■チラシ

 

■配役

出典:TOHOシネマズ公式(@tohocinemas_m)

 

 

■相関図

出典:オフィシャルSNS(@HouseOfGucci_JP)

 

※余談 映画の中で怪しげな占い師を演じているサルマ・ハイエックですが、GUCCIを買収したブランド・コングロマリット「ケリング」のCEO夫人だそうです。因縁ですね~。

 

(抜粋)

(町山智浩)この占い師さんがサルマ・ハエックっていうのがまた、すごいんですよ。っていうのはね、サルマ・ハエックってメキシコ出身のハリウッド女優なんですけども。この人ね、フランソワ・アンリ・ピノーという人と結婚したんですね。その人の3人目の奥さんになったんですけども。このフランソワ・アンリ・ピノーっていう人はですね、総資産が540億ドル、約5兆5000億円なんですよ。その人の3人目の奥さんになったんですけど。サルマ・ハエックは。

この人のその旦那が持ってる会社っていうのはケリングっていう会社なんですね。日本でも表参道かなんかにありますけど。このケリングっていうのは高級品のブランドを次々と買収して傘下に収めるブランド・コングロマリットなんですよ。で、このケリングが持っている会社はバレンシアガとサン・ローランとグッチなんですよ。グッチは最終的に買収されて、現在ではサルマ・ハエックの旦那のものになってるんですよ。だから、占い師としてパトリツィアを煽ってグッチを崩壊させたという、これはサルマ・ハエックが本当の犯人だったんだっていうね。言っていることの前後関係、めちゃくちゃですが(笑)。

(抜粋ここまで)

出典:町山智浩『ハウス・オブ・グッチ』を語る (miyearnzzlabo.com)

 

■ストーリー概要

1995年3月27日8時のミラノ、自転車に乗った優雅な紳士。エスプレッソで一服した後、オフィスに向かうが、オフィス前で銃声が響き渡る。殺害されたのは、高級ブランドGUCCI創業者の三代目社長だったが、誰がどうして、彼を殺したのか…。

 

 

 

 


【感想】

2時間半があっという間でした。

 

音響がいい映画館で鑑賞するのがお勧めです。ローマのロケ、後半に出てくるランボルギーニのエンジン音、豪華なファッションショー、クラシック、70年代~90年代を彩る音楽の数々。Gucci一族を描くときはイタリアオペラの楽曲、パトリツィアらを描写するときはその時代の流行の音楽を配することで、Gucci一族と彼女、そして世間とのズレを体感できます。

 

 

 

 

 

注意注意注意以降はネタばれ注意注意注意注意


 

 

■1970年当時 出会ったときの本人

出典:SPUR_magazine

Photo:ZUMA Press/アフロ

 

 「世界で一番美しい少年」でも思ったけれども、お金を持つと、いろいろな人を引寄せます。

 

左:弁護士 ドメニコ•デ•ソーレ(4代目社長)

右はマウリツィオと結婚したパトリツィア

 

 

原作を読んでいないのですが、この弁護士さんは元から何かたくらみをもって、ロドルフォ・グッチに近づいたとしか思えません。ロドルフォの家にはかの有名なクリムトの「黄金のアデーレ」が飾られており、「この絵がわかるか」とパトリツィアに問いかけるくらい、自慢の一品のようです。ところが、「黄金のアデーレ」は1枚しかなく、それもナチスの収奪されて1970年当時はオーストリア共和国の所有となっていました。

 

 

遺族に戻ってくる過程も2015年「黄金のアデーレ 名画の帰還」で描かれているほど、有名な話です。だから、ロドルフォの所有物というのは辻褄が合わないんです。ゴッホのひまわりだったら、「どこかに知られてないのがあるかも」と思いますが、これはあり得ないなぁと思っておりました。

 

もし、ロドルフォが本物だと思い込んでいたなら、そう思い込ませるカリスマ性を持った誰かが手引きしたんじゃないかと思うんですよね。

そんなわけで、この弁護士さんは最初から怪しかったんです。

 

 叔父のアルドとその息子のパウロが株を売却するそもそもの原因は「叫びロドルフォがグッチの株式に署名していなかったこと叫び」。

 

 

↑このとき、パトリツィアは弁護士に「あんたの責任よムキーッ」と詰め寄るべきだったと思うんです。だけど、弁護士さんは相続税の金額の大きさをちらつかせて煙に巻いて、パトリツィアを混乱させます。

 

 

このボタンの掛け違いがなかったら、50%株式はマウリツィオが相続して、パトリツィアさんはその財で満足していたんじゃないかと思うんですよね。

 

そうしたら、パウロをけしかけて叔父のアルドを脱税の件を公開して陥れることも、グッチの株式に代理で署名をしたことがばれて、結果として離婚になることもなかったと思うんですよね。

 

 物語の中心のパトリツィアさんは個性的。見ている世界は狭いのにすべてをわかっているような全能感が強い人で「相手をその気にさせるのが強い人」だと思います。そんなパトリツィアさんのイメージは関西弁の姐御。吹き替えるんだったら「大阪弁のほうがしっくりきそうや~」と思っておりました。個性的なところに加え、フランスのエッフェル塔の展望台を「最上階にいったの」と彼の物知りな友人に自慢しちゃう勘違い屋さん。


そして、

「夫は私がついていないとアセアセ

グッチは私がついていないとアセアセ

 

と思い込みが激しい人でもあったんだろうなと映画を見て思いました。

 

私的に一番怖かったのは、主要キャストにはなっていないけれども、陰で糸を引いていた、グッチ一族から全面的に支持されていたこの弁護士さんでした~。