CVTF交換-日産ノート(N12)トルコン太郎での圧送交換+ストレーナー交換他 | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

今回の圧送交換は、日産ノート(E12)です。

 

電話で頂いた内容は、

 

「CVTの調子が悪いので日産ディーラーにてCVTフルードの交換をしたが改善しませんでした。そちらでCVTの圧送交換をして貰えませんか!?」

 

という相談でした。

 

 

先に言います!

 

今回のノート、結論として直りませんでした。

そして、

ATやCVTのフルード交換がいかに重要かを思い知らされました。

 

 

詳しく説明して行きますが、

2020年1発目の整備関係のブログなので、

同じ業界で頑張っている方にとって情報となるものも織り込める様に書いてみます!

 

 

 

 

 

 

 

お預かりしたノートです。

 

実は、お預かりする前にお客様に、

「伺った症状は、CVTフルードの交換では直らないと思います!」

とお伝えしています。

 

でも、お話を聞いただけで、発生している症状の確認をしてもいないのに結論を出すのは良くないので、ダメもとでも一度預からせて頂く事に。

 

 

 

まずは試運転をします。

車両の状態が伝わりやすいので、動画を撮りました。

 

 

 

 

ある程度のトルクが掛かり出すとスリップロスが酷くなり、

エンジン回転数は大きく上下します。

アクセルは一定で踏み込んでいますが、

動画の様な状態ですので、車体は加減速を激しく繰り返し、

非常に乗りづらい状態です。

 

トルクを掛ける程この現象は発生しやすく、

トルクを抜くと、すっと治まります。

 

一般道を低速で走る分にはあまり症状を感じる事はありませんが、

アクセルを少し踏み込めば途端に症状が出ます。

(※フォルトは一切無し)

 

 

日産の知り合いに聞くと、

マーチとノートで同様の症状が多発。

話しを聞いた時点で買い替えをお勧め!

買い替えずに修理したいという方には、ミッション載せ替え40万円ちょっとの見積もり、だそうです。

 

 

 

 

 

 

JF015E(ジャトコ)は金属ベルトを使用したCVTです。

 

この金属ベルト(エレメントとリングの組み合わせ)は、

オランダのファン・ドーネ社が発明しました。

 

それまではゴムベルトとの組み合わせしか選択肢が無かったので、小排気量スクーターにしか搭載する事が出来なかったのですが、この発明により、CVT機構を自動車に搭載する事が可能となりました。

このファン・ドーネ社の特許が期限を迎えた事から、近年では国産金属ベルトも生産されています。

 

 

この症状は、その金属ベルトとプーリーとの間で起こるスリップが原因である可能性があります。

 

 

 

お客様に連絡をし、

 

フルード交換では厳しいかも知れない、

しかし、フルード交換で回復もしくは改善するかも知れない。

やってみないと分からないけれど、

それではお客様も費用的リスクが生じるので、

 

「症状が改善したら見積額のお支払いをお願いします、

でも、改善しなければ部品代だけ下さい!」

 

という条件を提示して、交換させて頂く事に。

 

 

※フルード交換で改善する可能性に付いては後ほど書きます。

 

 

 

 

 

 

フルードを排出。

 

 

 

 

 

オーバーフロープラグを抜いて、更に排出。

 

 

 

 

 

オイルパンを取り外します。

 

 

 

 

 

 

鉄粉を吸着する磁石には、大量の鉄粉!!

完全に飽和状態にあります。

 

 

 

 

CVTフルードストレーナーを、

 

 

 

 

 

取り外して、

 

 

 

 

 

バルブボディを清掃。

 

 

 

 

 

 

このCVTには更にもうひとつ、

CVTフルードフィルターが装着されています。

 

 

 

 

物凄い汚れ!!

 

 

 

 

ちょっと触っただけで、そのままくっきりと指に汚れが移るレベルです。

実は、このフィルターの詰まりも色々な症状を引き起こします。

 

 

 

 

 

磁気を帯びている訳でも無いのに鉄粉が表面にこびりついています。

 

 

 

 

 

新品のフィルターに交換。

 

 

 

 

フィルターハウジングもこの汚れ!

 

 

 

 

本当はこんなに綺麗なんです!

 

 

 

 

 

真っ黒に汚れたストレーナーは廃棄。

 

 

 

 

 

磁石は綺麗に掃除。

 

 

 

 

 

オイルパンも綺麗に掃除。

 

 

 

 

 

フルードはNS-3適合確認が取れているWAKO'Sを使用。

 

 

 

 

CVTフルードは全量で6.9リットル。

抜けたフルードは3.5リットル。

約半分は新品のフルードが入っているのにも関わらずこの汚れ。

 

 

それでは圧送交換を始めます。

 

※このCVTの圧送交換には専用アタッチメントが必要です。弊社ではこのアタッチメントの商品化を進めていますが、まだ少し時間が掛かると思います。販売開始前だが交換希望のお客様がおられるという同業者様には、弊社ではレンタル用のアタッチメントを用意しております。この車両で圧送交換をする際にはアタッチメントだけでは作業が出来ませんので、そのパーツと、各Oリングやフィルターをセットにしたものとなっています。ご希望される方はお問い合わせ下さい → こちら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綺麗になったので、SOD-1プラスを添加してから油量調整。

そして試運転。

 

感想は、随分と症状は軽くなったが、

それでも加速をすると症状は発生。

 

ただ、回転数の上下動も前ほど激しくはないが・・・

 

高速に持って行って試運転をすると、

やはり前と同じ様に症状が発生。

 

 

 

そもそもフルードを交換に期待したのは、

このCVTの内部にあるスライドプーリーは、

油圧により制御されているから。

 

低速域から高速域に移行する流れで、

プーリー溝幅が変わって行くのですが、

これを制御しているフルードが劣化している、

もしくはフィルターなどの詰まりで油圧がきちんと制御しにくい状態にあるならば、フルード交換で改善するのでは!?

という考えからでした。

 

もしこれで変化が無いなら、

プーリーと金属ベルトとの接触面積(摩擦係数低下)が変わっている可能性が・・・。

 

 

 

でも、

たった1種類の、適合しているというだけのフルードに交換しただけで、これで本当に結論付けていいのか!?

 

試せる事試しての結論なのか?

 

そんな考えが頭の中をグルグルと・・・

 

 

 

自分が納得していないのに、

そんな状態で出された結論を説明されるお客様と車は不幸です。

 

なので、ここからはお客様にお断り無しで作業。

費用はフリークが負担すればいい事。

 

 

 

よく、「色んな事知ってるね」とか、

「技術があるね」などと言って頂けますが、

 

何も知りませんし、きちんとした環境(学校など)で学んでもいません。

自動車とは全く関係の無い家に育ち、

農業高校を出た私が、この業界の人々に肩を並べる為には、

学べる方法や手段をを考えて、学び続けるしかないんです。

だから、思った事はやってみています。

 

技術もありません。

だから、時間が掛かっても、費用が掛かっても、

何事も面倒臭がらず、

それを何度も何度も繰り返して作業に慣れる、

ただ、それだけです。

 

 

例えば、ベンツのバルブボディ(こちら)、

このバルブボディは、お客様にお返しするまで合計7回脱着しました。

 

R53ミニ(こちら)、

このバルブボディはこのブログの時点で合計8回、

その後も実は「念の為に純正ソレノイドに戻して調整をして欲しい」という要望があり、12月に再びお預かりをしてK2ソレノイドをAISIN製に交換。

そしてその時に調整をするので脱着数回。

もう、R53のバルブボディ脱着は何回行ったか分かりません。

2019年12月時点では、このバルブボディを脱着させたら恐らく日本一早かったはず!(笑)

 

こんな事ばっかりやってるから、うちの奥さんもスタッフさんも、

「また始まった・・・」と思ってるはずです。

 

でも、何も言わずに見守ってくれる。

 

こんなんだから、お金なんて貯まらない(笑)

でも、

繰り返す事で技術は向上し、

試す事で知識は増えて行きます。

 

見えはしませんが、これが本当の「財産」。

 

ま、その「財産」を、簡単にみんなに教えるから、うちの奥さんからよく注意されますが、それも今はもう慣れた様で、呆れ顔で見られています。

 

 

 

 

さて、

 

ちゃんとした話しに戻りますが、

 

CVTフルードは常に大変な状態にさらされています。

 

ATよりも高温になるCVTでは、フルードは高熱にさらされています。

CVT自体の小型化が進んでいるので、その分フルード量も少なくなっています。

CVTの構造上発生する撹拌抵抗を減らす効果も要求されています。

 

 

フルード量は少なくなったのにも関わらず高度な仕事が多々要求される為、負荷は増加、熱劣化は激しく、しかも金属間の油膜厚に付いてはナノオーダーなので、めちゃくちゃシビア!!

 

なのに、「無交換」を真に受けて交換せずに使用し続けていると、フルードの劣化は激しい上に、汚れや鉄粉はどんどんフルード内に混入して来ます。

 

金属間に保たれる油膜が既にナノレベルで調整されているのに、不純物が混ざったフルードがナノレベルを保持出来る訳が無い!

 

劣化したフルードは機械的損傷も引き起こします。

潤滑能力の低下、密閉能力の低下、油膜の低下・・・

挙げればキリがありませんが、この様な状態がCVT内部(AT内部でも同じです)では毎日毎日エンジンをかける度に続いている訳です。

 

それなのに、何故フルードは「無交換」なのか。

(アイシンなんて、アフターマーケット部門がフルード販売していますが、無交換なら販売する必要無いですよね)

 

普通に考えたらおかしい事ですが、これには明確な理由があります。

 

 

私が何処に連絡をして、どの様に聞いたかに付いてはをここで書く訳には行きませんが・・・

 

 

結論から言いますと、各メーカーは自社製品の「耐用年数」を決めているんです。

それは、 10年10万キロ。

 

2020年になっても、まだ私が整備士を始めた頃の1990年代からずっと変わらず、リミットはここなんです。

 

でも、今時の車って、ほんと壊れません。

10万キロを超えてもへっちゃらで、

メンテナンスだけきちんとしていれば、20万キロ、30万キロ走れるんです。

私の知っている方は、軽自動車で46万キロ乗られています。

秘訣を聞いたら教えてくれました。

油脂類はATフルードは勿論、パワステフルードまできちんと定期交換しているそうです。これに尽きると言っていました。

 

でも、メーカー側は、壊れて貰わないと困るんです。

ずっと、長く長く乗り続けられると困るんです。

 

 

 

 

ノートの話しに戻ります(汗)

 

別のフルードを用意して再び圧送交換します。

 

 

 

再び交換するので、抜き取れる分だけ抜こうとドレンを緩めて出て来たフルードは、もう既にこんな状態に!

 

圧送交換が終わった時は、透明で真っ赤な、まるで赤ワインの様な状態だったのに、たった2日の試運転をしただけで、こんなにも汚れる!?

CVT内部の汚れは一体・・・

 

 

 

 

 

圧送交換開始です。

 

 

 

 

 

 

オイル先生に相談して、何が一番いいのだろうと話し合った結果、2回目に使用したのはASHのFS

 

このフルード、

PAOとエステルを使用した、高性能100%化学合成フルードです。

Amazonでの価格ですら、1リットルあたり3,500円を超える高級フルード(CVTにも使用可能です)。

 

何故このフルードを選んだのか。

それは、スリップを極力減らす方向に持って行くためです。

トルクが掛かった時もしっかりとグリップしてくれるという事を期待して、ASHのFSを使って圧送交換を行い、最後にもちろんSOD-1プラスを添加しました。

※SDO-1プラスには、オイルの性能を上げる性質以外にも、各所に付着した汚れを分解清掃するという効果もあります!

 

 

 

さてさて、答えはどうなったか・・・

 

もう、一番最初に書きました(笑)

 

 

 

ただ、これでもまだ諦められない私・・・

 

一旦この状態で納車しお客様に乗って頂いて、

CVT内部をしっかり掃除して貰った後、

ある事、を行ってから、

また別の特殊なフルードに全量交換します。

(もちろんフリークで費用は負担します)

 

 

 

ASHを使用した事で症状はどう変わったのか??

次はどんなフルードを使うのか??

その前に何をするのか??

 

 

いい結果が出たらまた報告します。

ここまでの経過で、現状結果内容を知りたい方は、個別に私にお問い合わせ下さい。

同業者様にはお答え致します。

 

 

 

さ、明日から2020年度の仕事開始!!

頑張ります!!!

 


 
 <参考データ:車両走行距離  143,800km>


■作業メカニック - 野間雄司
■写真撮影 - 野間雄司
■文 - 野間雄司

 

 

 

 

 

※同じ内容の故障事例でも、作業内容や手順、個体差や経年劣化、部品価格の変動等により必ずしも同一価格・同一修理とはなりません。上記価格や修理内容を他の整備工場さんに強要する様な行為はお控え下さい。

 

 

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フリークでは、密閉式ミッションの圧送交換が出来る様、

様々なアタッチメントを製作・販売しております。

 

 

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