この日は、霧雨のちくもり。あるき旅の最後の道のりだったの。北の岬町 Muxia まで、田舎道や山道を27キロ歩いたの。途中にお食事できるところがないから、朝は旅の人やお勤めの人でごった返す喫茶店で、しっかり戴いてから歩き出したの。Alto da Pena で一緒だった、こまかいパーマの長髪の子が後ろから来て、ちょっとお話ししてから、追い越していったの。ねこちゃんがいたバス停でちょっと休んだあと歩き出したら、うしろからきた二人組の子のひとりが、絆創膏ない?ってきくの。もうひとりが、足のまめがつぶれちゃったみたい。ごめんなさい、ないのって、あたし出発しちゃったんだけど、ワセリンだったらあったの。どうして助けてあげなかったの?って、いまでも後悔してるの。宿についたら、受付のきれいな子が、フランスから出発したあたしの旅の成就を、心から喜んでくれたの。

〜おわり〜