まだ5月25日だから、夏とは言えないのだろうか。

それにしても、なかなか夜にならない。

朝4時半くらいに、空が明るくなってくるのは、東京でも同じこと。

でも、夜9時過ぎの空は夕焼け空。

10時に、ベッドルームに行くと、窓の外はこの明るさ。

 

英国は緯度が、北海道と同じくらいと聞いた事があるけれど

北海道も、夏の夜はこんなに明るいのだろうか。

 

これから、夏至まで日はどんどん長くなっていくというのだから

6月の半ばなんて、一体いつになったら暗くなるのだろうか。

 

北欧の白夜は、有名だけれど、英国も夏の夜がこんなに明るいとは知らなかった。

冬には、夕方3時半には暗くなってしまうのにも、驚いたけれど、夏の昼の長さにも驚いている。

 

今日は、日中、気温が31度まで上がった。人々はサンダル。ショートパンツ。タンクトップ。上半身裸。サマードレス。といった格好でそとに出てきて、ボートを出して、水遊びをしたり、サイクリングしたり、本当に嬉しそうに太陽を楽しんでいる。

 

春、新緑が芽吹き、野に花が咲き、魚も、水鳥も、牛も、羊も、馬も、みんな子供を産んだ。今、その子供達を連れて、気持ちの良い初夏の風を楽しんでいる動物たち。

花も緑も、揺れて、キラキラと太陽に応えるように輝いて、全てが生の喜びに溢れているみたいだ。

 

あの、長い暗い冬があるから、この季節がこんなに素敵に思えるのだろうか?

 

散歩中に通り過ぎる人々の顔が幸せそうに輝いている。水遊びをする人たちも、のんびりとしていて気持ちよさそう。

いろんなところから、花の甘く澄んだ香りが漂う。

ガーデニングが好きな人には、ここはたまらないだろうと思う。

いろんな種類の花が、コテージの庭に、住宅の壁に、野原に、咲いていて、なんともノビノビと美しく生命力に満ちている。

 

この美しい英国の夏を経験するのは、素晴らしい恩恵だと思う。

まるで、フェアリーテイルの如き風景の中に身を置いて、なかなか暗くならない空を眺めていると「真夏の夜の夢」という話が生まれたのが、なんとなくわかるような、ちょっと気がそぞろになるような、気分になる。