2006年08月29日

悪夢散布器       (ホラーファイル№012)

テーマ:(ホラー)

常に不安に突き動かされている人々に、ちょっとしたきっかけを与えて

一斉行動を誘うことは簡単なものだ。

だから、人々に充分な食事がいきわたるようになったら、

支配者は絶え間ない不安と焦燥の種を用意してやらねばならない。


                             A.ヒトラー



怪しい灰色の車が時たま走り回っているのを見かけることはありませんか?

人間の神経系に作用する不安物質を放散する特殊車なのですが、

抑うつ、怒り、不眠、無気力、焦燥感などをを招く薬剤を定期的に

日本中に散布しているのだそうです。


こうして人々が連帯して、為政者に異議申し立てをしたりすることは

避けられているというのですが。。。


・・・このところずっとイライラして酒量が増えて金遣いも荒いと思ったら、

そんな国家的陰謀のせいだったのですね、

私は悪くなかったんじゃないか---!!


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2006年08月28日

着信アリ ファイナル    (ホラーファイル№011)

テーマ:(ホラー)



閉店後の居酒屋で、ヒトケのない一角から携帯の着信音が響いた。


どうせ酔客が携帯を忘れて行ったのだろうと、後片付け中の従業員が音のしたあたりをを調べてみると、店の隅のつい立の陰で、両手両足を縛られた男が白目を剥いてうめき声をあげていた

悲鳴があがり、警察を呼ぼうと騒ぎ出した従業員を、店長はひとまず制して男をよく眺めてみた。開店前には何もなかったはずだし、営業中も特に事件性のあるような不審なことはなかったからだ。

男を縛った紐や衣服を解いて聞けるものなら事情を聞いてみようとしたのだが、そこへ不意に、男の集団がなだれ込んで来た。
閉店後のドアから断りもなく部外者が押し入ってくるとはただ事ではない。

店長とにらみ合った男たちの中で特に人相の悪い体の太い短髪で色眼鏡をかけた男が言った。
「ああっ、先輩!」

情けない声だった。

実はこの男たちはこの店で閉店間際まで飲んでいた客だった。
全員学生時代のサークルの仲間で、青年の部Bになっても年に一度集まって飲み歩くことがあるのだが、この日は何年も顔を見せることのなかった、当時の代表がやってきた。
元代表は温厚な人柄で当時からメンバーに慕われること篤かったので久々の対面で会合は大いに盛り上がったのだった。

ところが元代表が途中で、今日は早めに帰ると言ったところ、再開のうれしさと先輩への親しみと甘えのあまり、元代表を帰してなるものか、と学生の時分のノリで先輩を適当に衣服で縛ってしまったのだが、このときは皆泥酔状態に近く、縛られた元代表はそのまま寝入ってしまい、皆も千鳥足で店を出てから元代表がいないことに気がついたというわけなのだった。

なお、白目を剥いてうめいていたというのも、元代表は薄目を開けて寝るのと、歯軋りをする癖があっただけのことだったのだが、店員が間違えたのもあの状況ではやむを得まい。

学生のときの仲間が集う会合は、幾つになってもつい分別を失い学生の時分まで気分が退行してしまうので注意が必要だ。


なお、私は一足先に三次会の会場で飲んでいたので詳細な事の顛末や、もう二度とあの居酒屋へいけなくなったという大恥地獄の現場を知らない。 学生ノリのおふざけはこれでファイナルとしたい。。。



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2006年08月24日

憂い顔の人面瘡(じんめんそう)      (ホラーファイル№010)

テーマ:(ホラー)

昔、当時小学生低学年の私たちは近所の裏山で宝探しをすることが時々あった。
裏山といってもその実、山というほどもない小さな隆起で、しかも国道の拡張のためにだいぶ削られて雑木林の反対の斜面は落石防止のためコンクリートで固められて無粋な光景を呈しているのだった。


ただ、この山には昔地元の領主の砦があったが、他国に攻め落とされるときに黄金三千枚を埋めたという言い伝えがあって、確かに山腹には低い土塁のようなものの名残があったのだ。
眉唾物の伝説を頼りに、埋蔵金探索と称して低い山の林の中を駆けずり回って遊んでいたのだが、山はまだ見ぬ埋蔵庫への秘密の入り口や、盗掘を防ぐ様々な仕掛け、さらには黄金を守る妖怪や武士の怨霊が跋扈する場所だった。みんなそう信じていた。

ある夏の夕暮れ時、薄暗くなった林の中で、突然タダシが悲鳴をあげた。
どうやら犬のウンコを踏んでしまったのだが、そこは落ち武者の怨念の憑りついた人面犬が出没する林で、人面犬のたれる人面糞(じんめんくそ)を踏んだ者は人面瘡(じんめんそう)になると言われていて当時の小学生はみんなこれを信じていたのだ。

人面瘡とは初めはただのできもののようだが、しだいに盛り上がってこぶのようになって人の顔のような有様を呈してくる。さらに症状が進むとぶつぶつとモノを言うような音を立てたり開いた傷口がモノをくわえ込んだりする。やがて人面瘡がしだいに大きくなるにつれ人間本体のほうはやつれていって、終いには大きくなった人面瘡のこぶが残り、本来の首がまるでイボでも落ちるようにポロリと取れてしまうといわれていた。


「うわーん、オレ、もうだめだあー」と泣きじゃくるタダシの足元を見ると、
なるほど確かに踏んづけられた何物かがあった。
大変だ、ここは救急車を呼ぼうとサトシが大人を呼びに走り、私とタカシは歩けなくなったタダシを抱えて山を降りたがもちろん例の人面糞も一緒だ。病状と治療の特定のためには必要だろうと考えたのだ。
なんとか山を下ると、上り口の国道脇にはすでに救急車が待機して大人が二人立っていた。


症状を説明しブツを差し出したあとの、大人たちの態度が一変したこと、その後の叱責されたことやその顛末はよく覚えていない。

ただ、数日後の二学期の始業式で校長が、
「うんこ踏んだからといって大騒ぎするのはばか者だ、みんなはくだらない空想に関わらずに、一生懸命勉強をしなければならない」

というような訓示をしたことだけはよく覚えている。
私たちは、あれはうんこではなくて、妖怪人面犬の人面糞なのに、とも思ったが、それもすぐに忘れた。

それからなんとなくみんな裏山で遊ぶことに遠慮が入るようになり、迫力やスリルがなくなって、人面犬も人面瘡も話題に上らなくなってしまった。

あのとき以来、私たちの世界からは妖怪や埋蔵金は消えて、
それはただテレビが与えてくれるだけのものとなってしまったのだが、
いなくなったのは妖怪や埋蔵金だけではなかったのだ、と気づいたのはもっとずっと後のことだ。

そしてずっと、今も私たちは妖怪も埋蔵金も隠し扉もない乾いた道を歩いている。



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2006年08月22日

君の好きな仕事   (ホラーファイル№009)

テーマ:(ホラー)



ずっと引きこもりだった君だが、最近家で仕事を始めたようだね。
SOHO?まあそんなところかな。

そもそも、引きこもりの原因は人一倍の汗っかきと、脂性で
対人恐怖症になったせいだというが、今度はそんな君にぴったりの仕事だ。

化粧品会社の委託で原料の製造採取を請け負うのだが
これが稀少で高級なものだけに結構な金になるのを

君はまんざらでもなく思っている。

化粧品の原材料には知ってのとおり鉱物性、植物性、動物性があるけれど、
人間の顔に塗るには当然のことながら、より人間になじむものがよいのに
決まっている。
はっきり言えば人体由来のものが圧倒的にいいということだ。

君は一日に数回、プラスチックの定規のようなヘラの縁で
顔の脂をこそげ落としては容器に入れる。
これを集めて化粧品会社に買い取ってもらう。
そして化粧品会社はこれを精製して高価な化粧品の原材料とする。。。

君は今日も美しいモデルが高級な美容液を顔に塗るTVCMを見た。

異性には縁遠い君だが、遠い世界のモデルに
なんだか親しみを感じるようになったようだ。


君の分身があの美しいモデルに
密着しているのかと思えば、君も仕事に陶酔に似た感覚を覚えるようだ。


それどころか気のせいか、最近モデルの顔つきの印象がなんとなく
変ってきて、君の顔つきにに似てきたような気がしている。

そういえば
あの女優も、あのモデルも・・・。


有名人の顔つきは初め違和感があっても、やがて流行となって君に似た顔つきが

世の中にあふれ出すことは間違いないと、君は予感している。

化粧品会社の担当によれば、君のアブラは特に濃厚で品質がいいらしい。
君は今日も精を出してひとりアブラのそぎ落としに励む。





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なんとなく二人称で書いてみましたら、

いろいろ発見がありました。

内容は、ホラじゃないホントかも。。。

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2006年08月18日

完璧害虫撲滅法     (ホラーファイル№008)

テーマ:(ホラー)

沈黙の春  『沈黙の春』 レイチェル・カールソン / 新潮文庫 


農薬の害についてはここでいまさらいうまでもないが、
害虫駆除の名目の元、害の無い虫ばかりか小動物の生息地を奪い生態系を狂わし、
最近ではうつ病の原因とまで疑われている。


日本で鬱による自殺率が多いのは地方の農業県だったりするのが有名だが、

都市型のストレスの多い都会ならともかく
なぜ農業県に?というのは素朴な疑問である。
それが農業県ゆえの農薬散布量の多さと自殺率が比例しているというのは
不気味な推測だ。

だが農薬を使わず、害虫を駆除する方法は、ある。
実は限られた害虫のみを効率的に駆除する完璧な装置が完成しているのだ。

だが、いくつかの事情があって実用化されていない。

もちろん農薬産業はお関係官庁の利権であるから、
既得権益を手放さない役人がこれを認可するわけは無い。
役人というのは国が滅びても既得権益を手放さないというのは
先の大戦の顛末をみればわかるとおりだ。

だが、害虫駆除装置の実用試験を行ったところ、

周囲に集められた虫から害虫のみが始末され、

益虫や無害な虫はまったく影響なく試験は大成功だったのだが、

ただひとつの問題は、

この試験に立ち会った農林水産省と労働厚生省の数名の官僚が
跡形もなく消えてしまっていたことだった。

害虫だけを分別・駆除する完璧な装置だが、これは予想外の性能だった。

立ち会った人間は他にもいるし、害虫だけが完璧にいなくなったはずなのに

どうしたわけか木っ端役人ども関係省庁の官僚たちも

害虫とともにまた消滅してしまっていたのだ。

結局、消えた官僚の行方も原因も消滅の事実さえも発表されなく、

「あの装置は正しく作動した! まさに世の中の甘い汁を吸う害虫だけが消えたのだ!」

という研究者の主張も省みられることはなかった。


こうして完璧な害虫駆除装置が日の目を見ることは無くお蔵入りとなったのは
日本の国益を思うと、本当に残念なことだ。

こうしてまだこれからも害虫がはびこるのであろうか。
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2006年08月17日

あなたがお化けに出会うわけ     (ホラーファイル№007)

テーマ:(ホラー)


喫茶店での待ち合わせ中に「東京散歩」などという
普段あまり見ない雑誌を見ていたら、
仏像胎内納骨などというものの広告があった。
気をつけてみるとこうしたシルバー層読者の多い雑誌には
様々な「葬儀事業の広告」を目にするようだ。
確かに近年は条件付ながら散骨が認められていたりして、
遺骨遺灰の埋葬方法も多様化していることの一端だろうか。

もっとも、遺灰を陶土に混ぜ合わせて陶器として
焼成するということはかなり古くから商業的に行われている。

依頼は花器や飾り壷、置物としての造形物などが多いようだが、
酒壷や酒器も人気らしい。
遺骨は一定の期間を経ると、美しい陶器として遺族の元に帰ってくる。
遺族は故人の面影を器に重ね好きだった酒を注いで永く故人をしのぶことになる。。。
なるほど、酒に親しむ人間としてはその心情はよくわかる。

ところが、妙なうわさもある。
業者はうやうやしく遺族から遺骨を受け取るものの、
実際のところ個体の区別などいい加減なばかりか、
下請けの陶製業者の扱いもいい加減なもので
製造工程において他の製品の原材料との厳格な区別などしていないというのだ。

請負単価がひどく高いせいもあって、遺灰から多様な器への加工も請け負ってはいるが、
この製陶業者の主力商品はなんと○器である。
便○として日々様々な事業所、店舗、官公庁舎、寺社、もちろん学校へも出荷されている。

死後の始末にも法外な金をかけたがる一部金持ちの末路とはいえ
死後、酒器や花器になるはずが便○になってしまっては・・・
そりゃあ化けて出たくなるわな。

トイレで幽霊の目撃談が多いのはこうした事情によるのである


南無阿弥陀仏 アーメン 迷わず成仏してください。。。
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2006年08月14日

心霊科学研究所      (ホラーファイルNo.006) 

テーマ:(ホラー)

その昔、高校の文化祭でわが部(体育会系)は模擬店「心霊科学研究所」を出店した。
主な目的は我が校は当時男子校だったために、女子高生に受けるようなものを出展してきゃあきゃあ言われたいというものだったが、うちは堅い進学校という自意識もあって、単純なお化け屋敷などではなく、内容的にはかなり屈折したものとなった。


心霊スポットのパネル展示、降霊術の実演、線香と蝋燭ロザリオや十字架によるもっともらしいディスプレイなどは好評だった。


もっとも、心霊スポットなどと言ってもそこらの廃屋やトンネルの入り口、古い家の階段や蕎麦屋の古井戸などをそれっぽく写真パネルにして貼りだしただけで、アレが心霊スポットだったことなど当時も今も誰も知らなかったようなものだが、もっともらしい注釈をつけただけで、みんな真面目に見入ってくれたようだった。


また、降霊術は丸テーブルを囲んで霊感の強い(という設定の)霊媒役を中心に男女交互に人を配したので、普段近づくこともない女の子の手が握れてうれしかった、という程度のシロモノだったのだ。


ここまではよかったのだが、心霊写真(もちろん全部ニセモノ)や霊感石(?)などというものをひとつ十円で売りだしたところこれがまた近所のガキどもに大変な人気となり、急遽追加で仕入れを行ったほどであった。
ところがこの人気がアダとなり、心霊写真を買って帰った小学生の親から、学校に抗議が来る騒ぎとなり、これ以降我が部は今後同様の出展を禁じられると共に、売上金の全額返金を命じられたのだった。


ただ、わからなかったのは抗議の趣旨で、もちろん3枚十円で売った写真が暴利をむさぼったとか、心霊写真のインチキがばれての返金騒動だったわけではない。正確なところはもう忘れてしまったが、教育の現場で良識ある健全な高校生がやる行為でない、というようなものだったと思う。

そのうわべだけの良識派ぶりや,偽善者っぽさと言うようなものに子供というのは敏感で、今もってその「良い大人」の安っぽさだけが印象として残っているだけだ。


それがさらにみんなの腹に据えかねたのが、抗議の主がアーメン系宗教関係者だったということで、この場合アーメン系だろうが念仏系だろうが宗教が何かは関係ないのだが、宗教家なら子供が魂や人間の本性に興味を持つことにもう少し理解があってしかるべきなのではないか、悪く言えば宗教なんて霊感商法の親玉みたいなもののくせに、とみんな思ったのだが、そこはいい子系の高校だったためにみんな大人の理解を装うすべを知っており、ことを荒立てることはしなかった。


ただ、帰り道某宗教家の活動拠点である教会の前でみんな同時に尿意をもようしたことはきっと神の意思だったのだろう。 また翌日抗議に来た良識ある糞坊主宗教家が、教会の前で人糞を踏んで滑って転倒したことは全く当時の高校生の行いとは無関係の事実で、みんなはきっと天罰が下ったのだと噂しあうとともに、なんとなく溜飲が下がったのだった。

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2006年08月13日

呪いのインターネット殺人事件       (ホラーファイル№005)

テーマ:(ホラー)

蒸し暑い夜だった。


「なんだかアメブロって夜になるとすごく遅いのよねー」

「サーバーの能力以上に会員増やしすぎてるんだろ?」

・・・レスポンスの悪いWEB画面を眺めて二人は苛立っていた。


「こんなのろいんじゃねー、
ねえ、これって呪いなんじゃない?」

「・・・・のろいからって、インターネットののろいとか言ったら、ブツよ・・・。 (-_-#;)」

「・・・・・・・・・呪いの、インターネット・・・~(m- -)m」

バキっ! 「あうっ!」

インターネットの呪いはこうして現実のものとなった。

あれは呪いのせいだったんだ、おれのせいじゃない、と犯人は話した。

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2006年08月10日

萎え系の美女 (ホラーファイル№004)

テーマ:(ホラー)


美人である。明るく健康で、性格もおっとりしていてスタイルもいい。
よく気配りもでき、おまけに頭もよい。

で、独身。

男友達も多いが、浮いた話は聞かない。
私とも長年の友達だが、歴然と友達でしかなく、
面と向って好きだといわれたことはあったが
手を握ったこともなく(ないな、たぶん)、彼女が結婚するまでは
たぶんこのまま希薄な間の友達なのだろう。

彼女自身に結婚願望だってあるし、家に借金があるとか、
宗教上の制約があるとかいうわけでもない。
彼女がいい年まで独身なのは七不思議の一つでもある。

一緒に歩けばすれ違う男たちの視線がビシバシ飛んで来るのを感じるし
仲間内の会合になど同伴すれば、羨望を浴びること間違いない。

でも浮いた話は全くない。
一緒にいても間違いが起きないという意味で安心なのだけれど
ここまで来ると、一緒にいても心に波風一つ立たないというのが
安心を通り越して、彼女のこの先が余計心配になる。

気を使いすぎなのだな、たぶん。
彼女は頭が良い上に勘も鋭く、一般人の10倍くらい気を回す。
私が二言三言話しただけで、今日行きたい店をそれとなく言い当てて
助言をするし、私が口の端を持ち上げるだけで、
次の話題がわかって受ける構えに入ったり
先手を打って話を振ったりするのだ。

霊感も鋭いらしく、近くにいる人の死ぬ時期が近づくとわかるというのだ。
(これは本当で、アカの他人でもわかってしまって落ち込んでいたりする)
拙者にも、「わかったらそれとなく教えてあげますね」、と言ってくれるだが
それって、ありがとうと言っていいものやら、なんだか・・・。

たいていこれでドン引きになるかな。


                 (フルホント)

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2006年08月07日

生きながら葬られる人の群れ       (ホラーファイル№003)

テーマ:(ホラー)


このところ毎晩寝苦く、睡眠不足気味だとは思っていたのだが、
今日も電車で座って移動中に寝込んでしまった。
どれほど眠ったのかわからないが、目を開けると、
電車の行き先が『あの世行き』に変わっていた。


やがて駅に着いたので、わけもわからず人の波について電車を降りると
駅前を亡者どもが群れをなして歩いていた。


亡者どもは生きているときと同じような身なりをしていたが、
中年以上の亡者は無表情・不機嫌そうに虚ろな目をしてひたすら歩き、
比較的若い亡者は空虚な笑いのうちに仲間とふざけあったり
道端に座り込んだりしているのだった。


いずれにしても皆なんとなく生気なく、話し方も身のこなしも

周囲に無頓着で投げやりなのだったが、

まあ亡者だからねえ・・・などと思いつつ

私もなんとなく群れに従ってだらだらと歩いた。


歩いているうちにまた駅が見えてきたのでふと見ると、

なんとその看板には「渋谷」とあった。
いつかまた、この世に戻ってきたのだろうか?。
すると雑踏で見てきたあの人の群れは本当に死んでしまったのだろうか?
それとも毎日を死にながら生きるような普通の人たちだったのだろうか。


もっとも、私たちとは今この瞬間も日々死につつあるものなので、
どっちにしてもたいした違いはないのかもしれない。


最後の「死」とは人生のずっと先にあるわけではない。


死亡確認の瞬間とは、日々「生」を失っていった果てに、ついに全部の死が成立して、
死亡完成承認印を押す区切りというだけのことなのだろう。


ただ、全死が完成するまでをお迎え待ちの亡者予備軍で暮らすか、
他律的でない自己の生を自覚して過ごすかくらいは自分で選ぶことが
できるだろう。


そして私は居心地悪く、急いで雑踏を離れたのだった。





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