2000年7月9日午前8時30分頃、福岡県糟屋郡宇美町にあるコンビニエンスストア「RIC宇美店」の従業員出入り口の外付近で、店長の藤木信也さん(当時42歳)が倒れて死んでいるのを妻(当時40歳)が発見した。

藤木さんは半開きになった店の裏口付近でドア側に頭を向け、仰向けに倒れていた。衣服には血が少量付いており、そばに本人のものと思われる携帯電話が落ちていた。両足を粘着テープで縛られ、頭や背中に殴られたような跡があった。店内のレジや商品には手をつけられていなかったが、事務所内のロッカーの扉にこじ開けようとした跡があった。

司法解剖の結果、藤木さんの死因は頭部打撲による出血性ショック死と判明。木刀やバットなど硬い棒状の鈍器のようなもので頭を10数回殴られとみられ、死亡推定時刻は8日深夜から9日未明にかけてとみられた。

藤木さんの体には上半身付近に粘着テープの丸まったものがくっついていた。犯人にいったんは上半身を粘着テープで縛られたが、その後に自力ではずしたものとみられた。また、藤木さんが着用していたズボンのベルトが抜き取られて遺体のそばにあった。犯人が藤木さんを緊縛するために使おうとしたとみられる。

店の営業は午前6時30分から午後10時。藤木さんは、約4キロ離れた自宅から店に通っており、いつもはアルバイトと2人で店番をしていた。帰宅は午前0時頃になっていた。事件のあった8日はアルバイト店員が早めに帰宅。閉店の午後10時頃、自宅に「今から帰る」と電話を入れている。

店は熱センサーで店内を監視する警報システムと、店の裏口周辺を監視する装置があり、不審者が侵入した場合、藤木さんの自宅と警備会社に通報される仕組みになっていた。藤木さんが普段閉店直後に作動させる店内外を監視するこの二重の警報システムは、いずれも電源が入っていなかった。このことから、警察では店じまいをした藤木さんを何者かが待ち伏せして襲ったとの見方を強めている。

現場は山あいの県道沿いで、夜間の交通量は少ない。藤木さんは元自衛官で体格が良く、正面から一対一で向かい合ったら相手の方がねじ伏せられるほどの力があることから、犯人は背後から藤木さんを襲った可能性もある。









藤木さんと犯人は過去、トラブルを起こしていた。


もともと知り合いだった2人は、やがて女性関係が原因で揉めてしまう。


犯人の目的は藤木さん自身。


犯人は藤木さんほど体格もよくなく、力もなかったので準備をし犯行に及んだ。


その日も最初から襲ったわけではなく、和解しようと言って藤木さんを油断させていた。


原因となった女性は、犯人が藤木さんをさつがいしたことに気付いている。


そのことは犯人も分かっていたので、女性にはしっかり口止めをしている。


事件解決の鍵は女性が握っている。


捜査は犯人に近いところまで行ったものの、たどり着けなかった。