sherry museum
学術専門書籍出版社「雄山閣」


先日、セミナーの受講者で熱心なベネンシアドールの方から
FBメッセージを通じて質問を頂きました。

久々に「産膜性酵母」についてのご質問でした。

そこで、改めて紹介しておこうと思ったのが
【プリニウスの博物誌】

シェリーを勉強する上で読むべき本は沢山ありますが、
産膜性酵母の歴史的記述については、
この本以前より遡った本をしりません。

本来なら、是非図書館へ行ってください、
どうぞこの本をお買い下さい、
と言うところなのですが、

気軽に買える、気軽に読る本ではないので、
肝心の産膜性酵母に関する部分だけを紹介します。

それは第14巻に26章あります。

「ワインに黴が生え、それが白ければ良い黴」

第14巻は葡萄栽培とワインに関しての記述なので、
お酒の歴史、とみにワインの歴史を勉強している方は必読部分ですね。

またシェリー関係ですと、レドールの原料エスパルトが第19巻に、

先日、同志社大学での講義でもお話しましたが、
ワインが薬であったことや、
ベネンシアの原型などについては第23章に、

さらに第31巻にある動く水に関する考え方や、
チーズや魚醤に関する記述も興味深いです。

答えを知るのも非常に面白いですが、
答えを導き出すプロセスは
これらの筆者がそうであったように、
答えを知る以上に面白いので、

ネット検索で答えだけ知って喜ばず、
興味のある分野だけでもいいので、
皆さんも本を読んでほしいものです。