昨夜から大雪の影響で交通マヒを起こしていた北陸線・北陸自動車道ですが、今朝になりようやく復興したとのこと。ホッと安堵するとともに、多くの被害に見舞われた現地の皆様には心からのお悔やみを申し上げます。

近年の災害は、集中豪雨や大型台風に例を見るような大規模化の傾向があります。

本日は午前中より、自民党災害対策特別委員会に出席して参りました。
その中で、地域の状況を把握している地元の国家議員から発せられた意見の中心は、

地域の災害対応力が低下している
ということでした。

その理由として、

①高齢化、過疎化による人的作業力の減少

②事業仕分けによる、災害対策予算(除雪予算)等の減額

③公共事業の削減による、地元建設業者(除雪業者)の減少


が挙げられます。

①はともかく、②と③は危機管理能力のない政治が引き起こした人災といっても過言ではないと思います。

さて、年末から今日までにかけて、北陸・日本海沿岸では大雪被害に見舞われたわけですが、その間、各地の自衛隊が災害派遣で頑張っていたのを皆さんはご存知でしょうか?

12/26 福島県西会津町にて除雪支援 140名(車両30両)
1/2  鳥取県大山町にて除雪・給油・輸送支援 110名(車両30両)
〃   島根県松江市にて除雪支援 90名(60両)
1/31  福井県敦賀市・越前市にて除雪・輸送支援 120名(40両)

そして今回の大雪でも、240名の隊員が災害派遣として、現地で汗を流していただきました。


年の暮れや正月には、誰しも家族と共にゆっくりと過ごしたいもの。
しかし、自衛官は命令とあらば、家族をおいて国民のために危険な職務に当たります。
誰からの目にも触れない場所であっても…

何故、これらのひたむきな努力が報道されないのでしょうか…しょぼん残念でなりません…

委員会の中で、私は
「内閣や防衛省は、もっとマスコミに働きかけて、ひたむきに頑張る自衛官の姿を取り上げてもらうよう努力をしてほしい」
という発言をしたのですが、官僚からは
「ピンナップ等を発信し、広報としてはやっています。残念ながら報道には使われませんでしたが、それはマスコミ各社の自由ですので…」
との回答しか得られませんでした。「やってます」なら誰でも言えます。民間会社ならそんなの通用しませんよね。どうしたら国民の目に、このような真摯な努力の姿を届けられるかを、使う側の人間は真剣に考えるべきです。

もう一つ懸念することがあります。

それは、先の防衛大綱の見直しでも決定されましたが、陸上自衛官の1000名の削減。中国を警戒し、防衛正面である南西域へシフト、また空海戦力の増強を図ろうという考えに基づくのでしょうが、では、平時における災害派遣、特に北方・東北・北陸といった雪国における災害対応は誰が行うのでしょうか?

陸上自衛隊は海空自衛隊に比べ、平時より地域に密着し、高い災害対応能力を持つ部隊です。

政治家が、物事を単視眼的に見て、安易な判断をすることは、新たな人災を招き、いたずらに国民を不安と危険に巻き込むことにつながりかねません。

防衛官僚の皆様には、国防の責任を双肩にになっていることに対する矜持を持って、防衛予算と人員の削減に関しては、与党・内閣に対し命懸けで抵抗していただきたいとお願いしておきます。