終盤の“タネ明かし”が出来過ぎな感のある『ラッキーナンバー7』(P・マクギガン監督作品) | Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

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イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『ラッキーナンバー7』(原題:Lucky Number Slevin/2006年アメリカ/111分:R-15)

監督:ポール・マクギガン

脚本:ジェイソン・スマイロヴィック

製作:クリストファー・エバーツ、アンディ・グロッシュ、キア・ジャム、ロバート・S・クラヴィス、タイラー・ミッチェル、アンソニー・ルーレン、クリス・ロバーツ

製作総指揮:ジェーン・バークレイ、ドン・カーモディ、A・J・ディックス、シャロン・ハレル、エリ・クライン、アンドレアス・シュミット、ビル・シヴィー

音楽:J・ラルフ

撮影:ピーター・ソーヴァ

編集:アンドリュー・ヒューム

出演者:ジョシュ・ハートネット、ルーシー・リュー、ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ベン・キングスレー、スタンリー・トゥッチ(『ラブリー・ボーン』)、ダニー・アイロエ(『レオン』)ら

100点満点中78点


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 ややシニカルなブラック・ユーモアを織り込んだハードボイルド・スリラー作品。冒頭からたくさんの“伏線”を張りまくり、終盤、一気に“種明かし”するあざとい展開ですが、出演者がある意味豪華で、各メンバーが、それなりに熱演しているところに好感が持てる珍しい作品です。あまり期待して観なければ、その結末に得心し、ある程度の満足を得られる内容です。

 監督のポール・マクギガンは、ジョシュ・ハートネットが好きらしく、2004年公開の『ホワイト・ライズ』に次ぎ、彼を主演に抜擢しました。スリラー的要素のある作品を撮ることを好み、『仮面の真実』(2003年)もポール・ベタニー主演で、中世ヨーロッパが舞台のスリラーを手掛けています。 

 また、大物俳優をキャスティングする事でも有名で、過去にウィレム・デフォーやマルコム・マクダウェル、ヴァンサン・カッセルを起用し、今作でも、モーガン・フリーマン、ベン・キングスレーを重要な役柄に配しています。

 原題は『Lucky Number Slevin』でありながら、邦題は『ラッキーナンバー7』としましたが、なぜ、「スレヴン」ではなく「7(セヴン)」なのかは、作品鑑賞中に何となくわかります。(敢えて、邦題を「・・・7」にしなくてもいい気がするのですが)


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 主演のジョシュ・ハートネットは不運な青年「スレヴン・ケレヴラ」役で、失業して家も失った上、恋人にも裏切られてニューヨークにやってきた青年ですが、さらに“厄介な”事件に巻き込まれます。(その後、驚きの展開が待っていますが・・・)


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 ブルース・ウィリスは暗殺者「グッド・キャット」(別名スミス)で、金次第でどの組織の暗殺も請け負う“凄腕”の持ち主。彼の主演作『ラストマン・スタンディング』や『ジャッカル』『隣のヒットマン』を彷彿とさせる役まわりです。


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 モーガン・フリーマンは、「ボス」と呼ばれる“裏組織”の黒幕役で、対立する組織の黒幕「ラビ」は、ベン・キングスレーが演じています。彼らの鞘当てに、ハートネット演じる「スレヴン」が巻き込まれる。


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 ルーシー・リューは、「スレヴン」が転がり込むニューヨークのアパートの隣に住む「リンジー」役で、ちょっとブスですが、ちょっと可愛い、あっけらかんとしたSEXにも奔放な女性です。

 こんな人物達が、ハードボイルドなスリラーを展開していきます。


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(あらすじ)

 ガランとした空港の待合室で、「ニック・フィッシャー」は車椅子の中年男性から、20年前に起きた競馬の八百長事件に絡む陰惨な一家全員殺害事件を語り始める。


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 それは、勝たせたい馬に興奮剤を注射するという手口で競走を操作する八百長で、今回は「ラッキー・ナンバー・スレヴン」という馬に興奮剤が投与されると言う情報が、巡り巡って「マックス」という男にもたらされる。彼は、2万ドルを、“闇組織”から借りて勝負に出るが、その馬は、興奮剤の投与に耐えられず、ゴール間際に絶命する。借金を返せない「マックス」は、“闇組織”に家族もろとも始末されてしまうというものである。


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 「スレヴン・ケレヴラ」は、不運続きでニューヨークの知人「ニック・フィッシャー」を頼って来るが、彼は不在である。アパートに勝手に入り、彼を待つ事にするが、隣人の「リンジー」が砂糖を借りにやって来る。彼女と意気投合する「スレヴン」であったが、彼女が部屋に引き揚げた後、彼は、謎の黒人二人に拉致されてしまう。


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 彼は、「ニック・フィッシャー」と間違われ、組織の黒幕「ボス」の前に引き出される。「ニック」は、「ボス」に9万ドルの借金があり、借金を帳消しにする代わりに、対抗組織の「ラビ」の息子を殺せと命じられる。「ボス」は少し前に、自分の息子を殺され、「ラビ」の仕業だと思っているからだ。ただし、この暗殺計画の裏には、プロの暗殺者「グッド・キャット」がいる。戦争をせずに済ますため、表面上は組織外の人間を使って、暗殺を遂行しようと言うのだ。


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 この暗殺者「グッド・キャット」は、「ラビ」の元も訪れる。「ボス」からの報酬の2倍を払えば、逆に「ボス」を抹殺してやると、「ラビ」に持ちかけるためだ。いささか、複雑で“謎めいた”暗殺合戦が展開するようだが、「スレヴン」の運命や如何に??


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