2008年に発行された

作家の五木寛之氏と精神科医の香山リカ氏による対談集『鬱の力』。


2011年の現在からみると、少し内容が古いので、それを理解しながら

読み進めるのがよいと思います。


「高度経済成長期、バブル期を終え、時代は、下り坂。

つまり、うつの時代に入っているため、

うつうつした気分で当たり前」、

「むしろ、鬱であることをエネルギーに変える」

というようなことを2人で話し合っています。


病気になって、体の自由が利かないと

毎日、鬱屈したキモチで過ごさざるを得ません。


健康な方と私のような原因不明の病気をもつ人間の

「鬱」度や中身はやや違うかもしれませんが、

鬱な気分を肯定されるのは、悪くはないです。

私1人が苦しいのではない、という事実を改めて

認識しました。


ただ、対談集は、どうしても知識自慢、経験自慢に陥りがちなのが難点。

さらりと読み流す程度でした。


病気で家にこもりがちな方へのお薦め度は、5段階中、3かな。