【美術】リヒテンシュタイン侯爵の至宝展(2019年) | いろいろといろ

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ハブスブルク家とつながりが深いリヒテンシュタイン侯爵家。マリア・テレジアの父カール6世に公国を認められてから、オーストリア継承戦争では、私財300万グルデンを投入して兵を鍛錬してプロイセンのフリードリヒ大王を驚愕させた一族。

 

大戦の影響を受けず、状態よく鑑賞することができるのは奇跡的!!

 

実は2012年国立新美術館で開催されているのですが、そこではルーベンスなどバロックが中心でした。今回は、有名な美術誌には記載がないものの、すごいコレクションばかりでした。

 

■今回、最初に「おお!」と思ったのはこの人です。

(出典:liechtenstein2019
ヨーゼフ・ノイゲバウアー
《リヒテンシュタイン侯フランツ1世、8歳の肖像》
1861年、油彩・キャンヴァス
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

ヨーゼフ・ノイゲバウアー(リヒテンシュタイン侯 フランツ1世)8歳の肖像(1861年)

 
 
■次におお!と思ったのはこれ。何の変哲もない宝石箱と思っていたら…

(出典:liechtenstein2019

《カウニッツ=リートベルク侯ヴェンツェル・アントンの肖像のある嗅煙草入》 1785 年頃、磁器
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

 

(説明抜粋ここから)

ハプスブルク家のもと帝都として栄えたウィーンに1718年にデュ・パキエが設置した磁器工房は同家の庇護を受けながら大いに発展し、優れた磁器作品を多く生み出しました。
 
侯爵家コレクションにはそんなウィーン窯で製作された磁器の中でも、特に華やかで技巧を凝らした作品が収蔵されています。
こちらは、甘い菓子などが入っていそうな愛らしいデザインですが、なんと「嗅煙草入」なのです。
 
ここに横顔が描かれた人物はオーストリア帝国の首相で、この嗅煙草入れはその在任中に作られました。嗅煙草とは煙草の粉末を鼻孔に入れて香りや刺激を楽しむもので、嗅煙草入れは宮廷貴族の間で贈り物として盛んに用いられました。
 
マリー・アントワネットも嗅煙草の愛用者でした。このピンク色の可愛らしい嗅煙草入れは首相の周辺の女性の持物だったのかもしれません。
(抜粋ここまで)
 

音声ガイドによると、マリア・テレジアの娘のマリー・アントワネットがフランスに輿入れするときに、500個嗅ぎ煙草入れをもっていったそうです。

 

「まさか、マリア・テレジアさん、カウニッツのアイドルグッズを作ってばらまいていたとか」

 

なんて、今どきのK-POPでアイドルの私製グッズを作る人達のことを思ったのでした星

 

嗅ぎ煙草入れもそうなんですが、今回はチラシからもあるように金とピンクの洪水!!

 

 

 

■バロックからも巨匠が…

左:聖バルバラ(ルーカス・クラナッハ)

右:聖母を花で飾る聖アンナ(ルーベンス)

 

クラナッハ、ルーベンスの絵画もさることながら、今回気になったのは、磁器のコレクション。第4章の部屋では16世紀~17世紀に輸入された中国や日本の陶磁器に出会えます。最初は明の景徳鎮の陶磁器が主流だったそうですが、明朝の内乱で日本の有田焼がフォーカスされたのだそうです。東洋meets西洋!!そして、ウィーンでも磁器が制作されるようになったのでした~。

 

(出典:liechtenstein2019)

磁気:日本・有田窯 《青磁色絵鳳凰文金具付蓋物》
金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト 
磁器:1690-1710年代、金属装飾:鍍金されたブロンズ
1775-85年、人物像後補
所蔵:リヒテンシュタイン 侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

 

最後のお部屋は金とピンクの洪水!!

 

最後のお部屋は撮影可能でしたので、いくつかピックアップします。

 

 

カップの中も注目~。

音声ガイドによると、モロッコ皮のケースに入れて厳重に保管されていたとか。こんなカップでお茶なんかできないですよね~。

 

白ブドウと黒ブドウの絵

 

■バラの絵

 

 

 

■過去ブログ

【美術】リヒテンシュタイン華麗なる侯爵家の秘宝(2012年)

■参考リンク

リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展(2012年)

出品リスト

リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝(2019年)