久しぶりに会う友人に、東京駅に行ったらすごい混雑で疲れちゃった。と話したら、じゃあ、東京観光するなら明治神宮がいいよ。と勧められた。

東京の真ん中にあるとは思えないくらい、緑が濃くて別世界だよ。という。

若い息子にはやっぱり原宿とか渋谷、新宿あたりが面白いのだろうかとは思うのだけれど、私が全然行きたくない。

でも、明治神宮ならその前後で表参道を歩いてもよし、代々木公園を散歩してもよしと出かける事にした。

 

明治神宮には、中学3年生の時にクラスメイトと先生と高校の合格祈願で初詣に行ったことがある。でも、その時もあまりの混雑に最後まで辿り着けたのか覚えがない。

 

原宿の駅で降りるたびに、明治神宮の入り口は目にしていたし、表参道だって、明治神宮に通じる道だっていうことはわかっているけれど、なぜか奥まで行ってみようという気がおこらなかった。

 

友達が言う通り。明治神宮は都会のオアシス?いやいや、ここだけ別世界のようだった。

背の高い木々が豊かな緑の葉を茂らせて、道を歩く小さな人たちを見下ろしている。

 

 

橋があって、見下ろすと小さなせせらぎがあったりする。程よく手入れされた自然。

 

キリッとして、整然として、よく手入れされている。でも、同時に歴史を感じる樹々の緑の生命力も感じられる。

背筋が自然と伸びるような場所だった。

 

明治神宮を訪れた後は、表参道を青山の方に向かってのんびりと歩いた。

昔はジャニーズ事務所があって、ここら辺にファンがたくさんいたなあとか、同潤会アパートがあった頃が懐かしいなあとか思い出を辿りながら歩く。

10代の頃、一番ワクワクする憧れの場所だった。20代の時もデートしたり、遊んだり、学んだり、仕事したり、よく過ごしていた界隈だ。

ああ、そういえば、この辺に、とんかつの「まい泉」の本店があったなあと思い出した。

息子はとんかつが大好物なのだ。お昼ご飯を食べに行く事にした。

 

 

入り口あたりではわからないけれど、この店は奥行きがあって、奥の方は天井が高くて、昔っぽい佇まいだ。

この辺りの部分は、昔この建物が銭湯だった時の名残。

 

この広い銭湯だった広々としたフロアをお店の人が忙しく歩き回って、青磁の湯呑みにお茶を注いでくれたり、ご飯やキャベツのおかわりを運んだりしているのがもう何十年も変わらない情景なのだろうなあと思う。

 

 

私はヒレカツのランチを頼んだ。お新香、お味噌汁、ご飯にたっぷりのキャベツ。

カツは店のカウンターの中で白衣の料理人が、サクッと揚げてくれる。

まい泉のカツサンドやお弁当は、駅弁だとか、あちこちで見かけるような気がするけれど、ここのお店で食べるのが一番好きだ。

 

好きな東京の場所の一つにまた会えて良かった。

そして、今回訪れてみて良かった明治神宮には、また行こうとも思う。