私たちはテレパシーが強い。

 

その理由が

今ならわかる。

 

私とツインさんとの間には

かなり大きな障害があるからだ。

 

慎重に動かないといけないって

お互いが認識してるから。

 

 

ツインさんの職業柄も

関係してると思う。

たくさんの人を相手にしているのもあるし

人のチカラを信じる要素も持ち合わせてるから。

 

それにプラスして

私のほうも、得意技は人を信じること。

 

だからこそ

テレパシーが強いんだと思う。

そして必要だから、強めに

神様がくれたんだと思う。

 

 

 

 

それが理解できたのは

少し前の出来事だった。

 

 

 

卒婚中の旦那に

うんざりし始めていた。

 

子供のための卒婚なのに

いつの間にか私は

 

ありのままの自分で過ごすこと

魂に正直に生きることを優先しすぎて

欲張りになっていたんだ。

 

 

ある時

腹の立つことがあって

イライラがおさまらなくなっていた。

 

 

ツインさんが電波で

ちょこちょこやってくる。

 

「ダメですよ。僕が迎えにいくまで

何もしないでください。

今はそのままでいてください!」

 

なぜか必死で

何度もそう言われた。

 

ツインさん、なんで何回もくるの?

「なんか、心配なんです。

 僕を信じて、待っててください」

 

 

そう、言われたのに

私はイライラが止められず

とうとう、爆発してしまった。

 

 

修羅場になった。

頭脳明晰な旦那さんに

とことん追い詰められた。

 

さらに続く攻撃に

声が出なくなると

泣きながらうつむいて

ただ

「ツインさん、助けて」と

心の中で繰り返した。

 

どうして、暴走してしまったんだろう。

どうして、ツインさんの言葉を

聞かなかったんだろう。

 

後悔しながら

とにかく助けてと、叫んだ。

 

 

ツインさんの返事はなかった。

 

ピタリと電波は途絶え

近くにいる感じもなく

ツインさんは現れなくなってしまった。

 

 

最悪だ。

 

私がしたことは

ただのエゴの塊。

 

そして

ツインさんを信じることが

出来なくて

傷つけたんだ。

 

 

 

翌日、仕事。

毎日のように見ていた

ゾロ目を気持ち悪いくらい見なくなった。

 

きっと

ゲームオーバーになっちゃったんだ。

 

 

 

夕方、帰り道。

ふいにツインさんが電波で現れた。

 

「今から会えますか?

並木道で待ってます」

 

え?本当?

半信半疑で向かう。

 

だけど

ツインさんは現れなかった。

 

「全部、あなたの妄想ですよ。

 信じてたんですか?

 それにあなたのこと

 ちょっといいなって思っただけです。

 だから、旦那さんと戻ってください。

 今ならまだ間に合います」

 

何それ。

何その下手くそなウソ。

だけどやっぱり私の妄想?

 

どちらにしても、旦那さんの元には

戻る気はなかった。

せっかく電波が戻ったのに……。

離れていくツインさんに、泣きそうになった。

 

 

家に帰ると

天使ちゃんたちが

明るく振舞ってくれた。

 

その様子を見て思いだした。

 

そうだよ、この子達に導かれて

ここまでやってきたのは

ウソじゃない。事実だよ。

自分を信じて、ここまで来たのは確かなんだよ。

 

ツインさん

ごめんなさい。

 

私、信じるよ。

全てをもう何もかも、信じるよ。

 

そしたら何度もこだましたんだ。

「あなたが好きです!」

ツインさんの叫び声が聞こえた。

 

 

 

翌日、仕事は休みだった。

起きる気力が出なかった。

最悪な事態は変わらないからだ。

 

天使ちゃんが、朝から喉が痛いという。

明らかにウソ。

きっと、ぶっ倒れてる私を

気にしてくれてるんだと気づいたら

無理に行かせようと思わなかった。

ダメな母親。

エゴで子供達を巻き込んだ最悪な母親。

 

 

午前中は泣いて過ごしていた。

だけど、だんだん

心に気力が戻っていった。

 

もう一度、もう一度

立ち上がってみたい。

今度はエゴに振り回されないように。

みんなを幸せにするために。

落ち着いて、きちんと考えながら。

 

 

午後、天使ちゃんが話を聞いてくれた。

どっちが大人かわからない。笑

天使ちゃんの体調も

やっぱり良かった。

 

天使ちゃんの会話の中に

またツインさんの名前が出てきた。

 

やっぱりこの子は

私とツインさんを結びつけてくれてる

キューピッドなんだろう。

 

そんな天使ちゃんは

私がもう一度

やり直すのを心から応援してくれた。

 

 

 

夜、ツインさんと電波が繋がると

自分が考えてることを伝えた。

 

「そうです。失敗しても

 何度でも立ち上がること。

 未来のことを考えても

 不安になるだけです。

 なら、今できることをしましょう。

 

 それから

 旦那さんに勝つことより

 子供たちを

 守ることを考えてください」

 

ツインさんの的確なアドバイスが

ぐさっと刺さった。

 

なんで、この前

ちゃんとツインさんの言葉を

聞かなかったんだろう。

 

きっと

テレパシー自体が

まだどこかで半信半疑だったからだ。

 

 

後日。

旦那さんと再び話し合い

お互いにもう一度、子供のための将来を

考えることで解決した。

 

 

それからすぐだった。

再びゾロ目を頻繁に見るようになったんだ。

 

本当にエンジェルナンバーって

わかりやすい。

そして、ありがたい。

 

自分が守られていることを

教えられた気がした。

 

 

 

エゴが崩壊し、更地だけになった今

これからは自分の力で築いて

いかなくちゃいけない。

 

だけど

おかげで

もう怖いものがなくなった。

 

ただ信じて、前に進むだけ。

 

私が私のために、愛するすべての人のために

自分の人生を生きていくだけだ。

 

 

 

 

ふと思う。

こんな不思議な話を誰が信じるだろうか、と。

 

きっと同じ経験者か

ツインさんだけかもしれない。

 

だけど

一番信じてあげなきゃいけないのは

自分以外に、他ならないんだ。