『リンカーン』(原題:Lincoln /2012年アメリカ/150分)
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナー
原作:ドリス・カーンズ・グッドウィン著『Lincoln』
製作:スティーブン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディ
製作総指揮:ジョナサン・キング、ダニエル・ルピ、ジェフ・スコール
音楽:ジョン・ウィリアムズ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
出演者:ダニエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、ジェームズ・スペイダー、ハル・ホルブルック、ジョン・ホークス、ティム・ブレイク・ネルソン、ブルース・マッギル、デヴィッド・ストラザーン、トミー・リー・ジョーンズら
100点満点中77点
ドリス・カーンズ・グッドウィンによる伝記本『Lincoln』を原作とし、アメリカ合衆国の第16代大統領「エイブラハム・リンカーン」の最後の4ヶ月を描いた伝記作品。
第85回アカデミー賞では、ダニエル・デイ=ルイスが主演男優賞を受賞し、美術監督のリック・カーターが美術賞を受賞しました。
監督はスティーブン・スピルバーグで、当初は、リーアム・ニーソンを「リンカーン」役に据え、「リンカーン」生誕200年の2009年の末に公開する意向でしたが、「リンカーン」の生涯のうち、どの部分にフォーカスするかや作品の骨子をどうするかで、脚本家が数人交代したため、最終稿が上がったのが2009年2月となり、また、ニーソンが2010年に出演を辞退したことで、撮影開始が大幅に遅れ、2012年11月9日の公開となりました。
「エイブラハム・リンカーン」を演じたダニエル・デイ=ルイス(↑上)はイギリスの俳優。1989年公開の『マイ・レフトフット』、2007年年公開の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と今作で、史上初となる3回のアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。彼の役作りは徹底していることで定評があり、『マイ・レフトフット』ではクリスティ・ブラウンを演じるため撮影中は常に左足しか使わず、車椅子に座ったまま生活し、撮影所でも立とうとはしなかったため、ケーブルや照明の邪魔にならないように、スタッフに車いすを押してもらうなどして移動していました。また、今作では、外見を似せるため髪と髭を伸ばし、関連の書物やリンカーン自身が書き残したものを読みあさり、19世紀の生活に慣れるため、「メアリー・トッド・リンカーン」役のサリー・フィールドと当時の文体で手紙の交換を4ヶ月間行ったばかりでなく、南部訛りを徹底して叩き込んで撮影に臨んだということです。
その他、トミー・リー・ジョーンズ、ジェームズ・スペイダー、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットなど豪華なキャスティングです。
特に、ジョーンズ(↑)とスペイダーの役作りはルイスに引けを取らないくらい、これまた凄い徹底振りですので、ご興味ある方は、是非、この点もご確認ください。
(あらすじ)
1865年1月。「エイブラハム・リンカーン」は大統領に再選され2ヶ月が経ったが、4年以上に及ぶ南北戦争が未だに続いていた。
1862年の奴隷解放宣言で奴隷は解放されたかに思えたが、この宣言で実際に解放された者はごくわずかであり、この宣言は戦時中の立法措置だったため、戦争が終結すれば、その効力は失われるのである。「すべての人間は自由であるべき」と信じるリンカーンは奴隷制の廃止をもって戦争を終結させるため、アメリカ合衆国憲法修正第13条を議会で可決させることを決意する。この頃から、彼は毎晩1人で船に乗り、どこか知らぬ地へ向かっているという不思議な夢を見るようになる。
そんな時、奴隷制廃止の行方とは別に、敗戦濃厚な南部同盟から和解の申し出があり、南北戦争は終結の方向に進み始める。「リンカーン」の所属する共和党でも「これ以上犠牲者を出さないために、1日も早く戦争を終わらせるべき」という意見が強く、党内でも「憲法修正は二の次」という意見も出てくる。ただ、一方では、奴隷解放をかたくなに貫こうとする急進派の強硬な意見は影をひそめることはなかった。それに加え、野党民主党は憲法修正には大反対である。戦争の犠牲拡大抑止と人間としての尊厳(=真の奴隷解放)とのジレンマ、公人としての政治家の立場と家族を守らなければならない家庭人としての立場のジレンマが「リンカーン」を深く悩ませる。そして、議会対策のため出席者の2/3以上の賛成票を集めなければならないという、ぎりぎりの攻防戦に立ち向かわなければならなかった。






















