お正月、ステイホーム用にブックオフで買い求めたマンガがこちら。


孤島の鬼(全3巻)
(講談社・ARIAコミックス、著者・naked ape
原作・江戸川乱歩)

原作は乱歩の長編推理小説ですが未読です。
著者はBLで有名な方のようで、現代的な美しい画調に惹かれて買い求めました。

時は大正14年。
突如婚約者を殺された主人公・蓑浦金之助の前に現れた学生時代の知人・諸戸道雄。
諸戸はかねてより金之助に思いを寄せており、バディとなった二人は複雑怪奇な事件に巻き込まれていく・・

「君!急いで提灯を持ってきてくれたまえ!」などという言葉遣いに時代を感じてほっこり。ほっこり

曲馬団や座敷牢、封建的家族関係、出生の秘密など、乱歩が好むいかにもなテーマも出てきますが、猟奇的な面に流されることなく、整理されて読みやすくなっている印象です。

それにしても、乱歩の日本家屋の特徴を利用したトリックや、日本的因習や情緒を全面的に打ち出したロマンチックな作風は、久しぶりに味わって懐かしくなりました。

ネットで検索してみたら、子供の頃同じ作品を原作とした「ドクターGの島」という少女マンガを読んでいたことが分かりビックリポーンほとんど覚えていないので、こちらも読み直したいなぁ。

表紙からすると、内容のBLっぽさはそれほどでもないように感じました。
諸戸道雄がとにかく気の毒な展開なのですが、冒頭と最後の一コマが繋がったとき、切ないけれど著者の解釈に少し救われる気持ちになりました。おすましスワン