車検をご用命頂きありがとうございました<(_ _)>
車検整備の内容を、写真付きで解りやすく紹介しております。
整備の内容だけでなく、同時にお車の状況を把握する事も出来ると思いますので、
ぜひ、最後までお付き合い下さい(^^)
◆◆お願い◆◆
本文中に専門用語なども出てまいります。
理解しにくい内容になってしまうかも知れませんが、
解説付きのだらだらと長い文章になる事を避ける為、
専門用語の使用についてはご理解下さい。
なるべく解りやすくお伝え出来る様、努めてまいります<(_ _)>
◆◆◆◆◆◆◆
それではご説明に移らせて頂きます。
預かって帰る時にすぐ気付いたのですが、クラッチペダルがかなり重たい事と、
つながる位置から、ベアリングやクラッチディスクが消耗している事を感じました。
走行距離も２０万キロ手前でしたので、車検代が掛かりそうな予感です。
まずは、ボディーや荷台周辺に張り巡らされた配線と、その先に取り付けられているマーカー類、
点灯してなくなっているLEDランプ、何だか意味不明のワイヤーやハーネスを取り外しました。
もう要らないとの事でしたので、処分しましたよ。
続いて、リフトに上げて足回りの点検からはじめました。
フロントのブレーキパッドです。
残量があまりありません。
写真ではちょっと見難いかと思いますが、
フロントブレーキディスクローターの端がせり上がっています。
せり上がっていると言いますより、ブレーキパッドとの当たり面が擦り減って、
パッドの当たらない端っこのみが本来の厚みで残っているのですが・・・。
リアのブレーキドラム内部です。
向かって右側のブレーキシューはしっかり残っていますが、
左側のブレーキシューがかなり消耗しています。
外して新品と比較するとよく解ります。
右が取り外した部品で、左が新品です。
リアのブレーキは、前側・後ろ側それぞれでオーダーが入れられますので、
今回は消耗している前側のブレーキシューを左右１枚ずつ交換致しました。
フロントブレーキディスクパッドは４枚とも同じ様に消耗する為、４枚同時交換となります。
左が取り外した物で、右が新品です。
今回、ディスクローターは現状のまま行く事にしました。
次回車検満了時に交換か否かの判断をさせて頂ければと思います。
続いてリアハブを取り外しました。
シャフトを抜いて、同時にインナー・アウターそれぞれのハブシールや、
汚れて劣化しているハブグリースも全て詰め替えておきました。
足回り、ブレーキ周りのメンテナンスも完了し、
続いてクラッチのメンテナンスに移ります。
いきなりですが、ミッション降りました
写真はクラッチディスクです。
かなり消耗しています。
クラッチカバーです。
クラッチディスクとの当たり面がかなり焼けています！
ん？ 何かが一緒に落ちてきました。
外したミッションケースの中をゴシゴシと洗ってみましたら・・・、
こちらからも何か出てきました
フライホイールの中心にはベアリングのボールが何個か残っています。
パイロットベアリングが砕け散っているみたいですね
すぐに新しいパイロットベアリングを手配しました。
フライホイールを外しますと、クランクリアシールが見えてきます。
ミッションを降ろしたついでですから、クランクリアシールもついでに交換しておきます。
万が一漏れ出しますと、またまたミッションを降ろして・・・となりますので、
私はクラッチオーバーホールなどの際には必ず交換する様にしています。
クラッチペダルが重たかった原因はこちらに。
レリーズベアリングが刺さっているシャフトが潤滑油切れの為、
動きが重たくなってペダルにも重さが伝わっていた可能性があります。
しっかりとシリコーングリースを塗布して、動きをスムーズにしておきます。
向かって左は取り外したクラッチディスクとクラッチカバーです。
向かって右は同じ物の新品です。
続いてクラッチのオペレーションリペアキットを用いて、
内部のカップ関係を新しくします。
内部に錆が発生していました。
錆を落として綺麗にしました。
中身を全て取り出して・・・。
リペアキットに交換しました。
この部分、結構クラッチフルード漏れが多く、
抜けるとクラッチが切れなくなります。
このボンゴ系（OEM→日産バネット）でよく起こります。
今回のオーバーホールと同時にクラッチフルードも全て交換となります。
今後も安心してお乗り頂けると思います。
続いて、エンジンのメンテナンスに移ります。
エンジンルームを覗き込むと、結構なオイル漏れを発見。
フロント側も酷いのですが・・・
リア側は更に酷く、ミッションの側面から地面へとポタポタ垂れてきていました。
カムカバーパッキンも交換させて頂きます。
続いてタイミングベルトとウォーターポンプの交換です。
タイミングベルトは１０万キロの時点で交換していますが、
ウォーターポンプは今まで無交換できています。
そろそろ漏れ出す頃ですので交換させて頂きます。
黄色い丸で囲んでいるのがウォーターポンプの頭です。
この型のボンゴ、ウォーターポンプの作業性の悪さでは有名な車種なんです
タイミングベルトを外し、
カムシャフトのプーリーや噴射ポンプのプーリーなどを除けると、
ようやくバックプレートを取り外せ、ウォーターポンプが見えてきます。
が、ウォーターポンプの上に付いているオルタネータを外さないとウォーターポンプはのきません
写真は、オルタネータをのけて、ウォーターポンプも取り外した状態です。
黄色い丸の所にウォーターポンプが付いていました。
外したウォーターポンプです。
もちろん、左側が新品です。
古いウォーターポンプから、若干ではありますが冷却水が滲みかけていました。
ちょうどいいタイミングでの交換でした(^^)
オイル漏れの酷かったカムカバーパッキンの、交換途中の写真です。
ルームミラーは、鏡部分が無くなっていました。
取付自体もグラグラで安定もしていません。
新しい物への交換を依頼されまして調べてみましたら、
新品はルームランプ部分もセットになったアッセンでしか供給がありません。
全てセットで４，８６０円でした。
ガランドウになっている部分にラジオでも聞けるオーディオをとの事でしたが、
純正配線は何箇所か切断されていて、
しかも取付のブラケットがありません
配線は加工しなおして使えるように出来ますが、
ブラケットが無くてはオーディオ本体の固定が出来ませんので、
下の小物入れと抱き合わす様に取付て、
パネルに開けられていた穴を利用して押さえる爪を取り付けました。
ちょっと不細工ですが、割としっかり付いています。
中古品ではありますが、ご希望のラジオはもちろん、MDの再生も出来ると思います。
サービス品ですので、音飛びなどしても許して下さい(^^;)
ブレーキ及びクラッチのペダルゴムが磨り減って、
一部鉄部分も見えています。
雨の日は滑りますので、新しい物と交換させて頂きました。
ゴム厚だけでなく、溝の立ち上がりもしっかりしていますので安心です(^^)
上記交換部品も含め、今回の車検で交換した部品や作業した箇所は、
・エンジンオイル交換（車検入庫時、無料交換です）
・オイルエレメント交換
・ブレーキフルード交換
・冷却水（ＬＬＣ）交換
・クラッチフルード交換
・バッテリー（８０D２６L)交換
・フロントブレーキディスクパッド交換
・リアインナーホイールオイルシール交換
・デフオイル交換
・リアアウターホイールオイルシール交換
・リアブレーキシュートレーディング側交換
・ベアリンググリース詰め替え
・タペットカバーパッキン交換
・フューエルエレメント交換
・ブレーキペダルゴムパッド交換
・クラッチペダルゴムパッド交換
・ルームミラー交換
・フロント左スモール球交換
・フロントワイパーラバー左右交換
・フロント左タイヤ交換
・タイヤエアバルブ交換
・クラッチディスク交換
・クラッチカバーＡＳＳＹ交換
・クラッチレリーズベアリング交換
・フライホイールパイロットベアリング交換
・フロントエキゾーストパイプガスケット交換
・クランクシャフトリアシール交換
・クラッチレリーズシールキット交換
・タイミングベルト交換
・タイミングテンショナーベアリング交換
・ファンベルト交換
・エアコンベルト交換
・パワステベルト交換
・ミッションオイル交換
・ウォーターポンプ交換
・ウォーターポンプガスケット交換
・ラジエータホースバンド交換
・右リアホイールハウスアウターパネル交換
・オーディオ（中古）取付
・マーカーおよびＬＥＤランプ取り外し
以上となります。
交換を必要としなかった部品につきましても、
各所点検・調整・清掃・グリースアップなど行っております。
今回の車検ご請求額は ￥ ２８０，０００－ です。
ありがとうございました<(_ _)>