『ソルジャー』(1998年アメリカ映画/98分)
監督:ポール・アンダーソン
脚本:デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ
出演者:カート・ラッセル、ジェイソン・スコット・リー、ゲイリー・ビジー、ジェイソン・アイザックス(「ルシウス・マルフォイ」役)、コニー・ニールセン(「グラディエーター」)ら
100点満点73点
1996年、時の覇権国家は秘密裏に沢山の新生児の中から、「兵士」のみに育てる人材を徴用していた。トッド3465(ラッセル演ず)もその一人。
一般社会から隔離して、物心付く前から、「残虐シーン」を絵本変わりに見せられ、「徒手格闘」「射撃」等のありとあらゆる戦闘術を施され、命令には絶対服従し、「軍隊=家族」であって、敵せん滅が絶対的正義であり、「情け=弱さ」であるとする「戦闘マシーン=ソルジャー」に仕立てられる。
生まれてから、約17年で、教育課程を修了し、彼らは実践投入される。
「6都市戦争」「タンホイザー戦」「モスクワ戦」「上海2012戦争」等から、他星侵略戦争まで、彼らは約40年に渡って、戦い続け、地球は他星系をも勢力下に置く軍事国家となっている。そして、現在は「休戦協定中」であるため、チャーチ大尉率いる彼の部隊も休息期間である。
そんな、古参の部隊に、ミーカム大佐(「ハリー・ポッター」のルシウス・マルフォイ役で有名)率いる「ニュー・ソルジャー」と呼ばれる者達がやって来る。
彼らは、遺伝子操作によって、人工的に生み出され、新プログラムによる、教育と訓練で、従来の兵士を遥かに凌ぐ体力と精神力を持つという。
特に、ケイン607は東洋的な外見でありながら、トッド3465よりも体は一回り大きく、持久力、と格闘力に優れ、20kmの距離を1時間程で走りきり、その後、トッド34657を含む3人のソルジャー相手に格闘戦をこなし、片目を失うものの、あっさり3人を殺害してしまう。
敗北した3人は、「廃棄物」として廃棄される事が、ミーカム大佐によって命令され、廃棄物運搬宇宙船で、「アルカディア234」という、廃棄物投棄惑星に遺棄されててしまう。だが、死亡したかに見えたトッド3465は、虫の息ながら生存し、「アルカディア234」の多くの瓦礫の山の上に立つ。
この惑星は、不毛の大地ながら、呼吸可能な酸素を持ち、度々強烈な砂嵐が大地を襲う厳しい環境の惑星である。「トッド」は、自らの運命に絶句するが、生存するために、瓦礫の中を歩き続け、墓地のような地域を通り抜け、住民がいる事を期待もせずに、さらに歩き続け廃棄物で構築した集落に辿り着く。
そこには、家族単位で生活する約50人の住民が寝食を共にし、肩を寄せ合って生活している。彼らは、地球から、「ムーン星系」に向けて移住するために、出発した移民であったが、遭難・不時着し、12年前から惑星「アルカディア234」で共同生活をしながら、救出の手を差し伸べられない運命を甘んじて受け入れコミュニティを形勢している。
「トッド」は、ここで力尽きある家庭で傷を癒すために厄介になる。そこは、この町の指導的役割をはたす男と妻「サンドラ」と息子「ネイサン」がいる。彼らのお陰で、「トッド」の傷は癒え、家庭的雰囲気に包まれた生活を味わう事ができるが、生まれてから戦争・戦場しか経験して来なかったせいで、その本能的攻撃性と過度の防御本能が無意識に出てしまいコミュニティーから追放されてしまう。
そんな時、彼を「廃棄」したミーカム大佐は、ニュー・ソルジャーの演習も兼ねた、哨戒任務の実行を決定し、まず、「アルカディア星系」から始めると言い出す。
万が一にも住民がいた場合は、不法入植者として殺害し、闇に葬るというのだ。
そして、ミーカム大佐率いるニューソルジャーは、宇宙巡洋艦で「アルカディア234」に現れ、戦闘車両2両を中核とする、哨戒部隊17名を惑星上に展開し始めるのだった。
さて・・・「トッド」とこの惑星の住民の運命や如何に?
こんなマイナー作品が、ブルーレイで復刻された事に感動を隠しきれず購入してしまったSF戦闘作品。数々の近未来・世紀末SF作品に出演している「カート・ラッセル」が外宇宙に飛び出した数少ない作品。

