渋い刑事捜査物『マシンガン・パニック/笑う警官』(スチュアート・ローゼンバーグ監督作品) | Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

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イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『マシンガン・パニック』(原題:The Laughing Policeman/1973年アメリカ/114分)

監督・製作:スチュアート・ローゼンバーグ

脚本:トマス・リックマン

原作:ペール・ヴァ―ルー、マイ・シューヴァル(「笑う警官」)

音楽:チャールズ・フォックス

撮影:デイヴィッド・M・ウォルシュ

編集:ロバート・ワイマン

出演者:ウォルター・マッソー、ブルース・ダーン、ルイス・ゴセット・Jr(「愛と青春の旅立ち」)、アルバート・ポールセン、アンソニー・ザーブ、ヴァル・エイヴリーら

100点満点中49点


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 かつては、こんな犯罪捜査も、かの国では行われていたのだという刑事物の“古典”のような作品。無差別に銃弾を浴びせ、多くの犠牲者を出すような大量殺人がまだ珍しかったサンフランシスコでバスの乗員乗客8人死亡、1名重体のマシンガン乱射事件が発生。犠牲者のうち一名がサンフランシスコ市警の私服警官であったことから、その相棒が、他の捜査官と衝突しながら事件の真相に“猪突猛進”して行く姿を描いたクライム・スリラーです。

 原作は、ペール・ヴァ―ルーとマイ・シューヴァル夫妻で合作した警察小説シリーズの4作目「笑う警官」で、元々はストックホルム警察殺人課警部「マルティン・べック」を主人公とするスウェーデンの小説です。

 出演者は、ある意味豪華で・・・

 主演のウォルター・マッソーは、殺人課警部「ジェーク・マーティン」役、迷宮入りの殺人事件を抱えながら、相棒の仇に迫って行くベテラン刑事を演じ、サンフランシスコに生息する“闇の住人”達の懐深く入り込み、鬼の執念を冷めた面相の下に隠し、新しい相棒に対しても冷淡な態度をとる偏屈な人物。言葉が少ないため、慣れない同僚からは、あらぬ誤解を生みやすいが本当は生真面目な職業人です。

 彼の新しい相棒「レオ・ラーセン」刑事は、性格俳優の誉れ高いブルース・ダーンが演んじ、見た目通りの“切れやすい”若手刑事で、同僚の黒人刑事との聞き込み捜査中には、足並みを揃えることが出来ず、衝突の種を撒きまくります。

 その黒人刑事「ジェームズ・ラリモア」は、あの名脇役ルイス・ゴセット・Jrが演じ、見た目とは裏腹にややデリケートな性格で、デリカシーがあると言えば聞こえがいいが、死体安置所で多数の射殺死体を目の前にし、気分が悪くなるというような気の弱さを見せます。


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(あらすじ)

 サンフランシスコ市街のバスターミナルで、市警の殺人課刑事「デイブ・エバンス」は、小柄なイタリア系の男を尾行している。この男は尾行に気づいており、公衆電話で誰かに連絡を取ったり、自販機でスナック菓子を買ってみたり落ち着かない様子だ。彼は階上の乗り場からバスに飛び乗った。「エバンス刑事」もそれを追ってこのバスに飛び乗る。数街区走ったところで、一台の車が追い抜き、下りた男がバス停に止まったこのバスに乗り込んで来る。乗り込んだ男は最後尾の席に陣取り、持っているバックから鉄製の部品を取り出し組み立て始める。そして、やおら立ち上がり組み立てた短機関銃を前部に向け乱射し始める。あっという間に乗客はなぎ倒され、車内は地獄絵図に一変。運転手も巻き込まれ、バスは迷走の末停車する。乗員乗客8名死亡、一名の乗客が重体の重大事件の発生である。


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 現場に急行したのは、市警殺人課の面々と鑑識課員達であるが、この陰惨な大量殺人事件の犠牲者の中に、同僚の刑事「エバンス」がいることを、相棒の「マーティン」が発見する。この後、サンフランシスコの裏側に存在する悪の巣窟であるポルノ劇場、ゲイボーイパブ、ストリップ・バーに対し、徹底的な聞き込み捜査を展開し、また、凶器の入手経路の特定のため情報屋を締め上げるのだが、この一見無差別殺人に見える事件の裏には、迷宮入りした「テレサ殺人事件」が絡んでいることを掴むこととなる。



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