常々、アパートの下を流れる?ケム川を目にするたびに思うことがある。

それは、ケム川は流れているのだろうか?という疑問だ。

風が拭いている時など、大体は下流方向から風が吹くので、小さな波が上流に向かってたち、逆流しているとしか思えない時もある。

 

ほとんどは、水面は平らで動きもなく、ただ空や畔の木々を映し出す鏡と化す。

緑色の濁った水。

間違っても、飛び込んで泳ぎたいという気にはならない。

でも、水草の間を魚が泳ぎ、白鳥などの水鳥が悠々と泳いでいるのを見ると、なかなか豊かな土地と水なのだなあとは思う。

水辺の野原では、人々がピクニックをし、牛や羊が草を食み、野草が育ち、小鳥が歌を歌う。

昨日、息子と2人で自転車で8kmほどサイクリングで川を下り、ピクニックをして、戻ってきた。

行きも帰りも、ひたすら平らだった。

ウォータービーチという土地に辿り着き、自転車を止めて、川辺の柔らかい草の上にブランケットを敷いた。

柔らかな初夏の日差しの下、持ってきたツナサンドイッチと小さな林檎を食べて、温かいミルクティーを飲んで、身体をブランケットの上に伸ばした。

極上の時間だった。

 

帰りは、水辺とは違う道を選び、小さな村をいくつか通る道路を走った。

茅葺き屋根の可愛いおうち、ポピーの花咲く、野原。

小羊たち。揺れるデイジーの花。

 

帰り道、猫ちゃんに会った。

猫は、その緑色の流れていない川の畔にいた。

 

そして、上流に戻ってくると、牛がいっぱいいるのだった。

 

牛の糞がそこら中にあって、皆んな踏まないように気をつけながら散歩して、ジョギングしている。

こんな街の真ん中に牛がいるのって、英国の他の土地では普通のことなのだろうか?

 

世の中には、いろんな常識があるんだろうけど、川は脈々と下流に流れているのが当たり前ではないとか、街の真ん中に春になると牛が現れるとか、いろんな知らないことがあるんだなあと、のんびりと思う今日この頃でした。