母がお骨になってから、
間もなく3週間になろうとしている。
母の遺志で告別式は行わず、
身内の中でも若い年齢で骨を拾った。
90代中盤を過ぎると、
親族や付き合いがあった方も高齢である。
この猛暑の中では、
見送る側が健康を損ない兼ねない。
高齢の親族の中には、
退院したばかりの人もいたので、
ある程度の年齢を過ぎたら、
極力短時間で済ませるのが望ましいだろう。
会社勤めをしているときだと、
故人の親ということで、
様々な人が弔意を示してくれるものだが、
5年も介護離職をしていると、
そういう気遣いを受けずに済む。
また若年性認知症で妻が長期入院していると、
妻の親族に気づかれることもない。
それでも山奥の仙人ではないので、
社会的なつながりというものは皆無ではなく、
落ち着いた頃合いを見計らって、
声をかけてくれた友人・知人が何人かいた。
不祝儀やお花の申し出もいただいたが、
斎場に来た身内も含め、
母の遺志に基づきお断りさせていただいた。
それでも気を遣ってもらえるということは、
有難くもあり、それ以上に嬉しいものである。
だが死により、この世のしがらみから
解かれた故人を尊重するなら、
何もいただかないのが一番かもしれない。
しがらみの再生産をせずに済むからだ。
何事にも捕らわれない
自由な旅立ちを母にはしてもらいたい……。
※来月の四十九日が明け落ち着くまでは、
しばらくの間、不定期更新となります。