車検をご用命頂きありがとうございました<(_ _)>
車検整備の内容を、写真付きで解りやすく紹介しております。
整備の内容だけでなく、同時にお車の状況を把握する事も出来ると思いますので、
ぜひ、最後までお付き合い下さい(^^)
◆◆お願い◆◆
本文中に専門用語なども出てまいります。
理解しにくい内容になってしまうかも知れませんが、
解説付きのだらだらと長い文章になる事を避ける為、
専門用語の使用についてはご理解下さい。
なるべく解りやすくお伝え出来る様、努めてまいります<(_ _)>
◆◆◆◆◆◆◆
それでは説明に移らせて頂きます。
1975年登録の114です。
車検は1年以上前に切れていますが、
非常に良いコンディションで維持されています。
ドライブベルトは3本ともアウト。
交換が必要です。
新品のオルタネータベルトです。
メーカーはコンチ。
パワステポンプベルトは、輸入車専門の部品商では見つける事が出来ず・・・
「車が古すぎて、検索自体出来ません」と。
他、色々当たってようやく見つかりました。
しかも、メルセデス純正が見つかるとは(^^)
エアコンコンプレッサーは現行ガス(1234yfではありません)に変更済みの為、ベルト長が変わっています。
こちらはBANDOで近似値サイズ2種を用意して貰って現物合わせ。
全てを仮組み。
長さ、幅、全て問題無し!
ATFのクーラーホース、ちょっと手が当たっちゃいましたけど・・・
そんなに簡単に裂けるなんて(^^;
お付き合いのあるホース専門店さんにて修理。
ブースターに繋がるバキュームホースは見つからず・・・
ワンウェイバルブとプラスチックホースの組み合わせなので、
純正に拘る必要は無さそう。
今後破損の恐れが濃厚になって来ましたら、
新たに作り直しましょう。
懐かしのコンタクトポイント!
整備士を始めた25年前は、工具箱から連なりになったポイントを幾つもぶら下げて、車検に入った殆どの車種でポイントを交換していたものですが・・・
その内フルトラになり・・・
その内コンピュータ制御になり・・・
もう、最後に調整したのは何年前か覚えていません(笑)
ディストリビュータローター(ディスローター)です。
先端がかなり焼けています。
後ろは錆び。
新品に交換です。
続いてディストリビュータキャップ(ディスキャップ)。
ディスローターがダメなら、当然ディスキャップもダメですよね~(^^;
こちらも摩耗&焼けが酷い。
もちろん新品に交換です。
ディストリビュータのメンテです。
シグナルローターを綺麗に清掃。
古いグリースを除去します。
6気筒なので、シグナルローターは6つの山があります。
そして新しいグリースを塗布。
コンタクトポイントのヒールをカム山に合わせ、
ポイントギャップを調整。
シクネスゲージでギャップ確認。
ディスビシャフト中心部にオイルを指します。
バキュームホースに口を付けて、進角するかを点検。
元に戻していきます。
エンジンオイル排出。
オイルフィルターカートリッジも交換です。
分解して綺麗に清掃。
組み付け。
プラグホールには少量のオイルが混入し汚れています。
オイル溜まりを防ぐ排出口が設けられていましたので、
パーツクリーナーで清掃してエアブローします。
こんなに綺麗になりました。
スパークプラグも交換。
フロントハブを取り外して、
まずはベアリング内のグリースを新品グリースに詰め替え。
新しいグリースに入れ替わったので、ベアリングのボール部分が透けて見える様になりました。
ハブ内部のグリースも詰め替えます。
グリースの状態から、かなり劣化が進んでいた事が分かります。
ブレーキローターは前の車検で研磨している様なので、
そのまま行きます。
右側も同じく、ハブ内のグリースをすべて取り除きます。
当然こちらのハブグリースもかなり劣化。
ちなみに新品グリースはこんな色です。
ベアリンググリース交換用の工具内に新品のグリースを充填し、
こちらのベアリングにも圧をかけてグリース交換。
ハブキャップ内部を綺麗に掃除して、
内側にたっぷり新品グリースを詰め込んでから、
ハブキャップを装着。
続いて、ブレーキフルード交換です。
抜き取ったブレーキフルードは濃い目の黄色です。
新品はほぼ透明。
アクセルリンクロッドは全て取り外し、
接続部分を清掃してグリースを塗布。
リンク部分にはねっとり系のグリースを塗布して何度も動作させ、しっかりと浸透潤滑させます。
現在装着のタイヤです。
ホワイトリボンタイヤは味もあっていいのですが・・・
製造からもう13年を経過しています。
パターンからも、グリップや排水性能などはそれ程高い訳で無く、
スピードを出して走るタイプの車で無いとは言え、
雨の日や高速道路上では、やはり危険を伴います。
コンチネンタルに確認しましたが、何とこのサイズはもう作っていないらしく・・・
他メーカーにも確認しましたが、多くのメーカーではサイズが無く、あっても廉価タイヤだったりとかで・・・
そこで出会ったのが、ヨコハマタイヤのこれ!!
36年を経て復活したという、ADVAN HF TypeD。
しかも、復活したのが今年の秋!!
何てタイムリーな復活(笑)
ADVAN HF TypeDに付いては、
私のつたない説明よりもこちらをご覧頂くのがベスト → サイトへ
独創的なパターンです。
エンジンルームに何かの部品の破片を発見!?
鏡を使ってイグニッションコントロールユニットの底をチェック。
底の部分の一部が欠けています。
今後点火関連で不具合が出る様なら、このユニットが原因かも。
今の内に部品探しておきます(`・ω・´)ゞ
タイミングライトを使って点火時期も調整。
ヘッドライトの右側ロービームが点灯しません。
原因はバルブではありませんでしたが、
このバルブは暗いので、明るいバルブに交換します。
使用するのはこちら。
ヘッドライトが曇って光量が落ちた車でも、
このバルブに交換すると明るくなるので車検に通ったりします。
実際、ヘッドライトテスターにて計測すると、
現実的な明るさを示す単位(カンデラもしくはルーメン)がグッと上がります。
「6000ケルビン ホワイトビーム!」なんて書かれた、
明るさに全く関係のない数字を「いかにも」みたいに表記した、
全く明るく無いバルブとは違います。
(ケルビン表記に付いては、私も過去に何度か書かせて貰いました。ネット検索して頂くと分かりますが、明るさとは全く関係ありません)
取り付け方が特殊な為、バルブ自体に少し加工を施して装着します。
ライトを外したついでに他のバルブもチェック。
スモール球は左右共に黒く焼けていて、右側はもうすぐ切れます。
左側は近い将来切れます。
もちろん左右共に交換です。
が、当時は5Wが作られていましたが、現在は4Wしか作られていませんでした。
左右共に4Wになりましたが、すでに明るさを失いつつあったバルブからの交換ですので、かなり明るくなりました。
バルブに接続されているカプラーですが、
ギボシ部分に劣化が見られ、少し熱変形を起こしています。
これは、この部分で抵抗が発生し、それが熱源となっている証拠。
端子部分を磨いてからグリースを塗布。
今後の劣化も防ぎます。
以後劣化する様な事があれば、このカプラーごと交換しちゃいましょう。
右のロービームが点灯しなかったのはヒューズ切れ。
ふらっと近寄って来た工場長が一発発見!!
切れています。
新しいヒューズの在庫があったので交換。
8Aです。
交換して点灯確認。
何度か点灯チェックしましたが、ヒューズが飛ぶ事はありません。
何故飛んだのかな??
完成して、エンジンルームを拭き掃除。
とっても調子の良いエンジンに仕上がりました。
エンジンをかけていると、独特の排気臭がします。
昔、この114と同級生の昭和50年式ミニに乗っていまして、
そのミニと非常に似た臭いがして、とっても懐かしくて心地よい。
整備を通じて、とても懐かしい時間を過ごさせて貰いました(^^)
上記交換部品も含め、今回の車検で交換した部品や作業した箇所は、
・エンジンオイル交換
・オイルドレンパッキン交換
・オイルエレメント交換
・ブレーキフルード(DOT4)交換
・WAKO'Sクーラントブースター添加
・エアコンコンプレッサーベルト交換
・オルタネータベルト交換
・パワーステアリングポンプベルト交換
・スパークプラグ交換
・ディストリビュータローター交換
・ディストリビューターキャップ交換
・コンタクトポイント調整
・点火時期調整
・バッテリー交換
・フロントハブベアリンググリース左右交換
・ヘッドライトバルブ交換
・フロントスモールバルブ交換
・左側ロービーム用ヒューズ交換
・タイヤ(195/70R14 ADVAN HF TypeD)4本交換
・タイヤエアバルブ4本交換
以上となります。
交換を必要としなかった部品につきましても、
各所点検・調整・清掃・グリースアップなど行っております。
今回の車検ご請求額は ¥ 345,000- です。
(内、諸費用は 117,990円です)
ありがとうございました<(_ _)>
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